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栄養機能食品とは?栄養補助食品との違いや表示ルールをわかりやすく解説

「最近食生活が乱れているのを何とかしたい」そんなお悩みがある方は、栄養機能食品が役立つかもしれません。栄養機能食品とは、ビタミンやミネラルなどが国で定めた基準内で含有された食品のことをさします。
しかし、実際に店頭で健康食品を探すと、栄養機能食品のほかにもトクホや栄養補助食品など、多種多様な食品が置いてあり、これらの違いを明確に理解してる方は多くないのではないでしょうか。
この記事では、栄養機能食品の特徴とそのほかの健康食品との違いを解説します。また、栄養機能食品を実際に摂取するときに気をつけてほしいポイントも解説するので、ぜひ最後までお読みください。

栄養機能食品とは?

栄養機能食品とは「特定の栄養成分の補給のために利用される食品で、栄養成分の機能を表示するもの」と定義されています。特定の栄養成分は、脂肪酸(1種類)・ミネラル(6種類)・ビタミン(13種類)と決められていて、これらの栄養素が国に定められた範囲内の量で配合されていれば、特別な許可なく栄養成分の機能を表示できます。

ただし、表示できる栄養機能は国によって定められていることが特徴です。また、栄養機能を表示する際には、定められた注意事項も併記することが義務付けられています。

現在、栄養機能食品の他にも、栄養補助食品やトクホ(特定保健用食品)、一般的なサプリメントなど、さまざまな健康食品が購入できます。それぞれ違いがあるので、詳しく見ていきましょう。

栄養補助食品との違い

栄養補助食品とは、普段の食事で不足しがちな栄養素を補給しバランスの取れた食生活をサポートする位置付けの食品です。栄養機能食品との大きな違いは「栄養機能の表示ができないこと」です。

日本では、私たちが口にするもののうち、医薬品や医薬部外品以外は全て食品に該当するとされていて、食品はさらに次のように分類されています。

✓ 保健機能食品
特定保健用食品(トクホ)、栄養機能食品、機能性表示食品
✓ その他の食品(いわゆる健康食品)
栄養補助食品、サプリメント、健康補助食品などさまざまな呼び名がある

食品のうち、栄養や食品自体の機能性(効果)を表示できるのは「保健機能食品」のみと保健機能食品制度で定められています。そのため、「機能性表示食品」「栄養機能食品」「特定保健用食品」などに含まれないその他のいわゆる「健康食品」に含まれる「栄養補助食品」では栄養機能を表示することはできません。また、一般的にカプセルや錠剤の形状ではなく、お菓子や加工食品の状態で販売されているケースが多いと言えます。

サプリメントとの違い

サプリメントの定義はさまざまですが、一般的には「特定の栄養素が補給できるカプセルや錠剤」と位置付けられます。ですが、サプリメントには法律上の定義はなく、お菓子の形状でもサプリメントと呼ばれることもあります。「健康に良さそうな食品」をまとめてサプリメントと呼ぶ人も多いでしょう。
 
サプリメントも栄養補助食品と同様に機能性や効果を表示できません。しかし、含有している栄養素が栄養機能食品の基準を満たしている場合には、栄養機能食品と同じ表示が可能です。また、国の審査で認められればトクホ(特定保健用食品)に、国に指定された届け出を出せば機能性表示食品として販売することもできます。

トクホ(特定保健用食品)との違い

トクホ(特定保健用食品)とは「からだの生理学的機能などに影響を与える保健効能成分(関与成分)を含み、その摂取により、特定の保健の目的が期待できる旨の表示(保健の用途の表示)をする食品」と定義された食品です。

保健機能食品の1つで、その食品の保健の用途()をパッケージに表示できます。トクホを販売するためには、食品ごとに消費者庁長官の許可が必要で、その食品について有効性や安全性について国による審査を受けます。

保健の用途の表示例:「お腹の調子を整える」「食後の血中中性脂肪の上昇をおだやかにする」

食品の種類と特徴
機能性表示食品トクホ(特定保健用食品)栄養機能食品
マークはないが、パッケージに「機能性表示食品」の記載が必要トクホマークマークはないが、特定の栄養成分について機能の表示が可能
不要(事前の届け出が必要)機能性と安全性を個別に審査不要
安全性の確保・機能性の科学的根拠を販売前に届け出る食品ごとに審査と消費者庁長官の許可が必要不要
栄養成分の含有量が国の基準範囲内であれば定型文を記載できる
平成27年平成3年平成13年
3,314件1,057件自己認証制度のため不明
事前に消費者庁に届け出を出せば、個別の審査なく販売できる商品ごとに審査が必要だが、認可されるとトクホマークを使用できる国の許可や審査が不要
栄養成分の含有量が国の基準範囲内であれば定型文を記載できる

※2024年6月11日時点

栄養機能食品とトクホの違いは上記の表のようになります。栄養機能食品は、特定の栄養素が国の基準範囲内で含有されていれば国の審査をせずとも栄養機能の表示ができますが、見分けのつくマークは特にありません。一方、トクホは専用のマークがあり見分けがつきやすいですが、食品ごとに国の審査と許可が必要となります。

栄養機能食品の表示については、後ほど「栄養機能食品の表示ルール」でも触れますが、栄養機能食品にはマークの代わりに「栄養機能食品(〇〇)」という文字がパッケージに表示されています(〇〇にはビタミンやカルシウムなどの栄養成分が表示されます)。さらに、その栄養成分について、国が定めた定型文が記載されていて、栄養成分の機能や注意事項の確認が可能です。

トクホには、通常の特定保健用食品の他に「規格基準型の特定保健用食品」「条件付き特定保健用食品」があります。

規格基準型トクホは、科学的根拠が充分蓄積されてきた成分に関しては、一定の審査を省略して定められた規格基準に適合しているかどうかの審査のみで許可が下りるようになったものです。今までに科学的根拠が充分蓄積されてきた成分には、食物繊維の難消化デキストリンやオリゴ糖が該当します。

条件付きトクホは、トクホの審査において科学的根拠が要求されたレベルに届かなかった食品について許可されるもので、「根拠は必ずしも確立されていませんが、〜〜の可能性がある食品です」といったように栄養機能の表示に制限がかかります。

栄養機能食品の種類

栄養機能食品は、容器包装に入った生鮮食品や加工食品で認められています。表示できる栄養成分は、特定のビタミン、ミネラル、脂肪酸のみです。

ビタミン(13種類

ビタミンA・B1・B2・B6・B12・C・D・E・K、ナイアシン、パントテン酸、葉酸、ビオチン

ミネラル(6種類)

亜鉛、カリウム、カルシウム、鉄、銅、マグネシウム

脂肪酸(1種類)

n-3系脂肪酸

栄養機能食品として販売するためには、上記の栄養素が食品の1日あたりの摂取目安量に「国に定められた上限と下限の範囲内」で含有されている必要があります。

栄養機能食品の表示ルール

栄養機能食品のパッケージには表示ルールがあります。次のような項目が記載されているので、購入前に必ずチェックしましょう。

✓ 「栄養機能食品(〇〇)」の表示(〇〇:栄養成分名)
✓ 国が定めた栄養成分に関する定型文(栄養の機能と注意事項)
✓ 1日の摂取目安量と摂取方法
✓ 1日の摂取目安あたりの栄養成分表示
✓ アレルゲン

※〇〇に関しては、基準値に占める割合(%)も記載されています

特に、注意事項やアレルゲンの項目は、自分が該当しないかよく確認してから摂取してください。

(参考)パッケージの表示例

栄養機能食品の表示ルールとしては、栄養成分に関しては国で定められた定型文を使用し、さらに注意事項も併記しなくてはなりません。パッケージには定型文以外の表示ができないため、栄養機能食品では同じ表記ばかり見かけることになるでしょう。

また、栄養機能食品は医薬品と異なり、口から摂取することで、病気の治療や予防ができるものではないため「多量に摂取しても健康が増進するものではない」旨の注意事項が記載されていて、1日の摂取量を守るよう注意喚起がされています。

栄養機能食品の役割

栄養機能食品の役割は「特定の栄養成分の補給のために利用される食品で、栄養成分の機能を表示するもの」とされていて、1日に必要な栄養素を摂取できないときの補給・補完をの目的としたときにで利用するとよいでしょうできます。

例えば、仕事で忙しく食生活が乱れがちなときや、年齢や病気などで食事の量が減ってしまったときに栄養機能食品を上手に活用することを検討してみてくださいできると良いでしょう。

ただし、栄養機能食品を摂取していれば健康になるわけではありません。普段の食事もできる限りバランスの良くしていくことが大切です。

栄養機能食品を摂る際の注意点

先にお伝えしたとおり、栄養機能食品さえ摂っていれば健康になったり病気の治療・予防ができたりするものではありません。主食・主菜・副菜のバランスがとれた食事を心がけましょう。

また、栄養機能食品では1日の摂取目安量がパッケージに記載されています。この摂取目安量は守るようにしましょう。たくさん食べてしまうことで、栄養素の過剰摂取となる可能性があります。

パッケージには1日の摂取目安量と一緒に注意事項も記載されています。必ずよく読んでから購入・摂取するようにしてください。特に、妊娠を希望する方や妊娠中の方、赤ちゃん、子どもに関する注意事項が多いため、該当する方は注意事項を確認してください。

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まとめ

栄養機能食品は、ビタミンやミネラルなどの特定の栄養素が不足しているときに摂っておきたい食品です。食欲がないときや忙しくて食事のバランスが乱れているときなど、栄養バランスが気になるときにおすすめです。
 
毎日の健康をキープしたい方は、普段の食生活に気をつけることを前提に、栄養機能食品を取り入れてみると良いでしょう。

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