コスパよりタイパ！Z世代の最新トレンド「タイパ」を知ってる？

「タイパ」という言葉を知っていますか？コストパフォーマンスを略した「コスパ」に似ている言葉ですが、Z世代が行動するときに重視しているキーワードで、費やした時間に対する効果や満足度を指す言葉です。この記事では、Z世代でトレンドになっている「タイパ」の意味やメリット、生活の中にどのように取り入れるのかなど、さまざまな角度から「タイパ」を掘り下げていきます。

「タイパ」はタイムパフォーマンス（時間対効果）を表す略語です。「コスパ」がお金の有効活用について考えるコストパフォーマンス（費用対効果）を表すのに対し、時間の有効活用について考えることを意味しています。
Z世代から生まれたと言われるタイパですが、近年では世代を超えた共通のトレンドワードとなっています。

タイパはなぜ注目されるようになったのでしょうか。2022年4月に「映画を早送りで観る人たち」（稲田豊史／光文社新書）が出版されたことをきっかけに、タイパはトレンドワードとして注目されるようになりました。
Z世代など、若者たちの中では、映画やドラマを倍速視聴したり、重要なシーンのみを飛ばしながら見るという視聴方法が増えています。このような視聴方法について考察する中で、若者だけでなく現代人をとりまく生活環境や日本経済が、タイパ思想を後押ししているという結論が導き出されています。
昨今の世の中は、情報過多であると言われています。スマホ1つあれば、膨大な量の情報を集めることが可能です。すべての情報に均一に時間を割くことは非効率であり、たくさんの情報の中から、どのようにして自分に必要な情報を取捨選択するのか、それが倍速視聴という方法に表れているのではないでしょうか。倍速視聴することで、よりはやく必要な情報にたどり着きたい、判断したい、という考え方がタイパ思考につながっています。
時間の有効活用について考えるシチュエーションは仕事の時間だけに限りません。仕事に追われ、時間がない中でどのようにして効率的にお金を稼ぐのかだけでなく、どのようにして気分転換するのか、限られた時間をいかに有意義な時間にするのか、オフを有効活用する場面でもタイパ思考やタイパ至上主義を生み出しているのです。

タイパの最大のメリットは、「可処分時間」の向上です。
可処分時間とは、家事や仕事など以外の自分が自由に使える自分時間のこと。タイパを意識することで、さまざまなシーンのロスタイムが減り、自分だけの時間を生み出すことができるのです。
また、時間を大切にするために無駄な時間を減らします。そうすることで、自分にとって有意義な時間が増え、幸せ度が向上するといった点もメリットであると言えるでしょう。タイパを向上することで、自分にとっての幸せな時間が増えていく。あなたにとっての幸せな時間はどのような時でしょうか。一度考えてみてはいかがでしょうか。

タイパに対する価値観や考え方は、人それぞれ存在すると言えます。根本的な部分は時間の有効活用です。しかし、「時間」の感じ方は体感する人によって変わります。
例えば、2時間の映画を等速で2時間かけて見るとしましょう。
セリフのないシーンがや風景が生み出す効果も含めて映画の構成要素として楽しむ人や、日頃から映画館に行く機会の多い人にとってはあっという間で充足感のある2時間になりますが、より多くの映画を見たい人や日頃から倍速で視聴している人にとっては長く感じてしまうことでしょう。
このように、タイパの価値観や考え方は、その時・その人によって大きく変わると言えるのです。

タイパを意識している傾向が強い人には、いくつかの特徴があります。

【特徴１】わからないことがあると、すぐにSNSなどの情報で調べる
InstagramやTwitterなどの評価を参考にする。
新しく何かを勉強する時は、本を読んだり図書館で調べたりするよりも、YouTubeなどの動画で情報を効率的に集める。

【特徴２】ネタバレを好む
映画を見るときにネタバレ情報を探し、自分好みの内容かを調べてから本編を見るかどうかを検討する。
誕生日などの贈り物はサプライズで用意せず、事前に欲しいものを本人に確認し、確実に喜んでもらえるものを購入する。

これらの特徴は、あくまで一例ですが無駄な時間と無駄な時間をかけずに、効果や満足を得たいということが言えるのではないでしょうか。

タイパ（タイムパフォーマンス）の感じ方は人それぞれ。どのようなシーンでタイパが考えられるのでしょうか。特に日常的に繰り返されるシーンではタイパ向上の積み重ねが大きな時間となってきます。

日常生活の中で考えられるタイパの良い行動や考え方は以下のようなものではないでしょうか。
あなたに当てはまるものはありますか？

いかがでしょうか。
日常シーンで考えられるタイパが向上しそうなシチュエーションを10パターンご紹介しました。ここで、注意したいのは「時短＝タイパが良い」というわけではないという点です。
昨今、時短アイテムや時短料理など「時短」がキーワードとなる商品が多く生み出されています。しかし、これらの時短アイテムを使うことがタイパではないのです。
タイパの根底にある考え方は「時間を費やしただけの効果を得られそうかをもとに判断している」ということ。
時間がかかっても、ご自身が満足でき、幸せになれるのであれば、それは時間の無駄ではありません。ご紹介した10とおりのパターンも、人によって判断が異なります。
例えば、８）の「自分磨きのための習い事」も、自宅にこもりがちだからたまには外出したいという場合では、移動に時間がかかってもレッスン先に出かけるほうが満足度は高いでしょう。
ほかのパターンにおいても同様なことが考えられます。どんなに時間がかかっても、達成するために費やした時間に価値があったと感じるならば、それはタイパの良い行動であったと言えます。

日常生活ではなく、ビジネスシーンにおいてもタイパが求められるようになっています。
ビジネスシーンでのタイパは、「投資した時間に対してどの程度の利益や成果が得られたのか」ということでしょう。

例えば、
１）短期間の商談で、大型案件を受注した
２）無料で利用しているSNSで、お店の情報を拡散したらすぐに人気店になった

このような場合、利益や成果を得るまでに無駄な時間がなく、タイパが良かったと言えます。

では、ビジネスシーンでのタイパを向上させるためには、具体的にどのような施策が必要なのでしょうか。
まずは、時間の可視化が重要です。時間を可視化することで、どの業務にどの程度の時間と労力を費やしていたのかを把握できるようにします。ここで不要な業務を削減し、成果を得るための最良の方法を検討するのです。そして、タイパの良い業務を継続するために、タスクマネージメントを取り入れます。タスクマネージメントとは、タスク（業務）の進捗を管理するということ。業務を小さな単位に分け、優先度や期限などをもとに構成します。あらかじめ、効率的な業務手順を設定することで業務遂行を無駄なく行うことができるのです。

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今回はZ世代から生まれたトレンド、タイパ（タイムパフォーマンス）についてご紹介しました。ひとことでタイパといっても、ご自身の価値観によって、その形は大きく変化します。無駄と感じる時間を減らし、あなたにとって有益で幸せだと感じられる時間を増やすことがタイパ向上につながると言えます。あなたの充実した時間を作る方法として、お役立ていただけると幸いです。