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社用車での事故、事業者にはどんな責任がある?法人保険で万が一に備えよう。
社用車で事故を起こしたときの責任所在
社用車で事故を起こした場合、車を運転して事故を起こした従業員自身と、その従業員を雇用している会社の双方が責任を負います。
従業員の責任には民事上の責任と刑事上の責任があります。
民事上の責任は民法709条に基づく「不法行為責任」が該当し、事故の被害者に対する損害賠償責任が発生します。
刑事上の責任は事故の態様や結果によって異なりますが、過失運転致死傷罪や道路交通法違反に問われる可能性があります。
会社の責任としては「使用者責任」と「運行供用者責任」があります。
使用者責任とは、会社が雇用している従業員が業務遂行中に不法行為(この場合は交通事故)を起こし、第三者に損害を与えた場合に、運転者と連帯して会社が負う責任のことです。
運行供用者責任とは、自動車の運転によって利益を得ている者(この場合は会社)が、その自動車の運転によって生じた事故の損害賠償責任を負う責任のことです。
社用車事故による損害賠償や修理費用は、企業にとって大きな経済的負担となります。法人保険に加入することで、事故による直接的な損失や法的責任を軽減し、企業の財務基盤を守ることができます。
社用車による事故の事例
以下では、社用車による事故のケースや会社が負担する費用、必要な備えについて解説します。
事例① 事故による相手への賠償
社用車の運転中の事故によって第三者に損害を与えてしまった場合、事故の状況によって損害賠償責任が発生します。
人的被害に対しては、被害者の治療費・入院費、休業損害(事故が原因で休業したことにより失った収入)、逸失利益(後遺障害が残った場合)、慰謝料などを支払わなければならない可能性があります。
物的被害の場合、相手の車両や物品の修理費、代替品の購入費用などを負担しなければならない場合があります。
【具体的なケース】
従業員が社用車運転中に人身事故を起こし、保険から約1,000万円の補償を受けた。
事例② 事故による従業員の負傷
社用車の運転中に事故が発生し、従業員が負傷した場合、治療費や通院にかかる交通費などは会社が負担することが一般的です。
業務中の事故で負傷した場合には労災保険が適用され、その保険料は会社が全額負担する義務があります。
【具体的なケース】
社用車で取引先へ向かう途中、運転していた従業員が自動車事故でケガ。保険から400万円の補償を受けた。
事例③ 社用車の損傷
業務中の事故により社用車が損傷した場合、その修理費は会社が負担することが一般的です。これは、社用車の運転により利益を得ているのは使用者(会社)である以上、運転に伴うリスクについても責任を負うべきとの考え方に基づいています。
【具体的なケース】
大雪でカーポートがつぶれ、駐車中の社用車が全損。保険から約400万円の補償を受けた。
いずれのケースでも、会社は事故の発生に備えて保険に加入することはもちろん、事故対応マニュアルの作成やドライブレコーダーの導入、従業員教育(安全運転講習や事故対応訓練)などを行っておくことが大切です。
社用車の事故は法人保険で備えよう
社用車には常に事故のリスクがあり、人が運転する以上リスクをゼロにすることはできません。事故が発生すると金銭的な負担が生じるだけでなく、自社の信用が低下するおそれもあるため、万が一の事態に備えることが非常に重要です。
セゾンの法人保険では、社用車の損傷や従業員の負傷、賠償リスクに備えられる法人保険をご用意していますので、ぜひご相談ください。