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人事労務・総務

コロナ禍が働き方改革を加速させる?テレワークでも生産性を落とさないために考えるべきこととは?

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コロナ禍が働き方改革を加速させる?テレワークでも生産性を落とさないために考えるべきこととは?
新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、ライフスタイルが変化する中、ワークスタイルも変わりつつあります。在宅勤務をする人が増えており、アフターコロナの世界ではニュースタンダードになることでしょう。

しかし、プライベートとの線引きが難しいことやコミュニケーション不足などが懸念される在宅勤務では、チームの生産性をどのように上げればよいのでしょうか。

今回は、コロナ禍による働き方の変化と、在宅勤務で生産性を上げるコツを解説します。

猛威を振るうコロナウイルスをきっかけに在宅勤務がスタンダードに

新型コロナウイルスの感染拡大により私たちの生き方や働き方は大きく変わりつつあります。外的要因として、移動の制限が増加したためです。飛行機での移動は、国際線は2020年では前年比マイナス99%を記録し、また国内線も、一時は前年比マイナス90%に減少するなど、もはやコロナ前では考えられない水準にまで低下しています。

通勤の混雑も戻りつつあるとはいえ、緊急事態宣言中は大きく減少しました。移動そのものがリスクになるのは、これまでに人類が経験したことのない事態であるといえるでしょう。

そんな中、働き方の新しい形として定着しつつあるのが「在宅勤務」です。東京都の調査によると、在宅勤務を実施している都内企業(従業員30人以上)の割合は2021年10月の時点で55.4%にも上ります。

また、カルビーや富士通が単身赴任を解除して、テレワーク中心の勤務スタイルに変更するなど、多くの企業が「新しい働き方」を模索しているといえます。

在宅勤務はいいことばかりではない?メリット、デメリットは?

在宅勤務はいいことばかりではない?メリット、デメリットは?

一方で、働き方を変えることに関しては、必ずしもメリットばかりというわけではなく、デメリットもあるでしょう。実際、在宅勤務に変わることにおいて何がメリット・デメリットになり得るのでしょうか。経営者やマネジメントの観点から見てみましょう。

在宅勤務のメリットは?

在宅勤務のメリットとしては、まず移動を減らすことで、従業員がコロナウイルスに感染するリスクを減らせることが挙げられます。

現在、コロナウイルスに感染した場合、少なくとも2週間の隔離が必要になります。移動そのものにリスクがある世界においては、「移動しない」在宅勤務は、それだけで従業員、経営者にとってメリットになるのです。

他に考えられるのは、オフィスコストの削減です。オフィスというのは、稼働していようがしていまいが、家賃という固定費が毎月発生します。これが在宅勤務に変わることで、オフィスの面積を減らすことができ、結果、固定費を安くすることができるのです。

上述の富士通も、2022年度末までにオフィスの半減を目指しています。もちろんゼロにすることはできませんが、経営者である以上、無駄なコストの削減というのは魅力的に映るのではないでしょうか。さらに、通勤がなくなれば通勤にかかる定期代を減らすこともできます

さらには、ワークライフバランスを踏まえた働き方ができるというのもメリットです。ザイマックスの調査によると、2019年度の首都圏の平均通勤時間は約50分で、また、通勤時間が長ければ長いほどストレスを感じているといいます。往復で約2時間の時間を有効に使えるようになれば、精神衛生の面でもメリットが非常に多いといえるでしょう。

さらに育児や介護などで出勤が難しい人も、在宅勤務であれば部分的な仕事ができるようになり、人材活用の面でも、在宅勤務にはメリットが多いのです。

在宅勤務のデメリットは?

在宅勤務において経営者を悩ませるのは、やはりセキュリティ面ではないでしょうか。

多くの場合、企業は個人情報や機密情報など、社外秘の情報を扱っています。そうした情報を社外で扱うことにはリスクが伴うものです。社内でイントラネットを構築しているケースが多いと思いますが、そのイントラネットに接続するためのVPN対応など、追加でコストがかかるケースもあります。

とはいえ、そういったリスク管理を疎かにすると、重大な事故にもつながりかねません。メリットとして、オフィスのコストや通勤費などのコスト削減を挙げましたが、セキュリティ面では、在宅勤務のほうがよりコストがかかるといえるでしょう。

他には、マネジメントの問題があります。リクルートマネジメントソリューションズ組織行動研究所の調査によれば、管理職の多くが部下とのコミュニケーションがとれないことや、部下の仕事の状態を管理できないこと、業務指示を出したりできないことを在宅勤務における懸念点として挙げています。

業務がある程度確立されており、社内で役割分担がはっきりしているような組織や、逆に少人数で絶えずコミュニケーションがとれるような環境であれば問題にならないかもしれませんが、多くの場合はそうはいかないでしょう。部下の仕事の管理という面では、在宅勤務はデメリットといえる部分もありそうです。

また、創造性や生産性という点でも、在宅勤務は会社での勤務に比べてマイナスだと考えられます。実際、自宅で仕事をすると、環境の面からも集中力の持続が難しく、生産性が下がるというケースもあります。また、普段のちょっとした雑談やコミュニケーションは、実は組織全体の生産性の向上に寄与しており、それがなくなることで、生産性が落ちるということもあり得るでしょう。

やはり、マネジメント同様コミュニケーション面では、在宅勤務に弊害があるといえそうです。

在宅勤務でも高い生産性を保つ3つのコツとは?

とはいえ、生産性のために、従業員をコロナウイルス感染のリスクに晒すわけにはいきません。では、在宅勤務で生産性を保つためには、どのような取り組みが有効なのか、具体的に解説します。

1.環境整備を行う

まず大事なのは、環境整備への投資を惜しまないことです。

たとえば、Wi-Fiやイントラネットなどのネットワークが遅いと、ダイレクトに生産性に影響が出てきますし、ネットワークにつながらないことが仕事上大きなストレスになるのは想像に難くありません。

他にも、環境面で言えば、たとえば椅子などを整備することが挙げられます。着座での仕事は、腰をはじめ身体の多くの部分に負荷がかかりやすく、知らず知らずのうちに身体にストレスがかかって疲れやすくなったり、集中力が落ちたりします。

また、たとえば照明一つで、集中しやすい・集中しにくいということもあります。生産性の低下を防ぐためにも、できるだけ快適な環境を作る、またそれをサポートするというのは、とても重要なことなのです。

2.タスクを明確にし、それに合わせて評価を行う

もう一つは、業務を明確にすることです。

本来、成果が問われているのであれば、在宅勤務だろうと会社だろうと、特に評価や管理については問題が起こらないと考えられます。しかし、そこで問題や不安があるというのは、タスクや目指すものが明確に共有されていないからです。

マネージャーや管理職が部下のタスクを明確にし、部下に行ってもらいたいものを明確にし、それができているかどうかで評価する仕組みを作ります。お互い会社にいれば「なんとなく」で伝わった期待や業務は、在宅勤務においては一切通用しないと考えてよいでしょう。

部下がきちんと働けるかどうかは、上司の仕事の与え方、評価の仕方によると言ってもよいでしょう。

3.無駄だと思われるコミュニケーションもきちんととる

もう一つは、「無駄だ」と思っても、積極的にコミュニケーションをとるということです。社内での情報・ノウハウの伝達は、雑談などを通じて行われていることも多々あります。実際、社内のチャットルームに、「雑談用」のチャットルームを設定しているような企業もあるくらいです。

在宅勤務では、こういった一見無駄に思えるコミュニケーションは行われづらいですが、積極的に行うことが管理職として重要なのです。

テレワークの生産性を高めて、働き方改革を加速させよう

コロナウイルスにより、我々の働き方は大きく変わりました。その最たるものが、在宅勤務の普及です。一方で、在宅勤務により、生産性が下がったと感じたり、漠然と不安を感じたりしている人も多いでしょう。

在宅勤務は、コミュニケーションなどの面ではマイナス面もあります、働き方の多様性の確保やオフィスコストの低減など、メリットも多いです。一方で、もはやコロナ前のような働き方は、今後ますます減っていくことが予想されます。そういった中で、これからの在宅勤務には、変化をある程度受け入れながら、新しい環境で最大限パフォーマンスを発揮できる方法を模索していくことが、求められていくのではないでしょうか。