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法人税とは?所得税との違いや計算方法、納付方法もまとめて解説

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法人税とは?所得税との違いや計算方法、納付方法もまとめて解説
これから会社を立ち上げる方の場合、「法人税はどれくらい払うのだろう」「所得税とどう違うのか」など疑問を感じる方もいるのではないでしょうか。

また、会社で税務担当となれば、法人税に関する知識が必要です。

本記事では、法人税の基本的な仕組みや納税義務者、所得税との違いや計算方法などを解説します。近年、対応の幅が広がった法人税の納付方法も併せて紹介します。

法人税とは法人の所得に課される国税

法人税は、法人の事業活動で得られた所得にかかる税金であり、一般的に法人の一事業年度の所得に課されます

「所得」というと、事業活動で得られた収入をイメージしがちですが、ここで言う「所得」は事業活動で得られた収益から原材料費や人件費などの費用を引いた金額を意味しています。

また、グループ通算制度が適用される場合は、グループ企業全体で損益通算などの調整が可能です。

なお、法人税は国に納付する国税です。法人に課される税金には、法人税のほかに、地方自治体に納付する法人住民税や法人事業税が挙げられます。

法人税の納税義務者

法人税の主な納税義務者は下記のとおりです。

法人の区分 具体例
普通法人 株式会社、合同会社、合名会社、合資会社、一般社団法人と一般財団法人(非営利型法人を除く)、医療法人(社会福祉法人を除く)など
協同組合等 農業協同組合、消費者生活協同組合、漁業協同組合、信用金庫など
人格のない社団等 PTA、同業者団体、同窓会など
公益法人等 社会医療法人、公益社団法人と公益財団法人、社会福祉法人など

上記のうち、普通法人や協同組合等は事業から得たすべての所得に対して課税されます。一方、人格のない社団等や公益法人等は、収益事業から得られた所得のみが法人税の課税対象です。

収益事業は、法人税法施行令第5条第1項で、物品販売業や不動産販売業、金融貸付業など34の事業が例示されています。

法人税と所得税の違い

法人税と所得税の主な違いは、法人税が株式会社や合同会社などの法人に課される税金であるのに対し、所得税は個人の所得に課されるところです。したがって、個人事業主が会社を設立して法人化した場合は、支払う税金が所得税から法人税へと変わる点に注意しましょう。

また、法人税の税額計算の対象となるのは、原則として会社の定款で定められた1事業年度です。所得税のように「1月1日から12月31日までの1年間」と一律に決められているわけではありません。そのほか、法人税と所得税では適用される税率にも違いがあります。

法人税の計算方法

法人税の税額は下記の式で計算します。

● 法人税額=課税所得×税率-税額控除額

以下では、法人税の計算で大切な「課税所得」と「税率」を解説します。

法人税の計算の基礎となる「課税所得」とは

課税所得とは、法人税の計算の基礎となる金額です。

課税所得を求めるには、法人の事業で得られた「収益」から原材料費や人件費、減価償却費などの「費用」を差し引き、会計上の税引前利益を算出します。

その後、会計上は費用とはならないけれども税務上は「損金」となるもの(欠損金の繰越控除
など)を差し引き、会計上は費用となるけれども税務上は「益金」となるもの(一部の引当金の繰入額や一定額を超える交際費など)を加算します。

また、収益となるけど「益金」とならないものを差引き、収益とならないけど「益金」となるものも加算します。

上記のように、会計上の税引前当期利益から、税務上の損金と益金を加減したものが課税所得です。

法人税の税率

次に、課税所得に税率をかけます。法人税の税率は、法人の種類や資本金の額などで異なる点に注意しましょう。例えば、普通法人の法人税の税率は下記のとおりです。

区分 開始事業年度
2018.4.1以後 2019.4.1以後 2022.4.1以後
資本金1億円以下の普通法人など 年800万円以下の部分 下記以外 15% 15% 15%
適用除外事業者 19% 19%
年800万円超の部分 23.2% 23.2% 23.2%
上記以外の普通法人 23.2% 23.2% 23.2%
出典:国税庁「No.5759 法人税の税率」

資本金もしくは出資金の額が1億円以下の法人には、いわゆる中小法人などが該当します。法人税を計算する際には、年800万円以下の部分と年800万円を超える部分で適用される税率が異なるので注意しましょう。

税額控除の適用を受けられる場合は、課税所得に税率を乗じた金額から、税額控除額を差し引きます。税額控除には、所得税額控除や租税特別措置による税額控除などが挙げられます。

法人税の納付方法

法人税の納付方法

法人税の納付方法は下記の6種類です(2023年6月時点)。

● 窓口納付
● コンビニ納付
● スマホアプリ納付
● クレジットカード納付
● インターネットバンキング納付
● ダイレクト納付

法人税は複数の納付方法に対応しています。以下、各納付方法の詳細を解説します。

窓口納付

窓口納付は金融機関や税務署の窓口に行き、現金で納付する方法です。利用できる金融機関は「日本銀行歳入代理店」となります。手数料は不要で、領収証書が発行されます。窓口納付は現金のみ対応しており、クレジットカードは利用できない点は注意しましょう。

コンビニ納付

法人税はコンビニ納付が可能です。税務署から送付されたバーコード付納付書で納付する方法(バーコード納付)と、自宅で作成したQRコードを利用して納付する方法(QRコード納付)があります。

ただし、納付できるのは30万円以下であることは覚えておきましょう。手数料は不要で、領収書は発行されず、払込金受領証が発行されます。

スマホアプリ納付

スマホアプリ納付は、「国税スマートフォン決済専用サイト」からスマホアプリで納付する方法です。

2023年6月時点では、PayPayとd払い、au PAYとLINE Pay、メルペイとAmazon Payに対応しています。利用可能額は30万円以下です。決済手数料は発生せず、領収証書は発行されません。

クレジットカード納付

クレジットカード納付は、国税クレジットカードお支払サイトからクレジットカードで納付する方法です。

利用可能なクレジットカードは、Visa、Mastercard(R)、JCB、American Express、Diners Club、TS CUBIC CARDです。納付できる金額は1度につき1,000万円未満、かつクレジットカードの決済可能額の範囲内です。

なお、納付税額に応じた決済手数料がかかり、領収証書は発行されません。クレジットカード納付をする場合は、お持ちのカードが対象となっているか事前に確認しておきましょう。

インターネットバンキング納付

法人税は、インターネットバンキングやATMなどからも納付が可能です。ただし、e-Taxの利用開始手続きが必要となる点には注意してください。

インターネットバンキング納付で納付可能な金額は、金融機関で異なります。手数料は不要で、領収証書は発行されません。

ダイレクト納付

ダイレクト納付は、e-Taxで申告書を提出したあとに、預貯金口座から口座引き落としで納付する方法です。インターネットバンキング納付と同様に、e-Tax利用開始手続きが必要となります。ダイレクト納付は手数料が不要ですが、領収証書は発行されません。

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まとめ

法人税は会社の所得に対してかかる税金で、株式会社や一般社団法人などの法人が対象となります。

法人税の計算の基礎となる課税所得や税率を知っておくと、大まかな税額を把握したいときに便利です。税金のために確保しておく資金を見積もりやすくなり、経営に役立ちます。

近年では、クレジットカード納付やコンビニ納付など便利な納付方法が開始されています。セゾンのビジネスカードで納付すると永久不滅ポイントが貯まるので、この機会に、ぜひクレディセゾンのサービスをご検討ください。

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この記事を監修した人

宮川 真一
宮川 真一
岐阜県大垣市出身。1996年一橋大学商学部卒業、1997年から税理士業務に従事し、税理士としてのキャリアは20年以上たちました。現在は、税理士法人みらいサクセスパートナーズの代表として、M&Aや事業承継のコンサルティング、税務対応を行っています。あわせて、CFP®(ファイナンシャルプランナー)の資格を生かした個人様向けのコンサルティングも行っています。また、事業会社の財務経理を担当し、会計・税務を軸にいくつかの会社の取締役・監査役にも従事しております。

【保有資格】
CFP、税理士