資金調達の3つの方法！アセットファイナンス・デッドファイナンス・エクイティファイナンスとは？

まずはアセットファイナンスについて解説します。

アセット（asset）とは「資産」を意味し、アセットファイナンスとは企業が保有する資産の信用力を利用して資金を調達する方法です。資産の中には有形・無形、様々な資産が含まれ、土地や建物、特許権や著作権などの知的財産権も含まれます。アセットファイナンスの代表的な方法としては不動産を担保とした融資や、ファクタリング、リースバックなどがあります。ファクタリングとは、売掛債権の売却によって期日より前に資金を調達する方法です。リースバックは、不動産を売却する際に賃貸契約を結び売却後も使用可能な状態にすることです。

アセットファイナンスによる資金調達のメリットを解説します。

・資産の保有リスクから解放される
資産には価格変動によるリスクや、為替や金利の影響など様々なリスクがあります。保有している限りリスクもついて回りますが、資産を現金化し企業の資金として使うことで資産保有リスクから解放されます。

・売却による資産のオフバランス化ができる
資産を売却するとバランスシートとも呼ばれる「貸借対照表」に資産が計上されなくなります。このことにより総資産利益率が向上し、結果として外部からの企業評価を高めることに繋がります。

・資金調達のコストを抑えられる
金融機関からの借入に対する利息や株主への配当など、資金調達方法によっては高額のコストがかかる場合があります。アセットファイナンスなら自社の資産を元にした資金調達方法のためコストを抑えられる可能性があります。

次にアセットファイナンスによる資金調達のデメリットについて解説します。

・企業イメージダウンにつながる可能性
保有する建物などを売却した場合「不動産の売却」＝「財政状況悪化」と受け止められることもあり、そのように解釈されてしまうと企業としてマイナスの印象を持たれてしまう可能性があります。

・買い手の立場が強くなり、足もとを見られる可能性
資産によっては一般の買い手を見つけにくいような建物や土地などの資産もあり、その場合買い手側が優位となりやすく、売却額などで足元を見られ希望額で売却できない可能性もあります。

・企業存続に関わる資産は売れない
多額の資金を調達できるような資産でも、その資産の売却によって事業が存続できないなどの影響が出る場合は売却は難しくなります。売却することで得られる価値を見極める必要があります。

以下のような特徴を持つ企業はアセットファイナンスに向いています。

次にデットファイナンスについて解説します。

デット（Dept）とは負債を意味し、デットファイナンスとは社債や借入など、いずれは返済すべき他人資本を元にした資金調達方法です。代表的な方法としては、銀行など金融機関による融資があります。

デットファイナンスのメリットを2つご紹介します。

・最も簡単な資金調達の方法
金融機関に申込み、審査に通れば借入が可能なため、アセットファイナンスのように売却できる資産を保有しておく必要もなく、資金調達の中では簡単な方法と言えます。

・融資に成功すると「箔がつく」可能性がある
スタートアップなどの新規事業の場合、最初は融資を受けられる額は少額ですが、きっちり返済することで箔がつき、今後の融資を受けやすくなります。また返済実績により会社としての信用度も上がります。

次にデットファイナンスのデメリットを解説します。

・他の手段での資金調達が難しくなる
銀行融資などで資金調達をした場合、会計上は負債として計上されます。今後、追加で融資を受けたい場合、デットファイナンスによって自己資本比率が低下していることが原因で、追加融資やその他の方法での資金調達が難しくなる可能性もあります。

・返済のための資金繰りが付いてくる
デットファイナンスは返済義務のある資金調達方法のため、返済金額や返済期限を意識した資金繰りが必須となります。

以下のような特徴を持つ企業はデットファイナンスに向いています。

最後にエクイティファイナンスについて解説します。

エクイティ（Equity）とは株式資本を意味し、新株や新株予約権付社債の発行により、資本を増加し資金を調達する方法です。エクイティファイナンスによって調達した資金に返済義務はありませんが、将来的に配当やキャピタルゲインなどで株主に還元する必要があります。エクイティファイナンスには、公募（時価発行増資）、第三者割当増資、株主割当増資、転換社債型新株予約権付社債などがあります。

エクイティファイナンスのメリットを解説します。

・返済期限がなく資金繰りが安定する
借入ではないため返済期限などがなく、資金繰りで悩む必要もなく事業計画が立てやすくなります。

・金利ゼロで資金調達ができる
エクイティファイナンスは基本的には金利ゼロで資金調達ができます。（転換社債型新株予約権付社債は一部利息あり）

・デットファイナンス以上の信用度がある
エクイティファイナンスには、資金調達と同時に自己資本比率が増えるという強みがあります。自己資本比率が増えることにより、財務上の安定性を示すことができ、他企業や金融機関からの信用度が上がります。

次にエクイティファイナンスの持つデメリットについて解説します。

・株が下落する可能性がある
株式を新しく発行することにより、全体の株式保有比率が変化し、一時的に株価が下落する可能性があります。

・経営者の発言権が低下する恐れがある
株主には株主総会での議決権が与えられます。つまり「経営に関して意見を言える人が増える」という状況になり、経営者の発言権が希薄化する可能性があります。経営権を奪われてしまうリスクもあるため、持株比率に注意し慎重に検討する必要があります。

・融資よりもコストがかかる
エクイティファイナンスでは、株式発行の際に証券会社へ支払う引受手数料などのコストが発生します。場合によっては融資よりもコストがかかることがあります。

以下のような特徴を持つ企業はエクイティファイナンスに向いています。

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アセットファイナンスは企業の資産を元に、デットファイナンスは借入で、エクイティファイナンスは株式発行によって資金を調達します。3つの方法はそれぞれにメリット・デメリットがあり、向いている企業も異なります。リスクをできるだけ減らすためにも資金調達は自己資金で行うことが理想です。資金繰りの悪化などで難しい場合は、審査や担保が不要で即日利用可能の「支払い.com」のサービスを活用されてみてはいかがでしょうか。