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企画書はどう書く?書き方やコツ、便利なフレームワークを紹介

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企画書はどう書く?書き方やコツ、便利なフレームワークを紹介
会社で企画書の作成を頼まれた際に、どのように書けばよいのかわからないという方も少なくないでしょう。企画書の書き方はある程度形式が決まっているので、基本的な書き方を把握しておくと、明快で興味を惹きつける資料を作成することができます。
ただし、魅力ある企画書を作成するためには、企画書の書き方だけでなく、役割を理解しておくことが必要です。本記事では、企画書に記載すべき要素や作成に使えるフレームワーク、作成例などをご紹介します。

企画書とは?

企画書とは?

企画書とは、自分が考えたことを実現するために具体的な内容を記載した書類です。例えば、イベントや新規プロジェクトのアイディア、事業計画などが挙げられます。読み手に企画内容を明確に伝えるために、文字だけでなく図表や画像、エビデンスとなるデータなどを交えながらまとめるのが一般的です。

企画書の役割

企画書の役割は、自分の考えや意見を実現するための計画を相手に伝え、読み手の理解・納得を促すことです。自分の考えを主張することだけが企画書の役割ではありません。
また、企画内容だけでなく、現状の課題とそれを解決する具体的なアクション、見込まれるコストや収益といった費用対効果などもまとめ、実現性を読み手に示すことも必要です。

企画書と提案書はどう違う?

企画書と提案書の違いは、内容の具体性に大きな違いがあります。提案書は課題解決のために、問題点を挙げたりアイディアをまとめたりした書類のことです。方向性や大まかな骨組み、道筋、動機付けを示すものであり、内容に具体性がありません。
一方の企画書は、アイディアを実務レベルまで計画しているのが特徴です。企画書の内容はスケジュールや資金調達、必要となる人員や資材などまで詳細に落とし込まれており、すぐにでも実行に移せるレベルであることが求められます。

企画書に記載すべき6つの要素は?

企画書に記載すべき6つの要素は?

企画書には説得力、具体性、実現性などが必要です。これらを漏れなく組み込んで読み手に伝わりやすい企画書にするには、6つの要素を押さえましょう。この要素は、業界・業種を問わない基本的な構成と言えます。

1.現状分析
現状分析は、提示する企画の必要性・重要性を読み手に伝えるために欠かせない項目です。現在の状況と問題点を洗い出し、これを解決していく手法を示します。売り上げの低下や社内のリソースなどの内部環境と、競合他社の新商品発売や業界の動向などの外部環境の両方から分析すると、説得力が増すでしょう。

2.企画の目的と全体像
企画において最も重視すべきポイントは、目的と全体像を読み手に齟齬なく伝え、理解と同意を得ることです。そのため企画書においても、目的に達するまでの大まかな流れ、企画を実現する目的、改善までの道筋を説明します。

具体的には、現状分析によって出た課題の中で、どの課題の解決を目指すのか、解決のために何をするのか、企画を実行することでどのような変化があるのかなどを説明しましょう。企画の軸がはっきりすると読み手からもアイディアを収集しやすくなり、企画内容の精査につながります。

3.企画の内容
大まかな流れを示したあとは、より具体的な企画の内容に移ります。企画の内容の項目では「誰に」「何を」「どうやって」提供するのか、という部分を意識して書いていきましょう。例えば「企画のターゲット層は誰なのか」、「どんな商品やサービスか」、「どのように提供するのか」などです。数字を使うとイメージが沸きやすくなり、相手の理解を深められます。

4.施策全体のスケジュール
企画に実現性を持たせるため、明確な期限を設定することが重要です。例えばプロジェクトの立ち上げから完了までどれくらいの期間が必要か、どのタイミングでどのようなアクションを行うのか、効果はどれくらいで得られるのか、などです。予想外のトラブルなども起こり得るので、余裕を持ったスケジュールにしておくと安心です。

5.施策に必要な費用・収支計画
企画を実現するために必要な費用と、企画実行後の収入・支出の動きを予測して示します。企画書の信憑性を高めるために、必要経費や売上を現実的な金額に設定しましょう。立ち上げ時に大きな費用が必要になる場合は、最終的に利益に繋がることを論理的に示すのがポイントです。

6.施策の目標やゴール
それぞれの施策、つまりアクションの目標やゴールも定めておかなければなりません。これらの目標をクリアしていけば、最終的なゴールに近づくからです。このような中間目標は「重要業績評価指標(KPI)」と呼ばれ、成約率や売上金額など定量化できる項目を指標とするのが一般的です。

企画書の作成に使える!フレームワークと心理効果

企画書の作成に使える!フレームワークと心理効果

企画書に記載すべき要素を把握しても、自社の分析や課題などを論理的にまとめるのは難しいものです。そこで活用できるのがフレームワークです。フレームワークとは、意思決定や分析、問題解決などの枠組みを指し、枠に当てはめて考えることで企画書の記載漏れや思考の偏りを防ぎ、説得力を高められるものです。ここでは、企画書の作成に使えるフレームワークや知識についてご紹介します。

フレームワークの活用方法

・3C/4C分析(用途:①現状分析)
「3C/4C分析」は、企画書作成時の現状分析で使えるフレームワークです。3C分析では、以下の要素を分析します。

Customer(顧客)
Competitor(競合)
Company(自社)

上記の要素を見て分かる通り、要素の英語の頭文字が全て「C」となっていることがフレームワーク名の由来です。

現状分析では「内部要因:自社」と「外部要因:顧客・競合」を照らし合わせ、打ち出すべき課題を洗い出します。3C分析を用いた場合、まずは顧客の需要の現状と今後を分析し、それから競合他社や自社について書いていきます。この時自社寄りにならず、あくまで論理的に示すことが大切です。

なお4C分析の場合は、様々なパターンが存在します。

パターン1:以下の要素のいずれかを加える
Channel(流通チャネル)販売ルートや流通経路
Co-Operator・Collaborators(協力者) 他社から得られる協力
Context(背景) 自社を取り巻く社会的な背景

パターン2:顧客目線の4要素を分析する
Customer Value(顧客にとっての価値) 顧客が製品・サービスに求める価値
Cost(顧客が費やすコスト) 製品・サービスの価格
Convenience(顧客にとっての利便性) 製品・サービスを入手するまでの利便性
Communication(顧客とのコミュニケーション) 顧客とのコミュニケーション方法

・SWOT分析(用途:①現状分析・②企画の目的と全体像)
「SWOT分析」は、企画書作成時の現状分析や企画の目的や全体像の項目で使えるフレームワークです。内部要因と外部要因のメリット・デメリットの視点から分析を行います。「3C/4C分析」をさらに細かくしたイメージです。以下の英単語の頭文字をとり「SWOT分析」と呼ばれます。

Strengths(強み)
Weaknesses(弱み)
Opportunities(機会)
Threats(脅威)

競合他社と比べての自社の「強み」と「弱み」、そして企画書の目的と照らし合わせることで見えてくる有利な環境である「機会」、逆に目的の障害となる環境の「脅威」について分析します。

・6W2H
企画書全体を通して活用すべきフレームワークは「6W2H」です。内容を明確にするための6つの要素を表したもので、企画書のみならず、上司への報告やビジネス文書などにも活用されます。要素は以下のとおりです。

Who(誰が)
What(何を)
Whom(誰に)
When(いつ)
Where(どこで)
Why(なぜ)
How(どのように)
How much(いくらで・どれくらい)

「W」から始まる4要素と「H」から始まる2要素が含まれていることがフレームワーク名の由来です。これらの要素が明確に記載された企画書は、具体的なイメージがしやすく、相手の理解が深まります。

・MECE
「MECE」とは、内容が重複せず漏れがない状態を確認するためのフレームワークです。以下の要素から頭文字を取っています。

Mutually(互いに)
Exclusive(重複せず)
Collectively(全体に)
Exhaustive(漏れなく)

例えば企画のターゲットを指定する際に、「10代」と「未成年」は対象となる人物が重複します。このように、企画書の視点で抜け漏れや偏りがあると、企画自体の説得力や信頼性が低減してしまうでしょう。

・STP分析
「STP分析」とは、市場を分けて細分化し、対象とするターゲット層にどのような価値を提供するかを決めていくフレームワークです。以下の要素から頭文字を取っています。

Segmentation(セグメンテーション) 市場の細分化
Targeting(ターゲティング) 自社が狙う市場
Positioning(ポジショニング) 自社の立ち位置

セグメンテーションでは市場のニーズを顧客・地域・性格・価値観・購買頻度・購買期間などで細かく分類していき、ターゲティングでは企画のターゲットユーザーを明確にします。ポジショニングではその市場を狙う競合の有無・自社の強みや弱みなどを分析し、他社との差別要素や優位点を明確にしていきます。

企画書に使える心理効果

相手が企画の実行を承諾したくなる心理へ誘導するような記載を取り入れるのも有効です。ここでは相手の興味や意欲、モチベーションなどの向上に役立つ心理効果をご紹介します。

・現在志向バイアス
「現在志向バイアス」とはすぐに手に入りそうな利益を優先させたいという心理傾向のことです。例えば、1年後に10万円が手に入る場合と、今日1万円をもらえる場合では、今日1万円を選ぶ人が多い傾向にあります。これは現在志向バイアスが働いている例です。

現在志向バイアスを利用するなら、企画書のスケジュールでは、立ち上げから企画後までの最短期間を明記する、途中で得られる利益を記載するといった方法があります。

・おとり効果
行動経済学での「おとり効果」とは、ターゲットに選んで欲しい商品を目立たせるために、魅力を感じない商品を横に並べることで、誘導を図るテクニックのことです。企画書で活用するなら、料金ページやサービス内容に取り入れて、最も実現したいサービスに注目が集まるような配置に工夫しましょう。

・フレーミング効果(リフレーミング効果)
同じ内容なのに伝え方によって全く違った印象を受けてしまう心理傾向のことです。例えば「失敗率30%」と伝えるよりも「成功率70%」と伝える方が、相手は「成功しそうだ」と感じます。企画やアクションの短所やデメリットを長所やメリットへ変換すれば、前向きに検討してもらいやすくなるのです。

・アンカリング効果
読み手に数値などの情報をあらかじめ伝えることにより、潜在意識に判断基準を作る手法です。例えば企画の通常価格を前もって伝えておいて、「3か月のみ10%オフ」と表示すると相手にお得感を与え、意欲や興味を高められます。

企画書の書き方とツール別の事例

企画書の構成ができたら作成を進めましょう。企画書の作成によく用いられるツールは
PowerPointとWordが主流です。それぞれのツール別に企画書の書き方や事例についてご紹介します。

PowerPointを使った企画書の例

PowerPointの企画書は視覚的な印象が残りやすいため、印刷するのではなくスクリーンなどに投影して企画を発表する際に適しています。構成は以下のようにまとめるのが一般的です。

1.タイトル
2.現状分析と問題提起
3.概要(主旨やターゲット、目標やゴール)
4.具体案(アクションの詳細)
5.予算や期間

PowerPointにはテンプレートが豊富にあり、手をかけなくてもデザインを統一できます。またグラフやイラスト、表などを入れる枠を設けたスライドを選べば、データを分かりやすくまとめられます。

またそれぞれのスライドには「タイトルを入力」「ロゴを挿入」などのように文字や写真を挿入する場所が決められているため、パソコンにあまり慣れていない人でも企画書を作成しやすいのもメリットです。

Wordを使った企画書の例

PowerPointと同じく、Wordで企画書を作成する場合もテンプレートが用意されています。企画書の構成においてもPowerPointと同様です。Wordのテンプレートは書籍のように目次や表紙、ページ番号なども付けられるため、読み手に印刷して渡す場合に最適です。文章の間に表やグラフ、画像などを入れやすいので、上から順に読み進めやすい企画書を作れます。

ビジネスカードで企画の経費管理を一括化

企画書の作成時や実際に企画を導入した際はもちろん、日常業務にはさまざまな経費がかかります。経費管理業務を大幅に削減するために、ビジネスカードを活用することがおすすめです。「セゾンプラチナ・ビジネス・アメリカン・エキスプレス®️・カード」は会社員や個人事業主はもちろん、経営者にも魅力的なビジネスカードです。日々の業務を円滑に行うための「コスト削減」「経費管理業務の効率化」「経理の透明化」など、ビジネスに必要なサポートをしてくれるビジネスカードです。

経理管理と業務の効率化

社員用の追加カードで経費処理を一本化し、使用状況を正確に把握することができます。
また、個人事業主の方は法人口座を引き落とし口座に設定することで、ビジネス経費処理の面倒な仕分けが不要になり大幅に作業効率が上がるでしょう。

ポイントを活用して経費を削減

カードで貯まるポイントは「永久不滅ポイント」として有効期限なく貯まります。
備品の購入などの経費削減に役立てることができるのです。

その他、国内外の出張の際にも安心な旅行傷害保険がついていたり国内ホテルの特別な優待が受けられたりと、ビジネスマンに嬉しい特典が揃っていることも大きな特長です。

まとめ

企画書は提案書と違い、アイディアを実現するために実務レベルで決められている具体性の高い書類です。企画書と聞くと難しそうに感じてしまいますが、押さえておくべき内容はある程度決まっていることが分かったかと思います。必要事項を数字などで具体的に示し、記載すべき6つの要素やフレームワークを活用すれば、説得力のある質の高い企画書になるでしょう。また、発表方法に合わせてPowerPointやWordを使い分けるのも覚えておきたいポイントです。

企画が承認されたら、クレディセゾンの「セゾンプラチナ・ビジネス・アメリカン・エキスプレス®️・カード」を利用して、費用の支払いを一括管理してみるのはいかがでしょうか。ポイントなどを活用すればコスト削減にもつながるかもしれません。

SBSSBS