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給与所得者の扶養控除等(異動)申告書とは?提出が必要な場合や書き方を解説

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給与所得者の扶養控除等(異動)申告書とは?提出が必要な場合や書き方を解説
給与所得者の扶養控除等(異動)申告書は所得税の控除申告に必要な書類です。会社で働いている方、工場に勤務している方など、給与を受けている方は基本的に提出する必要があります。

個人事業主の方でも、従業員を雇用した場合には、従業員の方に給与所得者の扶養控除等(異動)申告書を配布して提出してもらうケースがあります。扶養控除等(異動)申告書について知っておくと、年末調整や給与計算の際に便利です。

そこで本記事では、給与所得者の扶養控除等(異動)申告書の基本的な内容や提出を求めるタイミング、書き方などを解説します。

給与所得者の扶養控除等(異動)申告書は扶養控除などを受けるための書類

「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」とは、給与をもらっている方が扶養控除などの控除を受けるために必要な書類です。

給与所得に対する所得税では、扶養控除や配偶者控除、障害者控除や寡婦控除などのさまざまな控除が設けられています。

扶養控除等(異動)申告書を提出して控除が認められると、源泉徴収される所得税額が軽減されます。

対象者

扶養控除等(異動)申告書の提出が必要な方は、給与所得を受けている方です。会社や工場などに勤めていて、給与を受けている方は扶養控除等(異動)申告書の提出が必要となります。

個人事業主の方の場合、収入は基本的に事業所得となることが多いので、一般的に扶養控除等(異動)申告書の対象とはなりません。

ただし、従業員を雇用している場合は、その従業員の給与計算や年末調整のために扶養控除等(異動)申告書が必要となります。

扶養控除等(異動)申告書のタイミング

従業員の方に扶養控除等(異動)申告書の提出を求めるのは、主に下記の3つのタイミングです。

● 従業員を雇用したとき
● 内容に異動があったとき
● 年末調整のとき

従業員を新しく雇用した場合は、扶養控除等(異動)申告書を配布して提出してもらいましょう。提出期限は法律で「最初の給与支払日の前日まで」となっていますが、最初の給与に控除を反映する場合には給与計算の前までに提出してもらいます。

そのほか、内容に異動があったとき(従業員の方が結婚して扶養者ができた場合など)、年末調整のときも、扶養控除等(異動)申告書を提出してもらうタイミングです。

なお、年末調整の場合は当年分と翌年分の2枚を提出してもらいます。

当年分は年末調整の計算前までに提出してもらい、年末調整の資料に利用します。翌年分は翌年の給与計算に利用するため、翌年最初の給与計算までに回収してください。

給与所得者の扶養控除等(異動)申告書の書き方

扶養控除等(異動)申告書(※)には、給与を受ける方の基本情報や扶養控除などの情報を記載します。

以下、項目ごとに扶養控除等(異動)申告書の書き方を説明します。

1.氏名や住所などの基本情報

扶養控除等(異動)申告書の一番上の欄は、氏名や住所などの基本情報を記入する部分です。

左側は給与支払者などの基本情報を記入する部分なので、個人事業主の方が記入しましょう。記入する内容は下記のとおりです。

● 所轄税務署長など
● 給与支払者の名称
● 給与支払者の法人(個人)番号
● 給与支払者の住所

右側は従業員の方の基本情報のため、従業員の方に記入してもらいましょう。主な内容は下記となっています。

● 従業員の氏名
● 従業員のマイナンバー(原則記入、省略可)
● 従業員の住所
● 従業員の生年月日
● 世帯主の氏名(住民票に記載されているもの)
● 続柄(世帯主との関係を記入)
● 配偶者の有無
● 従たる給与についての扶養控除等申告書の提出(2ヵ所以上で給与を受けている場合など)

なお、従業員の方のマイナンバーは原則記入することとなっていますが、給与支払者が一定の要件を満たしている場合、省略が可能なケースがあります。

以降、従業員の方に記入してもらう項目となります。

2.源泉控除対象配偶者の情報

「源泉控除対象配偶者」の欄では、扶養控除の対象となる配偶者の情報を記入します。源泉控除対象配偶者として記入できる配偶者の方は、下記のような方です。

● 給与所得者と生計を一にする配偶者であること
● 給与所得者の合計所得金額の見積額が900万円以下であること
● 配偶者の所得見積額が95万円以下(給与所得のみの場合は収入金額が150万円以下)であること
● 配偶者が青色事業専従者として給与を受ける方または白色事業専従者でないこと

配偶者の方が上記の条件を満たすときは、配偶者の氏名、マイナンバー(原則記入、省略可)、生年月日、所得の見積額、非居住者の確認などを記入してください。

なお、従業員の方が配偶者と一緒に住んでいない場合は「非居住者である親族」の欄に〇を記入し、親族関係書類などの書類を添付します。

3.控除対象扶養親族の情報

「控除対象扶養親族」では、控除対象となる扶養親族の情報を記入します。扶養親族とは、生計を一にする親族のうち、配偶者や青色事業専従者として給与を受ける方・白色事業専従者を除く方で、合計所得金額の見積額が48万円以下の方のことです。

控除対象となるのは、上記の扶養親族のなかで下記の条件を満たす方となります。一緒に住んでいるか(居住者)、住んでいないか(非居住者)で条件が違う点には注意しましょう。

居住者 16歳以上の扶養親族の方
非居住者 ・16歳以上30歳未満の扶養親族の方
・70歳以上の扶養親族の方
・30歳以上70歳未満のうち、「留学している」「障害がある」「生活費など38万円以上受けている」のいずれかに該当する方

扶養親族の方が上記の条件を満たす場合には、扶養親族の氏名、マイナンバー(原則記入、省略可)、生年月日、扶養親族の種類、所得の見積額、非居住者の確認などを記入してください。

4.障害者や寡婦、ひとり親や勤労学生の情報

扶養控除等(異動)申告書では、扶養控除以外に障害者控除や寡婦控除、ひとり親控除や勤労学生控除の申告が可能です。従業員の方またはその配偶者の方や扶養親族の方が各控除に該当する場合には、この欄を記入します。

障害者控除

従業員本人、同一生計配偶者、扶養親族のなかで、「一般の障害者」「特別障害者」「同居特別障害者」に該当する方がいる場合は、当てはまる箇所にチェックを記入しましょう。

なお、控除対象扶養親族では対象となる親族は16歳以上となっていましたが、障害者控除の場合は16歳未満の扶養親族の方でも控除が受けられます。

寡婦控除

寡婦控除とは、夫と離婚したり、死別したりした方に適用される控除です。寡婦控除の要件には下記のようなものがあります。なお、「夫」とは、民法上の婚姻関係にある人をいいます。

● 従業員の方の所得の見積額が500万円以下
● 後述の「ひとり親」に該当しない
● 夫と離婚後に結婚しておらず、扶養親族がいる
● 夫と死別後に結婚していない、または夫の生死が明らかでない

寡婦控除に該当する場合は、扶養控除等(異動)申告書の寡婦の項目にチェックを入れてください。

ひとり親控除

ひとり親控除は2020年分の所得税から適用されている控除です。ひとり親控除は、結婚していないまたは配偶者の生死が明らかでない方のうち、下記の要件をすべて満たす方になります。

● 合計所得金額が500万円以下
● 事実上の婚姻関係にある人がいない
● 生計を一にする子ども(所得金額48万円以下)がいる

ひとり親控除に性別の要件はないため、男性であっても女性であっても、上記の要件を満たす方はひとり親控除の対象となります。

勤労学生控除

勤労学生控除は働きながら学業をしている方を支援する控除です。従業員の方で、下記のような要件を満たす方は勤労学生控除を受けられます。

● 所得の見積額が75万円以下
● 給与所得以外の所得が10万円以下
● 大学や高校、一定の要件を満たす専修学校の学生、職業訓練の訓練生など
● 勤労による所得がある

上記の要件に該当する場合は、勤労学生の欄にチェックをいれましょう。

5.他の所得者が控除を受ける扶養親族等の情報

「他の所得者が控除を受ける扶養親族等」の欄は、共働きの世帯など、同じ世帯に複数の所得者がいる場合に記入する欄です。

扶養控除の申告は、重複しない限りどなたの扶養親族として申告しても問題ありません。ただし、どのように申告しているかは明らかにしなければならない(重複を防ぐ)ので、扶養親族を分ける場合にはその旨を記載する必要があります。

6.住民税に関する事項

扶養控除等(異動)申告書は所得税の申告をするための書類ですが、住民税の扶養控除などの申告も兼ねています。

住民税に関する事項の欄では、16歳未満の扶養親族や控除対象外国外扶養親族など、所得税の扶養控除の対象とはならないけれども、住民税の計算には反映される事項を記入します。

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ここまで、従業員の方の給与計算や年末調整に必要な「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」を解説しました。個人事業主の方が事業を進めていく上では、従業員の方の給与計算や年末調整をはじめ、さまざまな業務が発生します。

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まとめ

給与所得者の扶養控除等(異動)申告書は、給与を受けている方が所得税の控除を受けるときに必要な書類です。

個人事業主の方の場合も、従業員を雇用した場合の給与計算や年末調整のときに必要となります。控除が認められれば源泉徴収される税額が軽減できるため、適切に処理しましょう。

給与所得者の扶養控除等(異動)申告書を記入する際は、控除の適用となるか否かの見極めが大切です。今回ご紹介した書き方をぜひ参考にしてください。

なお、給与計算や年末調整をはじめ、事業を進めていく上では多くの業務が発生します。セゾンのビジネスカードは業務の効率化や経費削減に役立つ機能や特典が付帯しています。この機会に利用を検討してみてはいかがでしょうか。