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損害賠償とは?企業の事例と法人保険の必要性
損害賠償とは?賠償責任が問われるケース
損害賠償とは、不法行為や債務不履行によって生じた損害を補償する仕組みであり、損害を被った主体(企業・団体、個人など)が加害者側に請求することで賠償責任が発生します。
損害賠償は金銭賠償が原則であり、損害の大きさを金銭的に評価し、その金額を被害者側に支払う形で行われます。
賠償責任が問われるケースは多岐にわたり、労働災害や債務不履行、製品の欠陥による事故や健康被害、大気汚染・水質汚濁・土壌汚染といった環境汚染などが原因として挙げられます。
企業の損害賠償事例
以下では、企業の損害賠償における具体的な事例と企業に与える影響、会社が負担する費用、必要な備えをご紹介します。
事例① 業務中の賠償事故
業務中に故意または過失によって第三者の財産や利益を損ねた場合、賠償責任が発生します。
【具体的なケース】
・土質調査のため、試堀作業を行っていたところ、誤って水道局の配管を穿孔し、約4,800万円の賠償命令を受けた。
・配送中に客先の商品を破損してしまい、賠償金として50万円を支払った。
・中華料理店で、店主が油の入ったなべを火にかけたまま仕入れに出かけて30分程度放置したため火災が発生。近隣6軒にも延焼し、賠償金として約4,800万円を支払った。
・自社ビル5階天井内の共用配管から漏水し、5階~1階の8店舗に水濡れによる賠償金として約1,000万円を支払った。
こうしたケースでは、破損した物品や財産の修理費または再調達費用、その物品や財産が使用できないことによる損失額などを負担しなければなりません。
また、企業は賠償金の支払いによる直接的な金銭的損失のほか、事故によるブランドイメージや信頼の低下、事故対応に伴う業務の中断や遅延といった影響を受けます。
【リスクに備えるためのチェックポイント】
・業務上発生した事故による第三者への損害賠償への備えをしているか?
事例② 顧客の負傷事故
製品の欠陥や施設管理上の過失などにより顧客が負傷した場合も賠償責任が発生します。
【具体的なケース】
・出荷した商品に不具合があり、顧客が負傷。賠償金として約1,000万円を支払った。
・経営するレストランで食中毒が発生。複数の顧客へ賠償金として合計約50万円を支払った。
この場合、損害を与えた企業は、負傷した顧客の医療費や入院費用、休業補償、慰謝料、逸失利益(負傷により将来的に得られなくなった収入)などの費用を負担することになります。
負傷事故が発生すると、賠償に伴う金銭的負担はもちろん、顧客からの信頼喪失やブランドイメージの低下、民事訴訟のリスクなどさまざまな影響が生じます。顧客を負傷させた原因の究明や再発防止策が実施されるまでの間、操業が停止するリスクもあります。
【リスクに備えるためのチェックポイント】
・製造した商品や、提供したサービスに万一のことがあった場合の賠償への備えをしているか?
事例③ 個人情報の流出事故
個人情報の流出も企業にとって大きなリスクの一つです。
【具体的なケース】
・外部から不正アクセスを受け、個人情報が流出。賠償金として約1,200万円を支払った。
・取引先からの帰りの電車で個人情報の入ったバックを盗まれ、賠償金として約500万円を支払った。
個人情報の流出事故が発生した場合、被害者の人数に応じて賠償金を支払わなければなりません。賠償金額は被害者の人数のほか、流出した情報の内容や二次被害の有無などによっても変動します。また、調査費用や謝罪広告の掲載費用なども発生する場合があります。
流出事故が発生すると賠償金や調査費用などの金銭的負担のほか、企業イメージや信頼性の低下、事故対応による業務停止などの影響が生じます。さらに、悪意のある第三者が漏えいした情報を不正な目的(なりすまし、クレジットカードの不正利用など)で悪用するリスクもあります。
【リスクに備えるためのチェックポイント】
個人情報が流出した顧客への損害賠償や原因の調査、お詫び状や媒体訴求、サイト閉鎖中の喪失利益などへの備えをしているか?
賠償責任保険の必要性
損害賠償のリスクに備えるのであれば、賠償責任保険への加入が効果的です。
賠償責任保険は、事業活動に起因して第三者に損害を与えた場合の賠償請求に備える保険であり、顧客のケガや食中毒、個人情報漏えいなどへの備えとして活用できます。
損害賠償は事故の規模によっては億単位の金額にのぼるケースもあり、企業経営に深刻な影響を与えかねません。
企業向け賠償責任保険に加入することで、こうした高額の損害賠償請求に備えることができます。損害賠償に伴い資金繰りが悪化するリスクを低減でき、さらに保険を活用することで被害者への賠償を迅速に行うことができるため、企業イメージ低下の影響を抑えることも可能です。
まとめ:法人保険で万が一に備えよう
損害賠償は企業にとって大きなリスクの一つであり、賠償金の支払いによる金銭的負担のほか、信頼性の低下や事業の停止などさまざまな影響を受ける可能性があります。
法人保険に加入し、万が一のリスクに備えましょう。
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