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パーチェシングカードの仕組みを解説!メリット・デメリットも紹介!
そこで今回は、主に以下について詳しくご紹介します。
・パーチェシングカードとは?
・コーポレートカードやクレジットカードとの違い
・パーチェシングカードのメリットとデメリット
・パーチェシングカードを導入すべき企業
パーチェシングカードの導入を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
パーチェシングカードの仕組みとは?
まずは、パーチェシングカードの概要と取引フローについて解説していきます。
パーチェシングカードとは?
パーチェシングカードは、仕入れやシステム利用料などの「企業間取引」に便利な購買専用のカードです。主に購買の支払いに使われるため、「purchasing(購入する)」カードと呼ばれています。
通常は、各部門の経費を経理部がそれぞれの取引先に支払いますが、部門数や取引先の多い企業は、経費をまとめるだけでも時間と手間がかかります。パーチェシングカードを導入すれば、部門や取引先によってバラバラだった支払いを、カード会社が一本化してくれます。
パーチェシングカードの仕組み
パーチェシングカードの大きな特徴は、複数のサプライヤーに対する支払業務を集約・管理できる点です。
通常は以下のように、サプライヤーへの支払いを請求書単位で各社口座に支払います。
この方法は、各部署が請求書単位で支払う必要があるため、精算フローが煩雑になってしまいます。また、支払口座や支払日がサプライヤーによって異なるので、経費精算業務の効率が低下します。
では、パーチェシングカードを導入した場合はどうでしょうか。
上記のように、各サプライヤーからの請求をカード会社がまとめて処理してくれるので、支払業務の大幅な削減が実現します。
購入費用はカード会社にまとめて支払うだけになるので、支払日や口座が複数に分かれることもありません。
パーチェシングカード導入のメリット
パーチェシングカードの導入によるメリットは、主に4つあります。
・請求の一本化による業務の効率化
・担当変更による登録変更が不要
・高額経費にも対応している
・ガバナンス強化とセキュリティ強化にもつながる
それぞれ詳しく見ていきましょう。
請求を一本化できる仕組みなので業務効率化できる
パーチェシングカード導入によるもっとも大きなメリットは、「支払い先を一本化できる」という点です。支払う口座や支払日が部署単位で異なれば、業務の効率が低下するだけではなく、振り込みミスなどのトラブルを起こす恐れもあります。
パーチェシングカードを使えば、各サプライヤーからの請求をカード会社が一括して処理してくれるので、支払業務を大幅に省略することが可能です。支払い先がカード会社に一本化されれば、請求書ごとに発生する振込手数料を減らすこともできます。
パーチェシングカードは担当変更による登録変更が必要ない
パーチェシングカードは個人名義だけでなく、法人や部署名義でもカードを発行できます。そのため、担当者が変わっても登録変更手続きをする必要がありません。
定期的に担当者が変わるケースも少なくないので、法人や部署名義で発行できるパーチェシングカードがあれば、担当者が変わる際の手続きをなくすことができます。カード会社によっては、経費の費目名別にカードを発行することも可能です。
パーチェシングカードなら高額経費にも対応している
法人名義で発行できるカードとしては「法人カード」が知られていますが、利用限度額には、ある程度の上限があります。また、一般的な「コーポレートカード」も、カードによっては限度額が決められているものがあります。
しかし、パーチェシングカードは、上述した2つのカードに比べて、柔軟に限度額の設定が可能なため、高額経費の支払いにも対応できるという利点があります。
ガバナンス強化・セキュリティ強化につながる
パーチェシングカードを使えば現金管理が不要になるため、支払いのキャッシュレス化につながります。カード払いによって経費が可視化され、従業員による不正利用も未然に防げるでしょう。
また、経費の立て替え時に個人のクレジットカードで決済すると、支払金額に応じたポイントが付与されることがあります。つまり、企業が従業員に利益を与えることになってしまいます。パーチェシングカードを導入すれば、支払いはカード会社が一本化してくれるため、企業が従業員に利益供与するケースは起こりません。
パーチェシングカードは、不要な経費の支払対策にも役立ちます。一般的な法人カードは、追加カードを発行するだけで従業員がいつでもカードを使えるようになりますが、その利便性の高さと引き換えに従業員の私的利用というリスクを負います。一方、パーチェシングカードは、事前に登録した取引先のみに利用を制限することもできるため、従業員の個人利用リスクを低減させることができます。
パーチェシングカードのデメリット
パーチェシングカードを導入する際には、デメリットを知っておくことも大切です。
・利用機会に制限がある
・特典やポイント制度がない
それぞれ詳しく見ていきましょう。
利用機会に制限がある
パーチェシングカードは支払いの用途や店舗が限られているため、非対面以外では決済できません。リアル店舗等での突然の出費に使うことができないというデメリットがあります。
しかし、利用先が限定され自由度が低くなる一方、用途以外の経費に悪用されるリスクは大幅に減少します。
パーチェシングカードは特典やポイント付与がない
一般的な法人カードは、利用金額に応じてポイントが付与される独自の「ポイント制度」を導入しています。カードによっては空港ラウンジの無料利用や提携店舗の優待、コンシェルジュサービスなどの特典も付帯しています。
しかし、パーチェシングカードにはポイント制度や付帯特典がほとんどありません。パーチェシングカードは、経費精算業務の効率化に特化したカードと割り切った方がいいでしょう。
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パーチェシングカードと個人向けクレジットカード/コーポレートカードとの違い
クレジットカードには、「個人向けのクレジットカード」と、「企業や法人向けの法人カード」があります。
ここからは、パーチェシングカードと個人向けのクレジットカード、一般的なコーポレートカードの違いを詳しくご紹介します。
パーチェシングカードと個人向けクレジットカードの違い
・個人向けクレジットカード
個人名義で発行されるクレジットカードです。店舗での支払いやネットショッピング、携帯電話の利用料金など、個人的な出費を決済できます。
・法人カード
企業や法人向けのクレジットカードです。中小企業や個人事業主向けの法人カードを「ビジネスカード」、大企業向けの法人カードを「コーポレートカード」と呼んでいるカード会社もあります。名称や発行できる企業規模は異なりますが、カードの用途はどちらも同じです。
「パーチェシングカード」も法人カードの1種ですが、他の法人カードと異なり、用途が「特定の経費に限られる」などの特徴があります。
法人カード | |||
---|---|---|---|
名称 | ビジネスカード | コーポレートカード | パーチェシングカード |
発行対象 | 中小企業や個人事業主 | 中小〜大企業 | |
用途 | 経費全般 | 特定の経費 |
法人カードの1種であるパーチェシングカードと個人向けクレジットカードには、主に以下のような違いがあります。
・支払回数
パーチェシングカードは1回払いですが、個人向けのクレジットカードは2回払いやボーナス払い、リボ払いなど、多彩な支払方法から選択が可能です。
・支払口座
パーチェシングカードでは、利用金額が法人名義の口座から引き落としされますが、個人向けクレジットカードの引き落とし口座は個人名義の口座になります。
パーチェシングカードとコーポレートカードの違い
パーチェシングカードとコーポレートカードの違いは、主に3つあります。
1.用途が異なる
コーポレートカードは主に出張費や交際費などの社費決済に使われます。
一方、パーチェシングカードは企業の購買活動や、特定の固定費の支払いに使われるクレジットカードです。仕入れや資材の購入費、WEB広告の費用や光熱費、オフィスの賃料といった用途に使われます。
2.カードの名義が異なる
法人カードやコーポレートカードを発行する際には法人名義での作成が原則ですが、パーチェシングカードは、部署や経費項目別名義での作成も可能です。宣伝広告費と通信費を別名義にしてパーチェシングカードを作成すれば、経費精算業務の手間を省きながら、経費別の費用を簡単に把握できます。
3. パーチェシングカードはカードレスにも対応している
コーポレートカードはプラスチック製のカードが発行されますが、パーチェシングカードは、一部のカード会社を除いて、カードレスという特徴もあります。そのため、カードの紛失や盗難のリスクはなく、万が一の事態が発生したときの再発行や利用停止といった手間もかかりません。
このような各カードの違いを見てみると、パーチェシングカードは以下のような企業に適していると考えていいでしょう。
・社員数の多い大企業
・社員数が少なく、経理業務を効率化したい企業
・仕入れなど購買経費の決済額が大きく、支払い先が多い企業
・部署や支社の数が多く経費の管理が煩雑になっている企業
パーチェシングカードを利用してコスト削減と業務の効率化をしよう
今回は、パーチェシングカードの特徴や仕組み、メリットとデメリットについて詳しくご紹介しました。
パーチェシングカードを利用すると各種経費や購買活動にかかった支払いをカード会社が一本化してくれるので、労力とコストの大幅な削減につながります。
パーチェシングカードにはさまざまな種類があるので、本記事を参考にしながら各カードのメリットとデメリットを把握したうえで、自社に最適なカードを選ぶようにしましょう。