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経費精算でクレジットカードの明細は使える?使うときの注意点も解説!
そこで今回は、経費精算にクレジットカードの利用明細書を使う方法や注意点、経費精算に役立つクレジットカードなどについて、詳しくご紹介します。
クレジットカードでの経費精算、領収書は必要?
まず、クレジットカードの経費精算に対する領収書の必要性と、どのような書類が領収書として認められるのかについて、詳しく見ていきましょう。
経費精算では領収書が必要
クレジットカード使用の有無にかかわらず、業務で購入した商品やサービスの経費精算には領収書が必要です。「経費精算の申請には、証明する書類を必ず提出しなければならない」と覚えておきましょう。
クレジットカード決済では利用明細書が発行される
クレジットカードを使って商品やサービスを購入すると、レシートの他に「利用明細書」がクレジットカード会社より発行されます。
なお、クレジットカード決済の場合、オンラインショップや店舗に領収書の発行義務はありませんが、依頼をすれば領収書を発行してくれる場合もあります。
利用明細書は経費精算時に領収書の代わりになる
クレジットカードを利用した際の利用明細書は、領収書の代わりにすることも可能です。
ただし、領収書の代わりとして税務署に認められるためには、利用明細書に以下の内容が記載されている必要があります。
・決済を行った日付(年月日)
・名前(書類の交付を受ける者の氏名又は名称)
・金額(消費税率毎に区分して合計した金額)
・但し書き(決済対象となった資産または、サービスの内容、軽減税率対象の旨の記載、
飲食代であれば同伴相手と目的、5,000円/人判定の為の人数など)
・発行元の情報(書類作成者の氏名又は名称)
レシートも経費精算で利用できる
クレジットカードを利用したときに発行される「レシート」も、領収書の代わりとして利用できます。しかし、レシートにもクレジットカードの利用明細書と同様の必要項目が記載されていなければ、領収書として使うことはできません。
クレジットカードの明細を経費精算で利用するときの注意点
クレジットカードの利用明細書を経費精算に利用する場合には、以下の点に注意する必要があります。
・クレジットカードの「領収書」は、税法上領収書にならない
・金額が5万円以上の場合は、記載内容によって収入印紙が必要
・利用明細書は7年間保存する
・プライベートで使用した決済と区別する
それぞれを詳しく見ていきましょう。
クレジットカードの「領収書」は、税法上領収書にならない
一部のオンラインショップや店舗では、クレジットカードでの支払いに領収書を発行する場合もあります。しかし、このような領収書は基本的に「店舗のサービス」として発行されているので、税法上は領収書として認められません。
なぜなら、店舗のサービスとして発行される領収書には「クレジットカードでお支払い」などの記載がされており、代金の支払いが完了していないことを示しているからです。
ただし、「店舗のサービス」で発行された領収書も、クレジットカードの利用明細書やレシートと同様に、以下の項目が記載されていれば領収書として認められます。
・決済を行った日付(年月日)
・名前(書類の交付を受ける者の氏名又は名称)
・金額(消費税率毎に区分して合計した金額)
・但し書き(決済対象となった資産または、サービスの内容、軽減税率対象の旨の記載、
飲食代であれば同伴相手と目的、5,000円/人判定の為の人数など)
・発行元の情報(書類作成者の氏名又は名称
なお、利用明細書やレシートを別々に保管すると、会計処理で重複入力が起きやすいので注意しましょう。重複に気付かず確定申告した場合、税務署に不正と判断されて加算税や延滞税などの罰則が科せられる可能性があります。
金額が5万円以上の場合は収入印紙が必要
領収書は印紙税の課税対象となるため、領収金額が5万円以上の場合は収入印紙の貼り付けが必要です。しかしクレジットカード払いに発行される領収書は、代金の支払いが完了していない段階で発行されるので、印紙税の対象にはなりません。
ただし、「クレジットカードでお支払い」などの記載がない場合は、金銭の受け渡しがあった領収書と同じ扱いになります。この場合は、収入印紙を貼る必要があるので注意しましょう。
以下は領収書の受取金額に対する、金額別の印紙代です。受取金額に応じて印紙代も上がるので参考にしてください。
・5万円未満:非課税
・5万円以上~100万円以下:200円
・100万円超~200万円以下:400円
・200万円超~300万円以下:600円
・300万円超~500万円以下:1,000円
・500万円超~1,000万円以下:2,000円
利用明細書は7年間保存しておこう
クレジットカード払いで購入したものを経費として確定申告している場合は、利用明細書を7年間保存する必要があります。税務調査が入った場合は、最大7年分の資料が調査対象となるので、処分しないように注意しましょう。
クレジットカードを法人ではなく個人で利用し、確定申告もしていない場合は、利用明細書の保管義務はありません。
プライベートで使用した決済との区別に注意
プライベートで使っているクレジットカードで経費を精算する場合は、プライベートの支払いと、経費の支払いを区別できるようにしてください。
利用明細書にはプライベートと経費の区別は表示されないので、明細を見ただけでは判断できません。そのため、経費の申請ミスを起こさないように、メモを取ったり、利用明細書を用途別に保管したりするなどの対策が必要です。
経費精算の「めんどくさい」を解決する法人カードとは?
経費の精算には「法人カード」の利用がおすすめです。法人カードを使えば、手間のかかる経理処理を大幅に効率化できます。
ここでは法人カードの概要や種類について、解説していきます。
法人カードとは?
法人カードは、経費支払い専用のクレジットカードです。発行対象は法人や個人事業主となるため、個人用のクレジットカードとは用途が異なります。法人カードを使って支払った金額は、基本的には個人用の口座ではなく、法人用の口座から引き落とされます。
また、支払い方法は基本的に一括払いですが、分割払いやリボ払いに対応しているカードや、締日や引き落とし日を選択できる法人カードもあります。
法人カードの種類
法人カードの種類は、主に以下の2つです。
・ビジネスカード
中小企業や個人事業主向けの法人カードです。カード使用者数が20人以下の企業に発行される法人カードが「ビジネスカード」と一般的に呼ばれる傾向があります。
法人カードは個人用のクレジットカードと異なる審査基準があるため、「赤字企業」や「設立して間もない個人事業主」が審査に通過することは難しいというデメリットも。
しかしビジネスカードは設立年数にかかわらず、申し込みができるタイプも少なくありません。赤字決算でも審査対象にしているビジネスカードもあります。
・コーポレートカード
カード使用者数が20名以上など、カード利用者が多い企業向けの法人カードです。利用限度額はビジネスカードに比べると高く、カードの利用者ごとに限度額を設定できるタイプもあります。
なお、「ビジネスカード」と「コーポレートカード」の区別はカード会社によって異なります。従業員数に応じて呼び方を変えているカード会社もありますが、すべてを含めて「法人カード」と称しているところもあります。そのため、「ビジネスカード」と「コーポレートカード」の基本的な用途は同じと考えてよいでしょう。
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ここまで、法人カードの概要や種類について解説してきました。
続いて、経費精算で法人カードを利用するメリットについて紹介してきます。
経費精算で法人カードを利用するメリット
経費精算に法人カードを利用するメリットは、以下のとおりです。
・個人で経費を立て替える必要がない
・精算処理が効率化する
・不正や計上漏れを防げる
・法人カードには特典がある
1つずつ解説していきます。
個人で経費を立て替える必要がない
法人カードで支払った経費は法人用の口座から引き落としされるため、個人のクレジットカード利用と区別できます。中小企業や個人事業主は、経費の支払いに個人用のクレジットカードを使用しているケースも少なくないはずです。しかし、法人カードを使えば、経費とプライベートの出費を明確にわけられます。
精算処理が効率化する
法人カードと経費精算システムを連携すれば、経費の処理を効率化できます。なぜなら、申請書やExcel(エクセル)などに記入する手間が省けるからです。それにより、時間とコストの大幅な削減も実現します。
不正や計上漏れを防げる
法人カードはクレジットカードごとに明細が発行されるので、カード番号と従業員を紐づけられます。そのため、「誰が」「いつ」「どこで」「いくら使ったか」を正確に把握できることに。従業員が法人カードを私的に使うことの防止にもつながります。
また、計上漏れを防げることも法人カードのメリットです。クレジットカードごとの利用明細が把握できるので、経費の申請忘れも発生しません。
法人カードには特典がある
ビジネスに役立つさまざまなサービスや特典が付帯していることも、法人カードの特徴です。
主なサービスや特典を紹介していきます。
追加カードを発行できる
追加カードを発行できることは、法人カード最大の特徴ともいえます。追加カードを発行して従業員に持たせると、出張先で支払った経費の一括管理も可能になります。
追加カードはガソリン代の支払いにも使えるため、営業車を複数所有している企業も経費精算の効率化が実現するでしょう。法人カードによっては、ETCカードを複数枚発行できるクレジットカード会社もあります。
ただし、追加カードの発行上限枚数は法人カードによって異なります。そのため、従業員数が多い場合は、追加カードやETCカードの発行上限枚数を事前に確認してください。
利用金額に応じてポイントが貯まる
法人カードを利用すると、金額に応じたポイントが貯まります。還元率は法人カードによってそれぞれ異なりますが、貯めたポイントは航空マイルやギフト券、オリジナル商品などに交換可能です。また、法人カードによっては、貯めたポイントをキャッシュバックできます。
付帯保険が充実している
法人カードには、国内外の旅行傷害保険やショッピング保険などが付帯しています。法人カードを使って購入した物品の破損や盗難、出張中の事故やケガも補償の対象です。
法人カードを所有している全従業員が保険の対象となるため、出張が多い企業が法人カードを導入するメリットは大きいでしょう。
種類豊富なサービスを利用できる
法人カードには、さまざまな優待サービスも付帯しています。主な優待サービスは以下のとおりです。
・ビジネスサポートサービス
会計ソフト導入費用の割引や、幅広いジャンルの専門家に無料で相談できる「経営コンサルティングサービス」などのビジネスサポートが付帯しているカードもあります。
このほかにも専用の会議室を利用できるサービスや、秘書代わりに使える「コンシェルジュサービス」が利用可能な法人カードもあります。
このような業務を効率化させるサポートを受けられることも、法人カードのメリットといえます。
・優待サービス
「優待サービス」とは、カード会社が提携しているホテルやレストランを優待料金で利用できるサービスのことです。このような特典が付帯している法人カードを利用すれば、出張や接待などの経費削減にも役立つでしょう。
なお、利用する国際ブランドによって優待特典が異なる法人カードもあるため、申し込みの前に確認が必要です。
・空港ラウンジの無料利用
「空港ラウンジの無料利用」は、ゴールドランク以上の法人カードに多い特典です。空港ラウンジを利用する際、通常、料金を支払わなければなりません。空港ラウンジの無料特典が付帯している法人カードなら、カードを提示するだけで利用料金が無料になります。
クレジットカードの明細を経費精算で使う場合は注意点を守ろう
この記事では、経費精算でクレジットカードの利用明細書を使うときの注意点について、解説しました。
クレジットカード決済で発行された利用明細書は、領収書の代わりになります。ただし、以下の内容が記載されている必要があるので注意しましょう。
・決済を行った日付(年月日)
・名前(書類の交付を受ける者の氏名又は名称)
・金額(消費税率毎に区分して合計した金額)
・但し書き(決済対象となった資産または、サービスの内容、軽減税率対象の旨の記載、
飲食代であれば同伴相手と目的、5,000円/人判定の為の人数など)
・発行元の情報(書類作成者の氏名又は名称)
上記の項目が記載されていれば、レシートを領収書として使えます。
さらに、経費精算を効率化するためには、経費払い専用のクレジットカードである「法人カード」を使うと便利です。法人カードの利用代金は法人口座から引き落とされるため、個人利用との区別も容易になります。そのため、精算処理の大幅な効率化が実現するはずです。
また、利用金額に応じてポイントが貯まることも法人カードの特徴です。貯めたポイントを航空マイルや商品に交換できる法人カードもあるので、経費削減にも役立つでしょう。