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ファクタリングとは?~2社間と3社間ファクタリングの仕組み&特徴の違い~
会社の資金繰りを改善できるサービスとして最近注目が高まっていますが、イマイチ馴染みがない方も多いではないでしょうか。
そこで今回はファクタリングの仕組みからメリット・デメリットについて解説します。最後に、クレディセゾンの売掛債権買取サービスも紹介します。
ファクタリングとは?~種類別に紹介~
ファクタリングとは、売掛債権を買い取ってもらうサービスであり、ファクタリングを利用した会社には売掛金から取引手数料を引いた現金が支払われます。
ファクタリングの歴史は長く、その起源は16世紀頃のイギリスと言われています。元々は欧米で普及していた金融サービスであり、日本でも約50年前から存在していました。
長らく一般的に普及するには至らなかったファクタリングですが、2000年代以降、債権譲渡の法律が整備されたことにより、日本でも徐々に浸透してきました。
現在では、様々な会社がファクタリングサービスを提供しており、その種類は豊富です。
ファクタリングには5種類(タイプ)ある
ファクタリングには、主に5つの種類があります。
タイプ① 「買取型」ファクタリング
売掛債権を売却して現金を調達する形式であり、一般的にファクタリングといえば、この「買取型」を指します。支配期日前の売掛債権を買い取ってもらうことで、スピーディーな資金調達が可能となります。
タイプ②「保証型」ファクタリング
保証型ファクタリングは、売掛債権に保険をかけることであり、売却するわけではありません。つまり、売掛債権の支払いをファクタリング会社が保証するものであり、すぐに資金を調達するためのサービスではありません。売掛債権の未回収リスクを回避することを目的としています。
タイプ③「一括」ファクタリング
一括ファクタリングは、ファクタリング会社、ファクタリング利用者(納入会社)、売掛先(支払会社)の3社間で契約を結び、売掛金の一括決済を行うものです。※3社間ファクタリングについては後述します
通常のファクタリングは利用者(納入会社)が申し込みますが、一括ファクタリングの場合は売掛先である支払会社が主体となって申し込みます。支払会社にとっては、支払手形にかかる事務作業が不要になるというメリットがあります。
タイプ④「国際」ファクタリング
貿易取引をする際に利用されるファクタリングであり、国内の輸出業者が海外へ輸出する際に、その製品(商品)を輸入する海外の業者から確実に代金を回収するために行われます。
・国内の輸出業者
・海外の輸入業者
・国内のファクタリング会社
・海外のファクタリング会社
4社間で取り引きされるのが特徴です。
タイプ⑤「医療」ファクタリング
医療機関が利用できるファクタリングです。通常、社会保険診療基金(社保)や国民健康保険団体連合会(国保連)から支払われる診療報酬は通常2~3ヵ月程度かかりますが、その診療報酬債権をファクタリング会社が買い取ることで早期に現金化することができます。
医療ファクタリングの対象は、病院やクリニックだけでなく、介護サービス事業者、調剤薬局といった医療従事者によって分けられており、以下の3種類があります。
・診療(医療)報酬債権ファクタリング
・介護報酬債権ファクタリング
・調剤報酬債権ファクタリング
ファクタリングのメリット・デメリット
種類が豊富で、徐々に注目を集めているファクタリングには様々なメリットがあります。
メリット➀ すぐに現金化できる
ファクタリング最大の特徴といえるのが、すぐに現金が手に入ることです。売掛金の支払い期日よりも前に資金化することで、突発的な出費にも対応でき、キャッシュフローの改善に一役買ってくれます。早いところでは、最短1日での現金化が可能なケースもあります。
メリット② 信用情報に悪影響がない
ファクタリングの利用は「借り入れ」にはなりません。つまり、信用情報に記録されることはないのです。
銀行融資やビジネスローンでお金を借りると「負債」になり、決算書にも影響します。対して、ファクタリングは信用情報に悪影響を及ぼすわけではないので、以後の融資を受ける際の審査でもマイナスにはなりません。
メリット③ 銀行融資よりも審査がやさしい
ファクタリングを利用するには、審査に通らなければいけません。しかし、審査ハードルは銀行融資よりも低く、審査も最短即日で終わるケースもあります。
また、審査はファクタリング利用者(納入会社)と売掛先(支払会社)が対象となります。
メリット④ 担保&保証人なしで利用できる
ファクタリングは審査がやさしいだけでなく、銀行融資と違って、担保や保証人が必要ありません。ファクタリング会社が直接融資するわけではないので、銀行融資やビジネスローンとはその性質が根本的に異なります。
メリット⑤ 返済義務がない
ファクタリングは売掛先(取引先)が倒産したり、不渡りが生じた場合、その責任を利用者が負う必要がありません。つまり、返金義務がないのです。
もちろん、そういったことが起きないように審査では利用者の会社だけでなく、売掛先の会社も対象となります。
以上のメリットだけでなく、ファクタリングには次のようなデメリットもあります。
デメリット① 手数料が発生する
ファクタリングを利用した場合、利用者は売掛金から手数料を引いた金額を受け取ることになります。そして、その手数料は銀行融資と比べて高い傾向があります。
後述しますが、ファクタリングの取引形態には2社間と3社間があり、その取引形態によって手数料(率)は異なります。
デメリット② 売掛債権以上の資金は調達できない
当然ですが、ファクタリングを利用して調達できる資金は売掛債権の金額です。手数料がかかる分だけ、それよりも少なくなります。
売掛債権以上の金額が必要な場合は、銀行融資やビジネスローンを利用しましょう。
デメリット③ 悪質業者が存在する
ファクタリングは近年広まったサービスなので、法整備がまだ十分に行き届いていないのが現状です。そのため、なかには悪質業者が存在しているので注意しましょう。
悪質業者を選ばないための方法
ファクタリングを利用する上で、悪徳業者に引っかからないためにみるべきポイントは次の2点です。
・手数料や契約条件が明示されているか
・会社の所在地や情報が明示されているか
ただ、なかには上記2点を満たしている悪徳業者も存在します。ですので、「大手」と言われるような知名度のある会社を利用するのが一番安心でしょう。
ファクタリングの仕組み~2社間or3社間の違い~
ここからはファクタリングの仕組みについて詳しく解説していきます。ファクタリングには2社間と3社間の2種類の取引形態があり、それぞれで仕組みが異なります。
2社間ファクタリングの仕組み
2社間ファクタリングでは、ファクタリング会社と売掛先が直接やり取りをしません。取引のフローは下記の通りです。
➀ 売掛金が発生(売掛先に通知)
② 売掛債権をファクタリング会社に譲渡
③ ファクタリング会社が売却代金を支払う
④ 売掛先から売掛金が支払われる
⑤ 回収した売掛金をファクタリング会社に支払う
2社間ファクタリングのメリット・デメリット
この2社間ファクタリングでは、次のメリットとデメリットがあります。
●メリット⇒ スピーディーに資金調達ができる
●デメリット⇒ 手数料が高い(10%~30%)
2社間の場合、売掛先に承諾を得ずとも利用が可能なので、スピーディーに資金を調達できます。さらに、この後紹介する3社間ファクタリングに比べても審査がやさしいという特徴もあります。
手っ取り早く売掛債権を現金化したい方、ファクタリングの利用を売掛先に知られたくない方は2社間ファクタリングが向いています。
ただし、3社間ファクタリングよりも手数料は高めになります(売掛金の10%~30%)。なぜなら売掛先を回収できないリスクが3社間よりも高いからです。
また、2社間ファクタリングを提供している会社は基本的に中小規模の会社であり、大手では基本的に提供していないので注意が必要です。
3社間ファクタリングの仕組み
続いて、3社間ファクタリングの仕組みをみていきましょう。
3社間ファクタリングは、ファクタリング会社と売掛先との取引が発生します。取引のフローは下記の通りです。
➀ 売掛金が発生(売掛先に通知)
② ファクタリングの利用・契約を承諾
③ ファクタリング会社と契約(売掛債権を譲渡)
④ ファクタリング会社が売却代金を支払う
⑤ ファクタリング会社が売掛先に通知
⑥ 売掛先から売掛金がファクタリング会社に支払われる
➀と②が逆になるケースもありますが、一般的には以上のようなフローになります。
3社間ファクタリングのメリット・デメリット
●メリット⇒ 手数料が低い(2%~20%)
●デメリット⇒ 資金調達できるまでに時間がかかる
3社間ファクタリングの最大のメリットは手数料が2社間よりも低いことです(売掛金の2%~20%)。また、売掛金は売掛先からファクタリング会社へ直接支払われるので、利用者(自社)の手間は少なく済みます。
しかし、利用するには3社間での合意が必要となるため、資金調達までには時間がかかります。契約時も売掛先へ利用を打診、承諾を得ないといけない点にも注意しましょう。
2社間と3社間ファクタリングのメリット・デメリットまとめ
2社間ファクタリング |
3社間ファクタリング | |
---|---|---|
手数料 | 高い(10%~30%) | 低い(2%~20%) |
資金調達までの時間 | 短い | 長い |
売掛先への利用承諾 | 必要でない | 必要となる |
初心者には3社間ファクタリングがおすすめ
ファクタリングは2社間と3社間でそれぞれ一長一短があるわけですが、初めて利用する方におすすめなのは3社間です。理由は次の3つです。
・大手企業がサービスを提供している
・取引の透明性が高い
・手数料が低い
先述したように、ファクタリング会社のなかには悪徳業者が存在しており、その多くが2社間ファクタリングを提供している中小規模の会社です。決して2社間ファクタリング=悪徳業者というわけではありませんが、3社間ファクタリングの方が大手企業が提供しているため、安全性は高いです。
資金調達までの時間はかかりますが手数料も低いので、初めてファクタリングを利用する方は3社間がおすすめです。
ファクタリングで資金繰りは改善できる
ファクタリングは手数料が発生するものの、売掛債権をすぐに現金化できるので資金繰りの改善に一役買ってくれます。
とくに、次のような会社はファクタリングを利用する恩恵は大きいといえます。
・突発的な資金難に陥っている
・銀行融資、ビジネスローン以外の手段で資金調達したい
・請求・回収業務に負担がかかっている
一時的な資金難に陥ったために、会社やお店を畳んでしまわないといけないケースは少なくありません。それを回避する資金調達の方法としてファクタリングは非常に有効です。
また、銀行融資やビジネスローンと違って、信用情報に残りません。以後の融資の審査にも影響しないので、ファクタリングで少額(売掛金額)を一時的に準備して、それ以降の資金は銀行融資を利用するといった使い方もいいでしょう。
手数料率には注意
資金調達の方法として有効なファクタリングですが、利用する前に注意すべきことがあります。ひとつは手数料率です。手数料分だけ支払われる金額が減ってしまうファクタリングでは、この手数料率は非常に大事です。
手数料10%と20%での営業利益の違い
売上100万円、原価80万円の会社を例に、手数料率がいかに影響するかをみていきましょう。
<手数料率10%の場合>
売上 | 100万円 |
原価 | 80万円 |
粗利 | 20万円 |
ファクタリング手数料 | 10万円 |
利益 | 10万円 |
<手数料率20%の場合>
売上 | 100万円 |
原価 | 80万円 |
粗利 | 20万円 |
ファクタリング手数料 | 20万円 |
利益 | 0円 |
あくまで一例ですが、手数料次第では利益が0、場合によってはマイナスになる可能性もあります。とくに、手数料率が粗利益率を上回る場合は利用しない方がいいでしょう。
ファクタリングは手数料の他にも、審査手数料や事務手数料が必要となる場合もあるので注意しましょう。
短期間の利用がおすすめ
ファクタリングは即効性の高い資金調達方法ですが、利用期間中は収益がずっと手数料分だけ減っていることになります。ですので、1~2ヵ月の短期利用で、あくまでも「つなぎ」として利用するのがおすすめです。
ファクタリングの活用シーン
では、ファクタリングを活用すべき代表的なシーンを紹介します。
銀行融資の審査が下りないとき
どうしても資金が必要になったとき、まずは銀行融資やビジネスローンを検討される方は多いでしょう。しかし、経営状態が良くないと審査に通りませんし、通ったとしても十分な資金を融資してもらえない可能性はあります。
そういった場合に、審査ハードルが低いファクタリングが非常に有効です。ファクタリングで調達した資金で資金繰りを改善できれば、その後に銀行から融資を受けられる可能性も高くなるかもしれません。
急に現金が必要になったとき
ファクタリングの強みは「スピード」です。急に現金が必要になったときはもちろん、たとえ経営状態が順調であっても、“資金ギャップ”が発生するタイミングなど一時的に苦しいときこそ利用を検討しましょう。
また、銀行などから融資を受けるほど必要なお金が少ない場合も信用情報に残らないファクタリングはおすすめです。
ファクタリングの審査・契約に必要なもの
ファクタリングの契約には、次のような書類が必要になります。
➀登記簿謄本
②印鑑証明書
③決算書
④売掛先との契約書
⑤売掛金を証明できる書類(発注書、納品書、検収書など)
⑥銀行通帳
契約をスムーズに行うために、ファクタリング会社とコンタクトをとり、書類の不備がないようには注意しましょう。
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