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法人税申告書とは?別表の種類や作成手順まで解説
法人が法人税の申告を行う際には法人税申告書を作成しなければなりませんが、法人税申告書は内容や構造が非常に複雑で、作成に手間がかかります。
また、法人税申告書は別表と呼ばれる数多くの書類で構成されていますが、別表の中には必ず提出しなければならないものもあれば、会社によっては提出しなくてよいものもあります。
今回は、法人税申告書および法人税申告書の別表とは何かや、法人税申告書の作成手順などについて説明します。
法人税申告書とは法人税の税額計算を行うための書類
法人は所得に応じて法人税という税金を支払わなければなりませんが、その金額に関しては税務署から通知が来るわけではなく、法人自ら計算を行わなければなりません。
会計上の利益をもとにして課税所得を算出して法人税の税額計算を行うための書類が、法人税申告書です。法人税申告書において、1年間の利益に対して企業が支払う法人税の計算を行います。
法人税申告書は本店所在地の税務署に提出しますが、法人税申告書とともに提出が必要な書類としては、決算報告書・科目明細書・事業概況書・適用額明細書などがあります。
そもそも法人税とは?
法人税は、法人が事業によって得た各年度の所得に対して課される税金です。各事業年度・各連結事業年度の所得や退職年金等積立金などへ法人税が課せられます。
税金の種類としては、課税義務が発生する対象と税金を納める対象が同一の「直接税」に該当します。
課税対象としては株式会社、合同会社、協同組合、公益法人、公共法人などが挙げられます。法人税の金額については、法人の経営成績や規模によって異なります。
法人税申告書の書類は「別表」と呼ばれている
法人税申告書は数多くの別表で構成されており、それぞれの別表は違った役割を持っています。
別表としては、法人税額を申告する別表1から別表19まであり、付表を合わせると100種類以上になります。
法人税額の申告書(別表1)に記載される法人税額が正しく計算できているか説明するために、別表2以降の書類や付表などが必要となります。
なお、別表の中には必ず提出しなければならない重要なものもあれば、会社によっては提出しなくてよいものもあります。
必ず提出しなければならないのは別表1、別表2、別表4、別表5(1)、別表5(2)であり、これらの書類は法人税の申告において中心的な役割を果たす書類です。
これ以外の別表は、当該別表に記載すべき項目が決算書に登場する場合や、何かしらの税法上の規定を適用する場合などに用いられます。
主な別表の種類
特に重要な別表を抜粋すると以下の通りです。提出しなくてはいけない別表については、企業の決算の内容によって異なります。
別表名 | 内容 |
---|---|
別表一 | 各事業年度の所得に係る申告書 |
別表二 | 同族会社等の判定に関する明細書 |
別表三(1) | 特定同族会社の留保金額に対する税額の計算に関する明細書 |
別表四 | 所得の金額の計算に関する明細書 |
別表五(1) | 利益積立金額及び資本金等の額の計算に関する明細書 |
別表六(1) | 所得税額の控除に関する明細書 |
別表七(1) | 欠損金又は災害損失金の損金算入等に関する明細書 |
法人税申告書の作成手順
法人税申告書の作成方法は非常に複雑なので、きちんとした手順を把握しておくことが重要です。
法人税申告書の大まかな流れを、以下で説明します。
①最初に別表6以降の表を完成させる
最初に、減価償却費・交際費・繰延資産などの個別の事項に関する計算書である、別表6以降の文書を作成します(別表に関しては後述します)。
この工程は、それぞれの事項に関して会計上の損益と税務上の損益との金額との差に関する情報や、税務上の特例に関する情報を整理するために行われます。
②別表4に情報をまとめる
①で作成した別表6以降の表の内容は、非常に多岐に亘ります。
そこで、会計上の損益と税務上の損益について調整を行った内容について書く書類である別表4に、別表6以降の表の内容を集約します。
③別表7への記載を行う
続いて、過去や現在の損失の処理を行うために別表7の記載を行います。
まず、過去に発生していた損失を当期利益と相殺する場合に記載を行いますが、当期以前に発生した損失について青色申告の適用を受けているか災害損失である場合は、それを翌期に繰り越して将来の利益との相殺を行う旨を記載します。
また、別表7で過去の欠損金と当期の利益とを相殺した場合は、上述した別表4において調整する必要があることには注意しておきましょう。
④別表5(1)への記載を行う
別表5(1)は、別表4に記載された会計と税務の内容の違いとして調整されたもののうち、将来解消されるものについて記載する書類なので、該当する内容のものがあれば別表5(1)に記載を行います。
⑤別表1への記載を行い法人税額などを確定する
これまでの内容を踏まえて別表1への記載を行い、法人税などの金額を計算して確定させます。
法人税の金額を算出したあとは、法人住民税や事業税などの地方税についても計算して税額を確定させ、申告書を作成する必要があります。
⑥別表5(1)、別表5(2)に税額を記載する
別表5(1)、別表5(2)に税金を記載する欄があるので、これまでの工程を経て確定された税額を記載します。
なお①~⑥のフローとは別に、株式会社の株主の構成を記載して、会社が株主の一人とその親族からなっているかどうか(同族会社であるかどうか)について判断する別表2を作成する必要があります。
法人税申告書の提出期限
法人税申告書の提出期限は決算日の翌日から2ヵ月以内となっており、3月決算なら5月末日、9月決算なら11月末日までに申告書を提出して税金を納付しなければなりません。
なお、申告期限の延長を申請している場合は、提出期限は決算月から3ヵ月以内となります。
法人税申告書の作成準備には経費精算サービスがあると便利
法人税申告書の構造は非常に複雑であり、税額を算出するためにはさまざまなことを加味して計算を行う必要があります。なかでも重要なのが、経費の計算です。
法人税申告書の作成に必要な複雑な計算を行うのはなかなか骨が折れますが、経費管理を少しでも楽にしたいときに役立つのがクラウド型経費精算サービスです。
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経費精算サービスを利用して法人税申告書作成の手間を減らそう!
法人税申告書は構造・内容が非常に複雑であり、会社によって提出が必要な別表の種類が異なるので、正確に作成するためには手間と時間がかかります。
クラウド型経費精算サービスを利用することで法人税申告書作成に必要な経費管理の手間を減らすことができるので、クラウド型経費精算サービスを積極的に利用するとよいでしょう。
セゾンが発行するセゾンプラチナ・ビジネス・アメリカン・エキスプレス(R)・カードを所有していれば、クラウド型経費精算サービスである「Staple」の優待が利用できます。
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この記事を監修した人
【保有資格】
CFP、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、公認会計士、税理士