摘要とは？ 記載する3つの目的と記載すべき内容について解説

摘要は辞書においては、重要な箇所を抜き書きするという意味です。会計における摘要は取引の内容をわかりやすくするために記入する欄のことを指します。

勘定項目や金額の仕訳だけではわからない情報や、記入しなければならない特記事項などが記入の対象です。

このような情報を記載するのが摘要欄であり、摘要という言葉の意味のとおり、取引に関する重要な情報のみを記入する必要があります。

摘要と類似した意味を持ち誤用されやすい言葉には、概要・備考があります。

　● 概要：文書全体を短くまとめたもの(物事や物語の要点のまとめ)
　● 備考：本文などに書かれていないことに対して参考に添える文

使い分けが難しい言葉ですが、会計における取引で利用される言葉は概要ではなく、摘要になります。備考は内容をわかりやすくするために書き加える、という意味になるため、摘要とはまったく異なる意味になります。

摘要を記載する目的は大きく分けて3つあります。

・仕訳した取引内容が何かわかりやすくするため
・特定の控除を受けるにはルールがあるため
・第三者が見ても取引内容を把握できる必要があるため

それぞれ詳しく見ていきましょう。

帳簿を後から見返したとき、勘定項目に現金のみを記載した仕訳のみを確認して、どのような取引であったかわからない可能性があります。

摘要欄に取引に関する重要事項を入力することで、後から見返しても取引の内容が思い出せます。

正しく記帳ができていても、肝心の取引内容がわからなくなってしまうことがないように摘要欄に情報を記入することが重要です。

税金の控除を受けるために必要な情報として摘要欄への記入が必要になる場合があります。

例えば、消費税の仕入税額控除を受けるためには、帳簿に取引相手の氏名、取引日、取引内容などを記載しなければなりません。

摘要に情報を記載しなかった場合は、取引内容が不明確であることを理由に受けられたはずの控除が受けられないことも考えられるので、特定の控除を受ける場合は摘要欄の記入は必須です。

取引相手の数が少なく取引内容をすべて把握しており、特定の控除を受ける予定がない場合でも摘要欄には詳しく内容を記載するべきです。

なぜなら、帳簿は自身が見て取引の内容がわかれば良いというものではないからです。経理や税務署などの第三者が見ても取引内容を把握できる必要があります。

税務署から帳簿の提出が求められた際に取引内容が第三者から見てわからない場合は、追加資料の提出や実地調査が求められ、税務調査が長引く可能性があります。

摘要欄に記載する内容ですが「取引相手の名前や名称」「取引内容」に関しては必ず記入するようにしましょう。

例えば、株式会社〇〇に1個1万円の商品を10個納品して合計10万円の売り上げを得たときの摘要欄は「株式会社〇〇へ商品1万円を10個売上」のように記載します。

タクシー代など交通費を記入する場合は、タクシー会社の名前とタクシー代であることを記入しますが、移動区間や移動の目的を明記するようにします。

摘要欄の例は「〇〇交通株式会社、タクシー代、新宿区新宿〜豊島区東池袋、株式会社〇〇への訪問」です。

接待交際費の場合は、お店の名前や誰と食事をしたのかを明記し、参加人数などを記載します。摘要欄は「〇〇料理店、株式会社〇〇の〇〇さんと会食、3人」のように記載します。

摘要欄の記載は必要な情報が明記されていれば書き方は自由です。ただし、書き方の統一は必要であり、経理が複数人いる場合は社内でルール作りをするようにします。

摘要欄を記載する際の注意点を2つ紹介します。

・摘要欄の情報が過多にならないようにする
・消費税の区分も摘要欄に書く

それぞれ詳しく解説します。

摘要欄には、取引相手の名前や名称・取引内容以外でも交通費であれば移動区間、接待交際費などでは参加人数など帳簿をつける上で必要と判断した情報を記載します。

ただし、詳しく記入し過ぎて情報過多になると摘要が示す重要な箇所を抜き書きする意味からも外れ、反対に取引内容を把握しにくくなる可能性があります。

必要になる重要な情報のみを簡潔に記載することを心がけることが重要です。また、書き方のルールを統一するなら、内容を簡略化して記載しても問題ありません。

例えば、取引相手の「〇〇交通株式会社」を「〇〇交通」と簡略化して記入する場合も、すべての摘要欄において表記が〇〇交通と統一されていれば簡略化が可能です。

2019年から軽減税率制度が開始されたことで、摘要欄には消費税の区分についても記録する必要があります。

軽減税率であるか標準税率であるかわかるようにすることが重要です。

書き方はルールを統一すれば簡略化が可能であるため、記入の手間を省きながらわかりやすくするなら、軽減税率が適用される商品の摘要欄には「※」を記入するなどのルールを決めておくと良いでしょう。

摘要欄の記入を含めた帳簿などの会計に関わる書類を作成するなら会計ソフトの利用が便利です。

帳簿書類の作成の手間をより省くなら、経費などの支払いに利用するクレジットカードを一本化することで記帳が楽になります。

セゾンのビジネスカードは、経費の支払いをクレジットカードに一本化できるだけでなく、税金の支払いにも利用限度額の増額という形で対応可能となっており、税金の支払いでもポイントが貯まるのでお得です。

会計ソフトに関連する優待も付帯しており、ビジネスに関連する特典が充実したおすすめのビジネスカードを紹介します。

セゾンコバルト・ビジネス・アメリカン・エキスプレス(R)・カードは年会費無料で利用できるビジネスに特化した特典が付帯した帳簿作成にも役立つビジネスカードです。

税金の納付でも永久不滅ポイントが2,000円(税込)につき1ポイント貯まります。さらに、ビジネスに関連する特定のサービスの利用では、永久不滅ポイントが通常の4倍(1,000円(税込)ごとに4ポイント)貯まります(※)。

対象となるサービスの一部には、かんたんクラウド(MJS)とマネーフォワード クラウドなどがあり、会計ソフトの利用料金の支払いでお得にポイントが貯められる特典です。かんたんクラウド(MJS)は、会計・給与のクラウドサービスで、2ヵ月無料優待が付帯しています。3ヵ月目からは月額を支払うことで継続して利用可能です。

帳簿を作成するための会計ソフトに関連するサービスが付帯しているため、書類作成の機会が多い事業主の方におすすめです。

(※)他カードにてSAISON MILE CLUB(セゾンマイルクラブ)へご入会いただいている方は、本サービスの対象外となります。

セゾンプラチナ・ビジネス・アメリカン・エキスプレス(R)・カードは、初年度年会費無料で、通常年会費22,000円(税込)で利用できます。ビジネスに関連する特典・優待が充実したビジネスカードです。

プラチナカード特有の優待も充実しており、プライオリティ・パス(プレステージ会員)への無料登録が可能です。プライオリティ・パスは、世界中の空港ラウンジを利用できるので、海外出張が多い事業主の方にうれしい特典です。

ポイント還元率は通常0.5％相当(※1)になりますが、海外利用時にはポイント還元率が2倍(※2)になります。

ビジネスに関連する優待とプラチナカード特有の充実した特典を利用したい事業主の方にはセゾンプラチナ・ビジネス・アメリカン・エキスプレス(R)・カードがおすすめです。

(※1)1ポイント最大5円相当のアイテムと交換した場合となります。交換商品によっては、1Pの価値は5円未満になります。一部還元率の異なるサービスおよび加盟店がございます。
(※2)他カードにてSAISON MILE CLUB(セゾンマイルクラブ)へご入会いただいている方は、本サービスの対象外となります。

摘要に必要な情報を記載することで、後から見返しても取引内容がわかることが重要です。

書類作成の機会が多い事業主の方は、少しでも手間を減らすためにビジネスカードの申し込みを検討してみましょう。

特におすすめのビジネスカードは、ビジネスに役立つ特典が付帯していて年会費無料で利用できるセゾンコバルト・ビジネス・アメリカン・エキスプレス(R)・カードと、ビジネス以外のシーンでも役立つ特典が充実しているセゾンプラチナ・ビジネス・アメリカン・エキスプレス(R)・カードです。