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個人事業主から法人化するタイミングは?メリット・デメリットも徹底解説
個人事業主と法人では課せられる税金の種類も違い、どのタイミングで法人化するのが得になるのかわかりにくい部分もあります。
この記事では、個人事業主が法人化するタイミングと法人化するメリット・デメリットを詳しく解説します。
また、法人化する際におすすめのビジネスカードも紹介するので、ぜひ参考にしてください。
個人事業主と法人の違い
個人事業主と法人の違いは課される税負担の種類が違う部分です。個人事業主には「所得税」がかけられて、法人には「法人税」がかけられることになります。
また、手続きの手間も異なります。個人事業主は法人と異なり、会社の登記をする必要がありません。また、登記をする必要もないので、手続きのためのお金も支払う必要もないです。
しかし、法人の場合は会社の設立登記をしなければいけません。法人には株式会社か合同会社かどちらかを選択することになります。
設立時の費用は合同会社が低く信用力は株式会社が高い、などそれぞれの特長があります。将来の事業計画を踏まえて選択しましょう。
個人事業主が法人化するタイミング
一般的に個人事業主が法人化するタイミングは、所得が800万円~900万円になったときが良いといわれています。
個人事業主の所得税率は、5%~45%の7段階に区分されており、所得が増えるほど税率があがる仕組みです。
例えば、所得が695万円~900万円未満の場合、税率は23%となりますが、所得が900万円を超えると税率は33%に上がります。
一方で、普通法人の法人税率は、利益が800万円以下の場合は15%、800万円を超える部分は23.20%に設定されています。
売上・利益から考えるのであれば、所得が800万円~900万円になったときであれば、損益分岐点に近いタイミングで、法人化がしやすいです。
ただし、法人化の判断をする場合は税理士などの専門家に相談することをおすすめします。
個人事業主が法人化することの6つのメリット
個人事業主が法人化することのメリットは主に6つあります。
・一定以上の所得があると税負担が軽くなる
・取引先や金融機関からの信用が高くなる
・法人の経費負担で退職金の準備ができる
・社会保険に加入できる
・決算期を都合に合わせて決定できる
・赤字の場合10年間繰り越しができる
以上の、個人事業主では得られない法人化のメリットを詳しく解説していきます。
①一定以上の所得があると税負担が軽くなる
法人化すると、一定以上の所得がある個人事業主よりも税負担が軽くなるのがメリットの1つです。個人事業主と法人では課せられる税負担の種類が違います。
上述したように、個人事業主には所得税、法人には法人税が課せられます。所得税は累進課税制度が適用されているため、所得が増えれば増えるほど税の負担割合が増加していきます。加えて個人事業税がかかる場合はそれも考慮が必要です。
その点で、法人税には累進課税制度は適用されていないため、税率はほぼ一定になります。そのため、所得が一定以上になった場合は、法人に課せられる法人税の方が税負担が軽くなります。
個人事業主に課せられる所得税
個人事業主に課せられる所得税は、「所得(売上-経費—控除)」に応じて課せられます。所得税は累進課税制度を採用しているため、所得が多くなれば税率が上がり支払う金額が高くなってしまいます。年間所得と対応する所得税は以下のとおりです。
課税される所得金額 | 税率 |
---|---|
195万円以下 | 5% |
195万円を超え 330万円以下 | 10% |
330万円を超え 695万円以下 | 20% |
695万円を超え 900万円以下 | 23% |
900万円を超え 1,800万円以下 | 33% |
1,800万円超 | 40% |
例えば、所得が700万円の人は、「700万円×0.23(所得税率)-63.6万円(控除額)=97.4万円(所得税額)」となります。
法人に課せられる法人税
法人に課せられるのは法人税になります。所得税とは異なり、所得が高くなっても課せられる税率はほとんど変わりません。
課税される所得金額 | 法人税率 |
---|---|
800万円以下 | 15% |
800万円超 | 23.20% |
例えば、所得が800万円の方は、「600万円×15%=90万円(法人税)」となります。800万円を超えている法人の場合は所得に23.2%(法人税率)がかけられます。
ちなみに法人税はクレジットカードで支払いが可能です。法人税をクレジットカードで支払うことでカードのポイントも貯まるので、これから法人化する方は、事業用のクレジットカードを検討してみましょう。
(※)一部還元率の異なるサービスおよび加盟店がございます。
②取引先や金融機関からの信用が高くなる
法人であれば、取引先や金融機関からの信用が高くなるメリットがあります。信用度が高ければ、事業用の交渉が事業者に有利になり、売り上げ増に寄与することになります。
また、事業の発展のための資金を金融機関から融通してもらう際に、個人事業主よりも有利です。そのため、法人化して信用度を上げることは、事業の発展につながります。
③法人の経費負担で退職金の準備ができる
法人化すると、経費負担で退職金の準備ができるのもメリットの1つです。退職金は節税効果とともに、社員募集などにも効果が見込めます。
また、個人に対しては法人の経費負担として、社長は会社から給料をもらっているという手続きになります。
そのため、この点においても節税の効果があるのです。法人化は経費負担として退職金の準備ができて節税をすることができるメリットがあります。
一方で、社長個人の給料にも所得税・住民税はかかります。法人と個人のトータルで考えることも必要です。
④社会保険に加入できる
法人化のメリットは社会保険に加入することも挙げられます。社会保険は個人事業主の時に支払っていた国民健康保険よりも高額です。
しかし、社会保険に含まれる厚生年金は、国民年金に比べて老後に受け取れる金額が高くなるので老後の備えが手厚いです。
また、社会保険に加入できる福利厚生があれば、社会保険に加入したい優秀な人材が多く集まることが期待されます。多くの優秀な人材を抱えることで、会社の発展に大きく寄与することになります。
⑤決算期を都合に合わせて決定できる
法人化すると決算期を会社の都合に合わせて決定できるのもメリットです。個人事業主は12月31日が締め日であり、納税は3月15日までに行わなければいけません。
しかし、法人の場合は事業の繁忙期を避けて決算期を設定できるので、事務手続きが本業の妨げになることはありません。
納税のタイミングが繁忙期と重なる事業の場合は、決算期を自由に設定できるメリットが大きいです。
⑥赤字の場合10年間繰り越しができる
事業によって所得がマイナスになり欠損金が生じた場合は、翌期以降も繰り越しが可能であり、最大で10年間繰り越しすることができます。
ただし、平成30年4月1日以前に発生した欠損金の繰り越し期間は最大で9年です。
欠損金を申告することで、翌期から特定の期間までに発生した利益にかかる税金を軽減できるのは法人特有のメリットです。
個人事業主が法人化することのデメリット
一方で、個人事業主が法人化することのデメリットは3つあります。
・会社設立時に費用がかかる
・社会保険に加入する必要がある
・法人税申告書を作成する必要がある
それぞれ詳しく解説します。
会社設立時に費用がかかる
個人事業主が法人化するにあたり、株式会社を設立する際にはさまざまな費用がかかります。
設立にかかる登録免許税は15万円、専門家に手続きを依頼する場合は、さらに5万円ほどの報酬等が必要になります。
ただし、資本金は1円からでも設立可能であるため、事業を進める上で不便のない金額に自由に設定することが可能です。
一方で、資本金の額を必要以上に大きくしてしまうと税金面で不利になることもあるので、適切な額に設定することが重要になります。
会社設立時は出費が多くなることを想定し、ビジネスカードを発行しておくと便利です。ビジネスカードで税金や事業に必要なものを購入すれば、その分カードのポイントが貯まります。貯めたポイントは支払いに充当できたり、必要な商品と交換ができたりします。
セゾンのビジネスカードは、ポイントの有効期限がない「永久不滅ポイント」が貯まり、ビジネスに役立つ特典も多く付帯しています。
社会保険に加入する必要がある
個人事業主の場合、雇用する従業員が5名以下であれば、社会保険への加入は任意となっています。
ただし、法人化した場合は、従業員の雇用人数、雇用の有無を問わず社会保険への加入が義務付けられているので注意が必要です。
従業員の健康保険料と厚生年金保険料は、会社と従業員が折半して支払う必要があるため、保険料の支払いにおいて個人事業主よりもコストがかかります。
また、法人化することで社会保険だけではなく、従業員を増やした際、経費管理などに手間がかかることが多くなります。
その場合、会計ソフトの導入を検討してみると良いでしょう。セゾンが発行するビジネスカードであれば、会計ソフトがお得に利用できるほか、従業員にも発行できる追加カードが発行でき、たいへん便利です。
法人税申告書を作成する必要がある
法人税申告書とは、年間の利益に対して支払う法人税を計算するための書類のことです。
法人化すると、法人税申告書を作成するために会社の決算を組む必要があり、個人事業主よりも事務作業の量が増加します。
法人税報告書を税理士に依頼して作成する場合は費用がかかります。
コストをかけないために事務作業の量が増加して本業に集中できなくなるのは本末転倒であるため、法人化で発生する手間や、コストなども考えて検討するのが良いでしょう。
法人化を検討しているならビジネスカードも検討しよう
自分自身で法人化して、事業を展開していくのであれば、ビジネスカードを持っていると事業の助けになります。個人事業主や法人にはセゾンのビジネスカードがおすすめです。
ビジネスカードを使用した場合の経費などは、すべてコンピュータで管理しているので、領収書を集めるなどの余計な手間や時間がかかりません。
また、特別優待として、ビジネスの助けになるサービスを利用することも可能です。ここからは、セゾンのおすすめのビジネス用クレジットカードを紹介していきます。
セゾンコバルト・ビジネス・アメリカン・エキスプレス(R)・カード
セゾンコバルト・ビジネス・アメリカン・エキスプレス(R)・カードも、個人事業主やフリーランスの方向けに用意されているカードで、年会費は無料です。さらに会員様限定のサービスがついています。
引き落とし口座は法人口座に設定可能であり、経費や、法人税の支払いをする場合は、審査結果に応じて一時的にご利用限度額を増額することもできるので、法人化により生じる高額な支払いにも対応できます。
会計や給与の計算を効率化できる、会計・給与のクラウドサービス「かんたんクラウド(MJS)」を2ヵ月無料で試すことが可能です。
そのため、事業を行うなかで手間と時間がかかってしまう事務処理の工数を大幅に減らすことができます。
また、自社のホームページ作成のためのエックスサーバーを特別優待価格で利用可能です。セゾンコバルト・ビジネス・アメリカン・エキスプレス(R)・カードを利用すれば、業務の効率化や経費の削減にもつながります。
セゾンプラチナ・ビジネス・アメリカン・エキスプレス(R)・カード
セゾンプラチナ・ビジネス・アメリカン・エキスプレス(R)・カードは、個人事業主や経営者の方向けに特化したカードで、年会費は22,000円(税込)です。
引き落とし口座を法人化によって開設した法人口座(代表者名併記のもの)にできるので、プライベートの出費と事業で生じた出費の仕分けが不要になり、事業で必要となった仕入れや広告費などの経費をまとめて決済することが可能です。
社員用の追加カードも利用すれば、面倒な経費の処理も一本化することができて効率化します。
さらに、クラウド型経費精算サービスも利用できるようになるので、手間や時間がかかっていた経費管理も効率的にできるようになります。
仕事で必要な経費のお支払いをする際は優待プログラム「ビジネス・アドバンテージ」により、レンタカー、宅配サービスなどを優待価格で利用可能です。
また、事業にはトラブルがつきものですが、第一東京弁護士会を通じて弁護士を紹介するサービスもついているので安心です。ビジネスカードでも永久不滅ポイントは貯めることが可能なので、経費の削減にもつながります。
ショッピングなどで獲得したポイントを自動でJALのマイルに交換される「SAISON MILE CLUB」への加入もできます。
(※)一部還元率の異なるサービスおよび加盟店がございます。
まとめ
個人事業主から法人化を検討する損益分岐点の目安は、所得が700万円から800万円を超えたタイミングとなります。
法人化をすれば、「税負担を抑えられる」、「取引先や金融機関からの信用が高くなる」、「経費負担で退職金が用意できる」、「社会保険への加入」、「決算期を決められる」、「長期間に渡って赤字を繰り越しできる」など多くのメリットがあります。
ただし、法人化すると納税などの事務手続きや経費管理が複雑で手間がかかってしまいます。セゾンのビジネスカードを利用することで、業務の効率化を計れて経費の削減にもつながります。
セゾンのビジネスカードのなかでも、年会費無料で利用できる「セゾンコバルト・ビジネス・アメリカン・エキスプレス(R)・カード」と、ビジネスに役立つ付帯特典やサービスが充実している「セゾンプラチナ・ビジネス・アメリカン・エキスプレス(R)・カード」がおすすめです。
セゾンのビジネスカードを利用して業務の負担を減らしましょう。
この記事を監修した人
【保有資格】
CFP、宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、住宅ローンアドバイザー