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利益率の計算方法を詳しく解説!高い業種や低い業種、改善するためのポイントもご紹介

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企業を安定的に成長させるうえで重要になるのが「利益率」という指標です。

正しく理解しないで企業を経営していると、ビジネスを取り巻く環境が急変した際に苦境に陥るかもしれません。利益率には5つの種類があり、企業の収益力の分析に役立つことを認識しておきましょう。

この記事では、企業を経営している方に向けて、5種類の利益率について、どのような概念なのかを詳しく解説します。そのうえで、5種類の利益率を計算する方法や、利益率が高い業種・低い業種、利益率を改善するためのポイントもご紹介するので、ぜひ参考にしてください。

利益率とは?

利益率とは、売上高に対する利益の割合を示す指標のこと。具体的には、損益計算書に記載されている5種類の利益(「売上総利益」「営業利益」「経常利益」「税引前当期純利益」「当期純利益」)を売上高で割って算出したものです。

そのため、「5種類の利益」に対応して、「5種類の利益率」が算出されることを覚えておきましょう。

利益率の数値から企業の「収益性」を分析することが可能 になり、「売上高が増加したにもかかわらず、利益が減少した」という場合は、利益率をチェックすることで原因を明らかにできます。

なお、「何を知りたいか」によって、参照するべき利益率の種類が変わることにご留意ください。次の章で、「5つの利益率」について詳しく説明します。

利益率の種類

「利益率」という概念は、「どの種類の利益を売上高で割ったのか」によって、以下の5つに分類されます。

1. 売上高総利益率
2. 売上高営業利益率
3. 売上高経常利益率
4. 売上高税引前当期純利益率
5. 売上高当期純利益率

売上高総利益率とは「売上高に占める売上総利益の割合」です。企業の競争力やブランド力を把握でき、一般的に好景気になると上昇し、不景気になると下降します。業種によって大きな差があることにご留意ください。

売上高営業利益率とは「売上高に占める営業利益の割合」のこと。「本業からどのくらいの利益が出ているのか(本業の収益性)」を知ることや、同業他社との比較により販売・管理活動の効率性を把握することが可能です。売上高総利益率が減少していないのに売上高営業利益率が減少している場合、「販売費及び一般管理費」の内容に原因があることが考えられます。

売上高経常利益率とは「売上高に占める経常利益の割合」です。財務活動なども含めた通常の企業活動(「突発的に発生するもの」を除外)から、どのくらいの利益が生み出されているのかをチェックできます。「金融収支の良し悪し」「資金調達力」など、財務体質を含めた「総合的な収益性」が反映されることを覚えておきましょう。

売上高税引前当期純利益率とは「売上高に占める税引前当期純利益の割合」です。売上高に対して「法人税などが控除される前の利益」がどのくらい生み出されたのかを示します。そして、売上高当期純利益率とは「売上高に占める当期純利益の割合」のこと。売上高に対して「当該事業年度における最終的な利益」がどのくらいであるかを表す数値です。

次の章で、5種類の利益率の計算方法をご紹介します。
 

利益率の計算方法

利益率の計算方法

以下、前の章でご紹介した5種類の利益率の計算式を示します。

● 売上高総利益率=売上総利益÷売上高

ここで、「売上総利益(粗利)=売上高-売上原価(仕入原価、製造原価)」であることにご留意ください。

● 売上高営業利益率=営業利益÷売上高

ちなみに、「営業利益=売上総利益-販売費及び一般管理費(家賃、人件費、光熱費など、売上原価に含まれない費用)」となります。

● 売上高経常利益率=経常利益÷売上高

「経常利益=営業利益+営業外収益-営業外費用」という関係を覚えておきましょう。営業外収益・営業外費用は「本業以外で得られた収入・損失のうち、日常的に発生するもの」を指します(営業外利益の具体例は「受取利息」「雑収入」など、営業外費用の具体例は「支払利息」「雑損失」など)。

● 売上高税引前当期純利益率=税引前当期純利益÷売上高

「税引前当期純利益=経常利益+特別利益(固定資産の売却益など)-特別損失(固定資産の売却損、火災・自然災害・盗難による損失など)」と算出されることを理解しておきましょう。特別利益・特別損失は「臨時的・偶発的に発生した損益」を指し、継続的・日常的に発生するものは該当しません。

● 売上高当期純利益率=当期純利益÷売上高

なお、「当期純利益=税引前当期純利益-税金(法人税・住民税・事業税など)」となります。

業種によって利益率は異なる

ここまで5種類の利益率について詳しく説明しましたが、公的な統計調査においては「本業における利益」や「企業の経常的な利益」を把握するために、一般的に「売上高営業利益率」や「売上高経常利益率」が重点的に調査されることを覚えておきましょう。

なお、平均的な利益率は、業種によって異なることにご留意ください。以下、利益率(「売上高営業利益率」および「売上高経常利益率」)が高い業種と低い業種をご紹介します。

利益率が高い業種

「経済産業省企業活動基本調査」の結果によると、主要3産業(製造業、卸売業、小売業)のうち、「売上高営業利益率」および「売上高経常利益率」が最も高いのは「製造業」となっています。

次の表に、2018年、2019年、2020年、2021年における製造業の「売上高営業利益率」と「売上高経常利益率」を表にまとめました(いずれも平均値)。

年度 売上高営業利益率(%) 売上高経常利益率(%)
2018 4.8 7.3
2019 3.6 6
2020 3.4 6.5
2021 5.6 9.0

次の章でご紹介する卸売業や小売業と比較すると、製造業に関しては本業でも本業以外でも大きな利益を出している傾向がわかります。

利益率が低い業種

「経済産業省企業活動基本調査」の結果によると、主要3産業(製造業、卸売業、小売業)のうち、「売上高営業利益率」が最も低いのは「卸売業」、「売上高経常利益率」が最も低いのは「小売業」となっています。

次の表に、2018年から2021年までの推移をまとめました(いずれも平均値)。

年度 卸売業 小売業
売上高営業利益率(%) 売上高経常利益率(%) 売上高営業利益率(%) 売上高経常利益率(%)
2018 1.9 3.2 2.8 3.1
2019 1.8 3.2 2.6 2.8
2020 2 3.4 2.8 3.1
2021 2.7 4.6 3 3.4

卸売業に関しては本業以外での利益が大きい傾向が、小売業に関しては本業以外の利益が小さい傾向がわかります。

利益率を改善するためのポイント

会社の利益率をコントロールするのは容易なことではありませんが、さまざまな工夫を重ねて、改善に向けて取り組みましょう。

以下、「売上を増やす」および「コストを削減する」という観点から、利益率を改善するためのポイントをご紹介します。

売上を増やす

売上高営業利益率や売上高経常利益率は、「販売費及び一般管理費」を差し引いて算出される指標です。

販売費及び一般管理費(家賃、人件費、光熱費など)の多くは、売上の大小にかかわらず同じくらいの金額が発生するため、売上が増加すれば、その分、売上高営業利益率や売上高経常利益率が上昇することになります。

そのため、「消費者・企業が購入したくなるような魅力的な商品・サービスを開発する」「販売先を見直す(高値で購入してくれる取引先を開拓する)」といった工夫をして、売上を増加させれば、売上高営業利益率や売上高経常利益率の改善を実現できるでしょう。

コストを削減する

コスト(固定費、変動費、原価)を削減することも検討しましょう。

固定費(家賃や人件費、光熱費、保険料など、毎月ほぼ一定金額が発生し続ける費用)を削減すれば、売上高営業利益率や売上高経常利益率が高くなります。

ただし、「給与を減らす」という安易な対応は、生産性や意欲の低下を招きかねないのでご注意ください。

「業務を効率化できるシステム(会計ソフト、給与計算ソフト、経費精算ソフトなど)の導入によって、経理部門の残業を抑制し、光熱費を削減する」「テレワークの推進による光熱費削減」「保険の見直し」など、従業員のモチベーションを損なわない方法を選択するほうが良いでしょう。

変動費(売上に応じて変動する費用)を見直すことも重要です。「輸送方法を見直す」「在庫の管理方法を改善し、ロスを防ぐ」といった対策を講じることで、売上高営業利益率や売上高経常利益率が大きくなります。

なお、「原材料を変える」「製作プロセスを見直す」「適切な使用量を徹底する」などにより、「原価」を削減できれば、売上総利益(粗利)が増加し、5種類の利益率のいずれも大きくなることを覚えておきましょう。

しかし、原価を削ろうとするあまり品質が低下してしまうのは本末転倒です。顧客離れの原因になりかねません。企業のイメージ、ブランド、信頼感を毀損しないように、クオリティに問題が出ない範囲で見直しをすることが大切です。

会計ソフトと法人カードを利用することも、利益率の改善に有効

上述したように、会計ソフトや給与計算ソフト、経費精算ソフトを導入すれば、経理部門の業務が効率化され、残業時間の減少につながります。そして、オフィスにいる時間が減ることで光熱費が削減され、利益率の向上を実現できるでしょう。

法人カードを利用することも、あわせてご検討ください。法人カードによっては、「追加カード」を複数枚発行できる場合があります。従業員に持たせて物品・サービスを購入する際に利用させてはいかがでしょうか。

ちなみに、会計ソフトなどと連携させておけば、利用明細が自動的に取り込まれるため、経理処理がスムーズになります。また、事業に役立つ優待特典(会計ソフト、法務サービスなど)が付帯していることも法人カードの魅力です。

利益率改善におすすめな法人カード

おすすめの法人カードは、「セゾンコバルト・ビジネス・アメリカン・エキスプレス(R)・カード」および「セゾンプラチナ・ビジネス・アメリカン・エキスプレス(R)・カード」の2枚。事業用の物品・サービスの購入や税金の納付で、通常、永久不滅ポイントが1,000円(税込)につき1ポイント貯まるので、ぜひご活用ください。

セゾンコバルト・ビジネス・アメリカン・エキスプレス(R)・カード

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付帯している優待特典(詳細はこちら)を利用して経理部門の業務を効率化すれば、残業時間の減少につながります。その結果、オフィスの光熱費を削減でき、利益率の向上を実現できるので、ぜひご活用ください。

>>詳細はこちら

セゾンプラチナ・ビジネス・アメリカン・エキスプレス(R)・カード

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セゾンコバルト・ビジネス・アメリカン・エキスプレス(R)・カードで付帯している優待特典に加え、国内旅行傷害保険も付帯。条件を満たすことで海外旅行傷害保険(※1)も付帯しているので、出張時に万一の事態が発生しても安心です。

(※1)航空券代や宿泊費などの支払いに本カードを利用した場合に適用

>>詳細はこちら

利益率を向上させて、力強く成長できる企業体質を作り上げよう

利益率とは、売上高に対する利益の割合を示す指標です。5つの種類があり、企業の収益性を分析するために用いられています。なお、業種ごとに、平均的な利益率が異なることを認識しておきましょう。

利益率を改善するのは容易なことではありません。しかしながら、力強く成長できる企業体質を作り上げるためには、さまざまな工夫をこらし、少しでも利益率を向上させる努力が求められます。

利益率を改善するための方法として、「法人カード」を保有することもご検討ください。会計ソフトなどと連携させることで、経理部門の業務が効率化され、光熱費削減につながります。また、ビジネスに役立つ優待特典が数多く付帯していることも魅力です。

おすすめの法人カードは、「セゾンコバルト・ビジネス・アメリカン・エキスプレス(R)・カード」および「セゾンプラチナ・ビジネス・アメリカン・エキスプレス(R)・カード」の2枚。それぞれに特長があるので、年会費や優待特典の内容を比較して、自社に適したカードをお選びください。