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切手料金の勘定科目は?仕訳・会計処理方法についても解説
本記事では、切手料金の勘定科目や仕訳方法について詳しく解説します。
切手料金の勘定科目とは?
切手料金の勘定科目は「通信費」に分類されます。
通信費は、通信や連絡をするためにかかった費用が分類される勘定科目です。切手料金は電話料金やインターネット料金と同様に「通信手段にかかる費用」に区分されるため、会計処理をする際は通信費の勘定科目を使います。
切手を使用するまでは「通信費」ではなく「貯蔵品」
切手をすぐに使う場合は通信費として計上できますが、実際に使用するまでは「貯蔵品」に該当するので間違えないように注意してください。
貯蔵品は未使用のまま貯蔵している物品が分類される勘定科目で、主に未使用の事務用品や切手、収入印紙などが該当します。
また、未使用の切手を貯蔵品の勘定科目で会計処理をする場合、経費には計上できません。経費に計上できるのは、切手の使用時に通信費の勘定科目で処理をする場合です。
まとめると、切手の購入時は「貯蔵品」、使用時は「通信費」の勘定科目で処理をします。以下で会計処理方法の例を見ていきましょう。
●原則的な仕訳・会計処理方法
前述したように、切手の購入時は「貯蔵品」として会計処理を行います。以下は、120円分の切手を現金で10枚購入した場合の仕訳例です。
借方勘定科目 | 借方金額 | 貸方勘定科目 | 貸方金額 |
貯蔵品 | 1,200 | 現金 | 1,200 |
購入した切手を使う場合は、「通信費」として会計処理を行います。例として、120円分の切手を1枚使った場合の仕訳をご紹介します。
借方勘定科目 | 借方金額 | 貸方勘定科目 | 貸方金額 |
通信費 | 110 | 貯蔵品 | 120 |
仮払消費税 | 10 |
切手料金に含まれている消費税は、切手を使った場合に課税対象になります。購入時は非課税となるため、貯蔵品として計上する際は切手の購入金額をそのまま記載します。
●例外的な仕訳・会計処理方法
切手の勘定科目は購入時に貯蔵品、使用時に通信費として会計処理をするのが原則です。
しかし、切手を使うたびに処理を行うのは手間がかかってしまうため、切手の利用を目的に継続的に購入している場合は、例外的に購入時も通信費として処理をすることが認められています。例えば、120円分の切手を現金で10枚購入した場合は、下記のように仕訳を行います。
借方勘定科目 | 借方金額 | 貸方勘定科目 | 貸方金額 |
通信費 | 1,091 | 現金 | 1,200 |
仮払消費税 | 109 |
なお、例外的な処理を行う場合は、期末に未使用分の切手を貯蔵品として計上する必要があります。例えば、期末時に1,200円分の未使用切手があった場合は、下記のように仕訳をします。
借方勘定科目 | 借方金額 | 貸方勘定科目 | 貸方金額 |
貯蔵品 | 1,200 | 通信費 | 1,091 |
仮払消費税 | 109 |
切手料金の消費税の取り扱い
先述したように、切手の購入は非課税として扱われる一方で、切手の使用時は課税対象となります。このように購入時と使用時で課税の処理が変わるのは、消費税の二重課税を防ぐのが目的です。
購入時にも消費税が課されると、切手の購入&使用時の両方に消費税が課されることになってしまいます。そのため、切手の購入は非課税、使用時は課税対象と分けられています。
簡易書留の勘定科目と仕訳
郵送で重要な書類を送る際は、簡易書留を利用するケースもあるでしょう。簡易書留は切手と同じように、状況に応じて勘定科目が変わるので注意が必要です。
簡易書留で書類を送る場合は「通信費」、商品を送る場合は「荷造運賃」の勘定科目を使います。荷造運賃とは、商品を送るときに発生する運賃や荷造費を処理する場合に使う勘定科目で、梱包材の購入費や郵送料などが該当します。
また、簡易書留の仕訳方法は、貯蔵品の切手を使った場合と郵便局の窓口で現金払いをした場合で異なります。
ここでは、簡易書留の料金を「簡易書留の基本料金320円+郵便基本料金84円」と仮定したうえで、支払い方法ごとに仕訳例をご紹介します。
<貯蔵品の切手を使い、書類を簡易書留で送った場合の仕訳例>
借方勘定科目 | 借方金額 | 貸方勘定科目 | 貸方金額 |
通信費 | 404 | 貯蔵品 | 404 |
<貯蔵品の切手を使い、商品を簡易書留で送った場合の仕訳例>
借方勘定科目 | 借方金額 | 貸方勘定科目 | 貸方金額 |
荷造運賃 | 404 | 貯蔵品 | 404 |
<郵便局の窓口で現金払いをして書類を簡易書留で送った場合の仕訳例>
借方勘定科目 | 借方金額 | 貸方勘定科目 | 貸方金額 |
通信費 | 404 | 現金 | 404 |
<郵便局の窓口で現金払いをして商品を簡易書留で送った場合の仕訳例>
借方勘定科目 | 借方金額 | 貸方勘定科目 | 貸方金額 |
荷造運賃 | 404 | 現金 | 404 |
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切手料金の勘定科目まとめ
切手料金の勘定科目は、基本的に「通信費」を使います。ただし、切手を使うまでは「貯蔵品」の勘定科目を用いるのが原則とされているので、覚えておきましょう。
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