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名古屋市の固定資産税の計算方法をご紹介!軽減制度やお得な納付方法も解説
名古屋市で土地や家屋(マンションなど)、償却資産を購入し、はじめての固定資産税納付を控えている方は、「税額の計算方法や納付期限、納付方法はどうなっているのだろうか」と気になっているかもしれません。
そこで本記事では、名古屋市で固定資産税を納付する方に向けて、税額の計算方法や、納付前に知っておきたい特例・軽減制度、納付方法について解説します。
Contents
記事のもくじ
固定資産税とは?
固定資産税とは、固定資産の価値に応じて毎年納める税金です。毎年1月1日時点で固定資産(土地・家屋・償却資産)を所有する方が納めることになります。
課税対象となる資産の例を下表にまとめました。
土地 | 田、畑、宅地、池沼、山林、原野、雑種地 |
---|---|
家屋 | 住宅、店舗、工場、倉庫、事務所 |
償却資産(※) | 事業を営むために所有している構築物、機械、器具、備品 |
なお、下表の登記簿や台帳に「所有者」として登録・登記されている方が、納税義務者となります。
土地 | 登記簿または土地補充課税台帳 |
---|---|
家屋 | 登記簿または家屋補充課税台帳 |
償却資産 | 償却資産課税台帳 |
家屋の場合、実際に住んでいる方と「所有者」が異なるケースがあるかもしれませんが、その場合「所有者」に対して納税義務が課せられます。
(※)1月31日(土曜日・日曜日・祝休日の場合は翌開庁日)までに、資産が所在する区を担当する市税事務所の固定資産税課償却資産係に申告が必要
固定資産税と併せて納付する「都市計画税」について
都市計画税とは、毎年1月1日時点で「市街化区域」内に所在する「土地」または「家屋」を所有する方が納める税金です。固定資産税と併せて納付しましょう。
なお、市街化区域に該当するか否かは、自治体が案内するWebサイトで確認できます。名古屋市の場合は、「名古屋市都市計画情報提供サービス」でチェックしましょう。
名古屋市の固定資産税額の計算方法
名古屋市の場合、「固定資産税課税標準額×税率(1.4%)」で固定資産税額が計算されます。都市計画税の計算式は、「都市計画税課税標準額×税率(0.3%)」です。
課税標準額とは税額を計算するための基礎となる金額のことで、1月1日時点の固定資産の価格(評価額)から求められます。
なお、計算する際には端数処理が行われます。具体的には、まず同一区内で所有している土地・家屋の課税標準額をすべて合計した額の1,000円未満を切り捨てて、これに税率を乗じて算出した金額の100円未満を切り捨てることになります。
固定資産税額・都市計画税額の計算例
固定資産税、都市計画税の計算例を紹介します。計算は下記の2ステップで行います。
①土地課税標準額と家屋課税標準額を足して1,000円未満を切り捨てる
②税率を乗じて100円未満を切り捨てる
なお、税率は先述のとおり固定資産税と都市計画税で異なり、それぞれ下記の数値を乗じる必要があります。
● 固定資産税:1.4%
● 都市計画税:0.3%
まずは固定資産税額を計算してみましょう。
「土地課税標準額が2,304,527円、家屋課税標準額が4,785,134円」の場合を例にして計算します。
①2,304,527円+4,785,134円=7,089,000円(1,000円未満は切り捨て)
②7,089,000円×0.014=99,200円(100円未満は切り捨て)
上記の場合、固定資産税は99,200円となります。
次に都市計画税を計算していきます。
「土地課税標準額が5,181,042円、家屋課税標準額が4,785,134円」の場合を例として計算してみましょう。
①5,181,042円+4,785,134円=9,966,000円(1,000円未満は切り捨て)
②9,966,000円×0.003=29,800円(100円未満は切り捨て)。
都市計画税は29,800円となるため、この場合では固定資産税と合わせて計129,000円を納付します。
課税標準額の確認方法
課税標準額は、下記2種類の方法で確認できます。
1. 市より送付される納税通知書を確認する
2. 「縦覧帳簿」を確認する
3. 窓口で評価証明書を請求する
「縦覧帳簿」は土地・家屋の価格が記載された書類であり、市税事務所や区役所などで確認できます。
なお、縦覧帳簿の縦覧可能期間は、毎年、「4月1日から4月30日まで(※)」とされています。
縦覧帳簿では、自身の課税されている土地・家屋が所在する区で課税されている土地・家屋の価格を閲覧可能で、自分の土地・家屋の価格との比較に利用します。
自身の所有する土地・家屋や、賃貸している物件の課税標準額については、市税事務所・出張所などの窓口で請求できる評価証明書でいつでも確認できます。
土地・家屋の評価額は3年ごとに見直されるものであり、直近では令和3年度に見直しが実施されています。この評価額に各種軽減制度が適用された金額が課税標準額として記載されていることを覚えておきましょう。
償却資産については、原則として、申告した資産の取得価額、取得年月および耐用年数をもとに、個々の資産ごとに算出された価格の合計額が課税標準額になります。
(※)4月30日が土曜日・日曜日・祝休日の場合は、翌開庁日が最終日
名古屋市で利用できる固定資産税の特例・減額制度
名古屋市で一戸建てやマンションを購入した方は、以下の条件にあてはまる住居の場合、特例・減額制度が適用されます。
● 住宅用地
● 新築住宅・新築認定長期優良認定住宅
● 新築のサービス付き高齢者向け住宅である貸家住宅
● 耐震・バリアフリー・省エネルギー改修を実施した住宅
それぞれについて、内容を詳しく紹介していきます。
住宅用地の課税標準の特例
住宅用地については、特例による税負担の軽減措置が講じられており、以下の「住宅用地特例率」を価格にかけて、課税標準額を算定します。
税金の区分 | 小規模住宅用地の場合 | 一般用住宅用地の場合 |
---|---|---|
固定資産税 | 6分の1 | 3分の1 |
都市計画税 | 3分の1 | 3分の2 |
なお、小規模住宅用地とは住宅用地のうち住宅1戸につき200㎡までの部分を指し、一般住宅用地とは住宅用地のうち小規模住宅用地以外の部分を指します。
新築住宅および新築された認定長期優良住宅の減額制度
定められた要件に当てはまる「新築住宅」や「新築された認定長期優良住宅」は、一定期間、固定資産税が減額されます。
減額を受けるための要件 | 減額される税額 |
---|---|
居住部分の床面積の割合が1棟全体の2分の1以上 | その住戸に相当する固定資産税額の2分の1 |
居住部分の床面積が1戸あたり50㎡以上280㎡以下 | 居住面積120㎡に相当する固定資産税額の2分の1 |
減額される期間は、以下のようになります。
● 新築住宅の場合:3階建以上の耐火・準耐火住宅については5年間、それ以外については3年間
● 新築された認定長期優良住宅の場合:3階建以上の耐火・準耐火住宅については7年間、それ以外については5年間
なお、「認定長期優良住宅」とは、「長期優良住宅の普及の促進に関する法律」によって定められている「長期にわたり良好な状態で使用するための措置がその構造及び設備について講じられた優良な住宅」のことです。
名古屋市で「長期優良住宅」と認定されるためには、以下の基準を満たさなければなりません。
● 長期使用構造等であること
● 1戸あたりの住戸面積が、戸建て住宅は75㎡以上、共同住宅は55㎡以上であること
● 良好な景観の形成その他の地域における居住環境の維持及び向上に配慮されたものであること
● 建築時から将来を見据え、少なくとも10年に一度定期点検・補修が実施できるように計画すること
詳細については、名古屋市役所の担当部署にお問い合わせください。
新築のサービス付き高齢者向け住宅である貸家住宅の減額制度
新築された「サービス付き高齢者向け住宅」である貸家住宅は、一定の要件を満たすと、「わがまち特例」(名古屋市市税条例附則第14条の6第19項)によって、新築後5年間、固定資産税が減額されます。
減額される税額は、住戸1戸当たりの居住面積が120㎡以下の場合については3分の2、120㎡を超えている場合については居住面積120㎡に相当する固定資産税額の3分の2です。
耐震・バリアフリー・省エネルギー改修を実施した住宅の減額制度
「耐震改修」「バリアフリー改修」「省エネルギー改修」を実施した住宅についても、減額制度があります。
名古屋市の公式サイトに詳細が掲載されているので、ご自身の所有する住宅が条件を満たすかどうかをチェックしてみましょう。条件が複雑なので、不明な点がある場合は名古屋市役所の担当部署へお問い合わせください。
名古屋市の固定資産税の納期限
固定資産税は、「4月」「7月」「12月」「翌年2月」の4期に分けて納付を行います。それぞれの納期ごとに市税事務所から納付書が送付されてくるので、忘れずに納付しましょう。
なお、令和3年度は下記日程で納期限が設けられています。
● 第1期:2021年4月30日
● 第2期:2021年8月2日
● 第3期:2022年1月4日
● 第4期:2022年2月28日
現在のところ、納期限を過ぎると「納期限の翌日から1ヵ月を経過する日までは2.5%」「納期限の翌日から1ヵ月を経過した日以後は年8.8%」の延滞金が発生する点には注意が必要です。
名古屋市の固定資産税の納付方法
名古屋市では、固定資産税の納付方法を以下の6種類から選択できます。
● 窓口での支払い
● 口座振替
● コンビニエンスストアでの納付
● モバイルレジ
● 電子マネー納税
● クレジットカード納税
なお、30万円を超える納付書の場合は、窓口または口座振替の方法しか利用できません。
固定資産税の納付におすすめのクレジットカード
名古屋市では、クレジットカードで固定資産税の納付を行えます(※1)。カードで納税すると納税額に応じてカードのポイントが貯まるので、現金で納税するよりもお得です。
税金を支払う際におすすめのカードは、「セゾンコバルト・ビジネス・アメリカン・エキスプレス(R)・カード」および「セゾンプラチナ・ビジネス・アメリカン・エキスプレス(R)・カード」の2枚です。
2枚共に個人でも所持できるビジネスカードで、キャンペーンを利用すれば固定資産税の支払い時にポイント還元率が高くなりお得に納付ができます。
以下、それぞれについて詳しくご紹介します。
(※1)クレジットカード納税にはシステム利用料がかかります。利用料の金額は税額で異なります(例:5,001円以上10,000円以内の場合18円(税込))。
(※)一部還元率の異なるサービスおよび加盟店がございます。
セゾンコバルト・ビジネス・アメリカン・エキスプレス(R)・カード
年会費は無料のビジネスカードで、追加カードを最大9枚まで無料で発行可能です。
また、Yahoo!ビジネスセンターやクラウドワークス、アマゾン ウェブ サービス(AWS)など、ビジネスシーンで利用の多いサイトの料金をカードで支払うと、永久不滅ポイントが通常の4倍(税込1,000円につき4ポイント)貯まることも魅力です。
そのほか、会計ソフトのプロ、(株)ミロク情報サービスが提供する、会計・給与のクラウドサービス「かんたんクラウド」を2ヵ月無料で利用できる優待も付いています。会計や給与計算にお困りの際には、ぜひご活用ください。
セゾンプラチナ・ビジネス・アメリカン・エキスプレス(R)・カード
年会費が22,000円(税込)のビジネスカードです。
プラチナカードならではの充実した優待特典が特長で、ビジネスに活用できる下記のような特典も利用可能です。
● ビジネスアドバンテージ:レンタカー、宅配サービスなどの料金が割引される優待プログラム
● 「リーガルプロテクト*」優待:ベリーベスト法律事務所が提供する法人向け顧問弁護士サービスを優待価格で利用可能
● 旅行傷害保険:海外旅行中の事故について最高1億円まで、国内旅行中の事故について最高5,000万円まで補償
個人事業主や経営者の方は、お得に納税を行いつつ、ビジネスに役立つ優待特典も活用できるカードです。
*顧問契約に関するご相談ではない場合、弁護士との面談時に、相談料金が発生する可能性がございます。
相談料金につきましては、ベリーベスト法律事務所のスタッフにお問合せください。
名古屋市の固定資産税まとめ
名古屋市の固定資産税額は、「固定資産税課税標準額×税率(1.4%)」で計算されます。課税標準額は納税通知書に記載されているほか、税事務所や区役所などにある「縦覧帳簿」でも確認可能です。なお、さまざまな軽減制度が存在するので、納付前に公式サイトを確認しましょう。
固定資産税の納期は年4回で、納期ごとに納付書が送付されてきます。ちなみに、固定資産税の納付方法のなかで、特におすすめなのが「クレジットカード納税」です。
セゾンコバルト・ビジネス・アメリカン・エキスプレス(R)・カードやセゾンプラチナ・ビジネス・アメリカン・エキスプレス(R)・カードなら、納税時にも永久不滅ポイントが貯まります。
ビジネスに役立つ優待特典も多数付帯しているので、固定資産税の納付前に申込みをご検討ください。
監修者
安田 亮
京都大学3回生在学中に公認会計士試験に合格。大手監査法人で約4年間、東証一部上場企業で6年間勤務し、その後2018年9月に神戸市中央区で独立開業。税理士業務だけでなく、連結決算などの会計コンサルティング業務も行なう。また、1級FP技能士とCFP(R)の資格も保有しており、個人のお金・家計・税金分野についても強みを持つ。お客様により具体的なアドバイスを行なうために、自らも家計管理・株式投資・節税など日々実践している。
【保有資格】
CFP、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、公認会計士、税理士