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法人カードは会社設立1年未満や個人事業主でも作れる?審査基準や発行までの目安、おすすめカードを紹介
法人カードを持つことができれば、経費管理が楽になったり、キャッシュフローにゆとりが生まれたりと、いくつもメリットがあります。
会社設立直後に、あるいは、個人事業主が法人カードを発行しようと考えると審査通過が難しくなることも多いですが、選ぶ法人カードによっては設立直後の発行も十分に可能です。カードの選定と事前の準備が重要となります。
本記事では、会社設立1年未満の方や個人事業主が法人カードを作るためのポイントを紹介していきます。
会社設立1年未満の会社や個人事業主でも法人カードは発行可能
会社設立1年未満のケースや個人事業主であっても、各クレジットカード会社の基準を満たせば法人カードを作る際の審査に通過できます。
法人カードの審査では、貸し倒れがないように各社で独自の基準で審査を行っています。審査基準は各社で異なりますが、多くの場合、設立年数や決算状況などが審査の対象です。そのため、クレジットカード会社によっては会社設立から1年未満の場合には審査の通過が難しくなる場合があります。
ただし、最近では設立直後の法人でも発行できる法人カードも増えています。そうしたカードを選べば1年未満でもカードを発行できる可能性は十分にあります。
なお、クレディセゾンが発行するビジネスカードの場合、代表者個人の信用情報に基づいて審査が行われるため、申し込みの際に決算書や法人の登記簿を提出する必要はありません。
設立年数や決算状況などが審査対象の法人カードに比べ、クレディセゾンのビジネスカードは会社設立1年未満の会社や個人事業主でも、比較的作りやすいクレジットカードと言えます。
法人カードの審査から発行までの時間の目安
法人カードの審査には時間がかかる可能性も高く、審査から法人カードの申し込みから審査を経て、実際に発行されるまでの日数は不明確です。
一般的には2〜3週間かかるといわれていますが、2週間以内に発行される場合もあれば、1ヵ月以上かかる場合もあります。
具体的な例を挙げると、クレディセゾンのビジネスカードは審査完了から3〜10日程度で発送されます。
すぐに法人カードを作りたくても、クレジットカード会社によっては発行されるまでに多くの時間がかかってしまう可能性があることを理解しておきましょう。
法人カードの審査基準
法人カードの審査基準はクレジットカード会社によって異なりますが、ほとんどのクレジットカード会社で、具体的な審査基準は公開されていません。
個人のクレジットカードの審査と比較すると、事業の持続性を中心とした総合的な法人に対する評価が審査で確認され、重視される傾向にあります。
クレジットカード会社によって審査基準も異なり、法人の事業内容によっても審査結果は変わるため、必ずしも特定の法人に対して、法人カードの審査に通過できるかどうかを判断するのは難しいです。
法人カードの審査前に解決しておくと良いこと
一方で、少しでも審査に通過する確率を高めるために、審査でマイナスになることを抱えている場合は、事前に解決しておくと良いでしょう。
法人カードの審査でマイナスになる項目には、代表者の信用不足が挙げられ、借入金の支払いなどが滞っている場合、審査に影響が出る可能性があります。
返済できる借入金がある場合は、支払いをして少しでも信用不足を解消してから申し込みすることで、審査に対する懸念点を減らせます。
会社設立1年未満の会社で法人カードを作るメリット
会社設立1年未満の会社で法人カードを作ると、主に次のメリットがあります。
● 経費の管理工数を削減できる
● 経費のミスや漏れを防止できる
● 計画的に資金運用できる
● 個人カードと同じくポイントを貯められる
法人カードで経費を支払うと、利用履歴をそのまま経費の記録として利用できるため、経費管理にかける工数が減り、経理業務の効率化につながります。
人の手で記録を取るとヒューマンエラーが発生する可能性がありますが、法人カードを利用すれば自動的に履歴が記録されるため、経費のミスや漏れの防止にも役立ちます。
クレジットカード会社によって異なるものの、一般的な法人カードの支払いサイクルは締め日のおよそ2ヵ月後となるため、計画的な資金運用が可能になる点もメリットです。
一方、先述のとおり、クレジットカード会社の審査に通過できないと法人カードを作ることはできません。次項で審査を通過するための準備について解説するので、必ず確認しておきましょう。
設立1年未満で法人カードの審査基準を満たすためにするべき準備
設立1年未満で法人カードの審査基準を満たすためにするべき準備としては、主に以下の3つです。
1. 法人口座を事前に準備
2. 6ヵ月以内に発行された登記簿謄本 or 印鑑証明書の取得
3. 代表者の本人確認書類のコピー
法人カードでは引き落とし口座として、基本的に法人口座が必要です。口座開設には長くて1ヵ月程度かかることもあるので早めに準備を進めておきましょう。
申し込みの際の書類としては「登記簿謄本(または印鑑証明書)」と「代表者の本人確認書類のコピー」の2点が必要です。それぞれ確認していきましょう。
法人口座を事前に準備
法人カードは基本的には法人口座からの引き落としになります。カード発行の申し込みの前に口座の準備が必要です。
法人口座の開設は、一般的には次の持ち物が必要となります。
● 履歴事項全部証明書(発行から6ヵ月以内)
● 法人印鑑証明書)発行から6ヵ月以内)
● 本人確認書類(手続きを行う担当者)
上記に加え、そのほかの必要書類が追加される場合もあります。
法人口座は、個人口座に比べると開設に時間がかかります。法人カードを発行する予定がある方は早めに手続きを進めておきましょう。
個人事業主の場合も、事業用のお金とプライベート用のお金を区別しやすくするために、「屋号」または「屋号+本名」が名義となっているビジネス用口座の開設をおすすめします。
なお、セゾンカードの場合は、法人口座(または屋号での口座)を引き落とし口座に指定する場合には、「法人名(または屋号)+本人様名義」の口座のみ設定可能です。法人名(あるいは屋号)のみの名義の口座は利用できないのでご注意ください。
6ヵ月以内に発行された登記簿謄本 or 印鑑証明書の取得
申し込みの際には登記簿謄本の提出が必要になります。ほとんどの場合「6ヵ月以内に発行されたもので、コピーでも可」となっています。
クレジットカードによっては代わりに印鑑証明書でも認められる場合があります。ただし印鑑証明書の場合には、定款や決算書もセットで必要になる場合があるので、基本的には登記簿謄本を提出しておくのが良いでしょう。
登記簿謄本は管轄の法務局またはオンラインでの申請にて1通600円で取得可能です。管轄の法務局については法務局のサイト(管轄のご案内)から確認できます。
代表者の本人確認書類のコピー
カード発行の際には、代表者の本人確認書類のコピーが必要となります。運転免許証やマイナンバーカード、住基カードなどの公的な証明書を用意しておきましょう。
本人確認書類としては、一般的に以下のものが利用できます。
代表者の本人確認書類として利用できるもの
● 運転免許証
● マイナンバーカード
● 在留カード
● 住民票の写し
● 健康保険証+住所確認ができる補助書類
ちなみにセゾンカードの場合には、カード発行後の引き渡しの際に本人確認書類の提示が必要です。
オンライン申し込みの場合には、運転免許証、マイナンバーカードなど、写真付き公的証明書1点(申し込み時に入力した住所・氏名および生年月日の記載があるもの)が利用可能です。
詳しくはセゾンカード公式サイト(オンライン·郵送によるクレジットカードなどお申し込み時の本人確認書類について)から確認できます。
起業·開業直後の法人カード申し込みの手順
起業・開業直後の法人カード申し込みの大きな流れについてご紹介します。
設立直後でも申し込みできる法人カードを探す
まずは、設立直後でも申し込みできる法人カードを探してみましょう。ポイントとして以下の2点が挙げられます。
● 申し込み基準に開業年数に関する記載がない
● 決算書などの提出が不要
申し込み基準に開業年数に関する記載がない場合、カードを発行できる可能性があります。候補にしている法人カードの申し込み基準の記載を確認してみましょう。
また「決算書の提出が不要」といった記載がある法人カードも、設立直後でも発行できる可能性があります。
会社の業績よりも代表者の個人信用情報が重視されるので、過去に金融事故などがなければカードを発行できる可能性は十分にあるでしょう。
公式サイトから申し込みを行う
発行する法人カードを決めたら、公式サイトから申し込み手続きを進めていきましょう。
申し込みの手順は法人カードごとに異なりますが、一般的な流れとしては以下のとおりです。
一般的な法人カードの申し込み手順
1. 公式サイトのオンラインフォームで必要事項を記入
2. 必要書類の提出(またはアップロード)
3. 申し込み内容の確認の電話を受ける
4. クレジットカード会社にて審査
5. カードが発行され自宅に届く
まず、公式サイトのオンラインフォームから申し込みを進めていきましょう。
基本的には10~15分程度で入力が完了できます。オンラインフォームでの手続きを完了すると申し込み内容の確認のための電話が入ります。電話確認のあと、審査に通過するとクレジットカード会社から法人カードが発送されます。
法人カードの審査に通らなかったときの対処法
法人カードの審査が通らなかったときに、改善できる問題点が思いつかない場合は、他社の法人カードに申し込んでみるのが良いでしょう。
ただし、同時に複数の法人カードに申し込みはしないようにしましょう。申し込みを受けたクレジットカード会社は信用情報機関を通して顧客の法人カードの申し込み状況を把握できます。
法人カードの同時申し込みは、複数の法人カードに同時に申し込みをしている事実から返済能力が不安視されてマイナス材料になる可能性があり、審査に通過できない確率が高くなってしまうかもしれません。
審査に通過するために、申し込み先を増やすのは逆効果になる場合もあるので気をつけましょう。
設立1年未満の会社や個人事業主におすすめのビジネスカード
設立1年未満の会社や個人事業主におすすめのビジネスカードは次の2種類です(※)。
● セゾンコバルト・ビジネス・アメリカン・エキスプレス(R)・カード
● セゾンプラチナ・ビジネス・アメリカン・エキスプレス(R)・カード
クレディセゾンのビジネスカードは、個人向けのクレジットカードと異なり、経費精算サービスやビジネス情報サービスの優待など、事業に役立つ特典が充実しているので、ぜひご活用ください。
また、ビジネスカードの発行に必要なものが少なく、引き落とし口座は法人口座でなくても問題ありません。
以下、各カードの特長を詳しく説明します。
(※)審査によりお申し込みの意に添えない場合がございます。
セゾンコバルト·ビジネス·アメリカン·エキスプレス(R)·カード
セゾンコバルト・ビジネス・アメリカン・エキスプレス(R)・カードの特長は以下の通りです。
● 年会費は無料
● 最大9名までの追加カードを無料で発行可能
● ビジネス向けの特定サービスの支払いで永久不滅ポイントが4倍
● 利用者限定特典でレンタルサーバーや会計ソフトの優待サービス、融資サービスを利用できる
● 登記簿謄本や決算書不要で申し込み可能
セゾンコバルト・ビジネス・アメリカン・エキスプレス(R)・カードは年会費無料で利用できるビジネスカードです。「コストをかけずに法人カードを保有したい」とお考えの方におすすめします。
申し込みの際には決算書や登記簿謄本、印鑑証明書は不要です。また、追加カードは9枚、ETCカードはカード毎に5枚まで年会費が無料で発行できます。
さらに、セゾンカードではクレジットカードを利用すると有効期限のない「永久不滅ポイント」が貯まります。ポイントは「マイルへの交換」や「支払いへの充当」など、さまざまな使い道があります。
税金の支払いでもポイントが貯められるので、法人の経費・税金の支払いにセゾンカードはおすすめです。
>>詳細はこちら
セゾンプラチナ・ビジネス・アメリカン・エキスプレス(R)・カード
セゾンプラチナ・ビジネス・アメリカン・エキスプレス(R)・カードの特長は以下の通りです。
● 年会費は初年度無料、翌年度以降22,000円(税込)
● 追加カードは最大9枚まで発行可能(1枚につき年会費3,300円(税込))
● SAISON MILE CLUB(セゾンマイルクラブ)の登録でJALのマイル最大1.125%還元(※1)
● クレジットカードの利用限度額を高額に設定できる可能性がある
● プラチナカードならではの「コンシェルジュ・サービス」や「旅行傷害保険(※2)」なども利用可能
セゾンプラチナ・ビジネス・アメリカン・エキスプレス(R)・カードの年会費は初年度無料、2年目以降は22,000円(税込)で利用できます。
国内ショッピングでは1,000円(税込)につき1ポイント、海外ショッピングでは1,000円(税込)につき2ポイント(※)の永久不滅ポイントが貯まりますので、事業で使う物品・サービスの購入や、出張の際の交通費・宿泊費などの支払いをカードで行いましょう。
海外出張に役立つ145以上の国や地域、600以上の都市で1,600ヵ所以上の空港ラウンジを利用できるプライオリティパス(通常年会費469ドル/プレステージ会員)に無料登録可能です。
(※1)SAISON MILE CLUB(セゾンマイルクラブ)へご入会いただいている方は、本サービスの対象外となります。一部還元率の異なるサービスおよび加盟店がございます。
(※2)航空券代や宿泊費などの支払いに本カードを利用した場合に適用されます。
>>詳細はこちら
よくある質問
以下、よくある質問、および、それに対する回答を3つご紹介します。
Q1 法人カードの年会費は経費として計上できる?
法人カードの年会費は、経費として計上可能です。
仕訳をする際には一般的に「支払手数料」や「諸会費」といった勘定科目が用いられることを覚えておきましょう。
Q2 法人カードのデメリットは?
法人カードには「経費管理がラクになる」などのメリットがあります。ただし、「年会費がかかるケースが多い」「ポイント還元率が低い場合がある」といったデメリットもあることにご留意ください。
「個人的なショッピングでは一般向けクレジットカード」「事業の支払いでは法人カード」と使い分けることも検討しましょう。
Q3 法人カードに「キャッシング機能」はある?
一部の法人カードでは、キャッシングが可能です。
クレディセゾンから発行されている「セゾンコバルト・ビジネス・アメリカン・エキスプレス(R)・カード」および「セゾンプラチナ・ビジネス・アメリカン・エキスプレス(R)・カード」にはキャッシング機能が付帯しているので、ぜひご活用ください。
まとめ
設立1年未満の会社や個人事業主が法人カードを作るためのポイントなどを解説しました。
設立1年未満でも個人事業主でも、しっかりカードを選んで適切な準備を進めていけば、法人カードの発行は十分に可能です。法人カードがあると経費精算が楽になるだけでなく、ビジネスに有利になる優待を受けることができます。
おすすめの法人カードは、クレディセゾンから発行されている「セゾンコバルト・ビジネス・アメリカン・エキスプレス(R)・カード」および「セゾンプラチナ・ビジネス・アメリカン・エキスプレス(R)・カード」の2枚です。
それぞれに特長がありますので、年会費や優待特典を比較して、自社に適したカードをお選びください。