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福利厚生とは?種類やメリット・デメリット、導入に役立つクレジットカードを紹介
福利厚生の強化・充実には、まず福利厚生にどのような種類があり、自社にどういった福利厚生が導入可能かの検討が重要です。
この記事では、福利厚生の基本的な内容や種類、導入に際しての企業側のメリットやデメリットを解説します。福利厚生の導入に役立つクレジットカードもあわせて紹介します。
福利厚生とは給与とは別に従業員へ福祉向上を目的として行う施策
福利厚生とは、給与や賞与などとは別に、企業が従業員やその家族の福祉向上を目的に行っている施策の総称です。
具体的には、健康保険や厚生年金保険など法律で定められた制度、育児補助や慶弔休暇制度など会社ごとに行っている施策などがあります。
従業員の方の生活を考えるとき、「ケガや病気になった場合の備え」や「生活する住まいの確保」などの環境整備はとても重要です。
福利厚生の充実により、従業員の方が心身ともに健康的に働きやすい環境づくりができ、労働生産性の向上や人材確保、離職防止につながります。
福利厚生の種類
福利厚生には大きく「法定福利厚生」と「法定外福利厚生」の2種類があります。以下では、各福利厚生の具体的な内容を解説します。
法定福利厚生
法定福利厚生とは、福利厚生のうち法令で義務付けられている福利厚生のことです。法定福利厚生には下記の種類があります。
● 健康保険
● 介護保険
● 厚生年金保険
● 雇用保険
● 労災保険
● 子ども・子育て拠出金
法定福利厚生にかかる費用は、会社全額負担あるいは会社と従業員がそれぞれに負担となります。以下、各法定福利厚生の内容とともに解説します。
健康保険
健康保険とは、病気やケガ、出産や死亡などで生じる経済的な負担を支える医療保険制度です。会社員など民間企業に勤務する方が加入し、病気やケガの際の医療費の一部給付、傷病手当金や高額療養費などの給付が受けられます。
健康保険の保険料は、企業と従業員が1/2ずつ負担します。保険料は毎月の給与から控除され、企業の負担分とともに加入している健康保険に納付されます。
介護保険
介護保険は、認知症や寝たきりなどで介護が必要となったときに介護サービスが受けられる制度です。40歳になった方は必ず介護保険に加入する必要があります。介護保険制度は2000年から開始された制度で、お住いの地域の市区町村が運営する保険です。
介護保険の保険料も、健康保険の保険料と同様に企業と従業員が1/2ずつ負担します。
なお、介護保険サービスを受けられるのは原則65歳以上の方となりますが、40歳〜64歳までの方のうち、初老期の認知症や脳血管疾患など特定疾病で要介護・要支援となった方もサービスを利用可能です。
厚生年金保険
厚生年金保険は会社員や公務員などが加入する公的年金で、老後の生活資金などを支える制度です。日本の公的年金制度は国民年金と厚生年金の2階建てとなっており、会社員や公務員の方は国民年金と厚生年金の両方に加入します。
厚生年金保険の保険料は、企業と従業員で1/2ずつの負担です。厚生年金保険加入者(従業員)に扶養されている配偶者の方は、第3号被保険者として国民年金に加入します。第3号被保険者の保険料は扶養者の保険料で負担するため、自己負担額はありません。
雇用保険
雇用保険は、失業した方への生活給付や就職のための教育訓練などを行う制度です。そのほか、育児休業や介護休業の際の給付金、雇用安定事業や能力開発事業の財源に利用されています。
雇用保険の保険料は企業と従業員の双方が負担しますが、保険料率は会社の事業によって異なります。例えば、一般事業の雇用保険料は15.5/1,000となっており、会社負担は9.5/1,000、従業員負担は6/1,000です(2023年4月時点)。
労災保険
労災保険とは、業務中や通勤中などのケガや病気、障害や死亡などに対して保険給付を行う制度です。給付には、療養補償給付や休業補償給付、障害補償年金や遺族補償年金などの種類があります。
労災保険の保険料は、全額企業負担です。健康保険や厚生年金保険などと違い、従業員の負担はありません。
子ども・子育て拠出金
子ども・子育て拠出金(旧児童手当拠出金)とは、児童手当や仕事・子育て両立支援事業など、子育て支援に使われる拠出金です。
子ども・子育て拠出金は全額企業が負担し、従業員の負担はありません。企業は、厚生年金保険料とともに拠出金を納付します。
法定外福利厚生
法定外福利厚生は企業が任意で行う福利厚生です。企業により多彩な施策がなされていて、その内容は多岐にわたります。
以下では、法定外福利厚生を「休暇制度」や「住居に関する福利厚生」などのカテゴリに分類し、カテゴリごとに実施されている福利厚生の一例を紹介します。
休暇制度
休暇は心身のリフレッシュに必要な時間です。法律で定められた休暇以外にも、独自の休暇を設ける企業は多く存在します。具体的には下記のような休暇制度です。
● 慶弔休暇
● 病気休暇
● 病気休職
● リフレッシュ休暇
● ボランティア休暇
上記のほか、完全週休二日制を採用する企業や、有給休暇を上乗せする制度を導入している企業もあります。
住居に関する福利厚生
住居に関する福利厚生の一例は下記のとおりです。
● 住宅手当・家賃補助
● 宿舎
● 社員寮
● 借り上げ住宅
従業員の生活にとって住居は重要であることから、福利厚生の一環で住居支援を行う企業は多く存在します。
健康に関する福利厚生
健康に関する福利厚生では、健康や医療にかかる費用の補助やサービスの提供などが実施されています。
● 人間ドックの費用補助
● ジムやフィットネスクラブの費用補助
● 自転車通勤手当
● メンタルヘルス相談室の設置
● 医務室の設置
● カウンセラーの常駐
● 職場内の運動スペースの設置
労働人口の減少が問題視されるなか、事業を円滑に進めるためには従業員の健康維持が欠かせません。健康に関する福利厚生により、従業員の健康増進と生産性の向上が期待できます。
食事に関する福利厚生
食事に関する福利厚生の一例は下記のとおりです。
● 社員食堂の設置
● 食事手当の支給
● 外部飲食店で利用可能な食券の配布
● 弁当配送サービス
● 外部サービスを活用した飲食店の割引
食事に関する福利厚生は、給与以外で従業員の経済的な支援が行えます。また、住宅手当や資格手当など対象となる従業員が限定される福利厚生と異なり、すべての従業員が公平に利用しやすい点もメリットです。
育児に関する福利厚生
育児に関する福利厚生の一例は下記のとおりです。
● 育児休暇、休業の拡充
● 短時間勤務制度の整備
● 家族手当
● 保育施設の設置
● ベビーシッターの常駐
● 認可外保育園の費用補助
● 男性の育児休暇取得の推奨
育児に関する福利厚生を充実させると、出産や育児などのライフイベントを迎えた従業員の「働きたいニーズ」を支援できます。また、出産や育児を契機とした従業員の離職防止にも有効です。
財産形成に関する福利厚生
従業員の財産形成に関する福利厚生の一例は下記のとおりです。
● 財形貯蓄制度
● 社内預金制度
● 持ち株制度
● ストックオプション
● 金融リテラシーに関するセミナーの実施
● 個人年金の費用補助
例えば、財形貯蓄制度には一般財形貯蓄や財形住宅貯蓄、財形年金貯蓄などの種類があります。財形貯蓄は給与からの天引きが可能なため、「お金が手元にあると使ってしまう」方でも財産形成をしやすいメリットがあります。
余暇活動に関する福利厚生
余暇活動に関する福利厚生の一例は下記のとおりです。
● 社員旅行の実施や費用補助
● 忘年会や新年会などの実施、費用補助
● スポーツ大会の実施
● スポーツ施設の設置、費用補助
● レジャー施設や旅行で使える割引やクーポンの支給
余暇活動に関する福利厚生は、従業員の心身のリフレッシュに貢献します。また、スポーツ大会や忘年会などの実施により、従業員同士のコミュニケーション促進を見込めます。
福利厚生を導入する企業側のメリット・デメリット
法定福利厚生の導入は会社の義務である一方、法定外福利厚生の導入は会社の判断に任されています。以下では、法定外福利厚生を導入する際のメリットとデメリットを解説します。
福利厚生を導入するメリット
福利厚生を導入する主なメリットは下記のとおりです。
● 従業員の健康増進による生産性の向上
● 従業員の満足度の向上
● 人材の確保
● 企業イメージの向上
福利厚生の大きなメリットは、従業員の健康的に安心して働ける環境の構築により、生産性の向上が見込める点です。また、従業員の満足度が向上すれば、離職率を低下させ、人材の定着につながります。
そのほか、近年では就職先を検討する際に、ワークライフバランスや働く環境を重視する方が増えてきました。福利厚生を充実させてアピールすると、採用活動でのアドバンテージとなり得ます。
福利厚生を導入するデメリット
福利厚生導入のデメリットは、企業側の負担が増加する点です。例えば、社員食堂を導入するためには、社内でのスペースの確保や内装工事、食堂の従業員の確保や給料の支払いなど、費用と労力の両面で負担がかかります。
また、従業員のニーズに沿った福利厚生でなければ、利用率が上がらずせっかく導入した福利厚生が無駄となってしまう可能性があります。福利厚生導入の際には、費用や労力の負担、従業員のニーズへの配慮が重要です。
福利厚生の導入に役立つおすすめのクレジットカード
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まとめ
会社や事業の発展には、従業員が安心して働け、能力を最大限に発揮できる環境づくりが欠かせません。
福利厚生を上手に導入し制度化すると、社員の健康や満足度の向上、優秀な人材の採用など多くのメリットがあります。導入の際は、多様化する従業員のニーズを把握し、費用対効果のバランスを考慮して検討しましょう。
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