御朱印とは?貰い方を知って日本を巡る旅に出ませんか?
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御朱印を集める「御朱印巡り」がここ数年、ひそかなブームとなっています。御朱印は神社や寺院でもらうことができますが、しっかりマナーやルールを知っておく必要があります。この記事では、御朱印のもらい方や神社や寺院への参拝方法を詳しく解説します。
御朱印とは何のためのもの?
みなさんは、神社や寺院で御朱印をもらったことはありますか?御朱印とは御朱印帳と呼ばれる冊子に参拝の証明として押印される印章・印影のことです。起源は諸説ありますが、「六十六部廻国聖(ろくじゅうろくぶかいこくひじり)」と呼ばれる日本全国を巡り66ヵ国の霊場に納経した修行僧たちが、経文を納めた証しとして受け取った「納経請取状」であったと言われています。
御朱印は、参拝や奉納の証明として、神仏と縁を結んだ証として発行されています。最近では全国の神社や寺院を巡り、さまざまな御朱印をもらいに行く「御朱印巡り」が人気です。御朱印巡りのブームがきっかけとなり、近頃の御朱印はカラフルなものや、デザイン性の高いものなどもあるため、コレクター心をくすぐるのでしょう。
御朱印のもらい方
御朱印は、神社や寺院でもらう神聖なものです。神社や寺院への敬意の気持ちとともにマナーを守ることが大切です。
御朱印帳を準備する
まずは御朱印をもらうための御朱印帳を用意しましょう。御朱印は、御朱印帳以外の紙やノートなどにもらうことはできません。
御朱印帳には大きく分けて「蛇腹折り」「和綴じ」の2種類があります。「蛇腹折り」は、アコーディオンのように山折・谷折になっていて、もう一方の「和綴じ」は、本のように片方が綴じられています。最近の主流は「蛇腹折り」。広げて書くことができるため神社や寺院側も書きやすく、また、デザイン性の高い御朱印の場合には2ページ分必要なこともあるため重宝します。
御朱印帳を購入する方法は、ネット通販や大型書店・雑貨屋で探す方法と、神社や寺院で購入する方法とがあります。神社や寺院で販売されている御朱印帳はオリジナルのもので、その神社や寺院に由来するものが描かれていたり、特徴的なデザインが施されていたりします。思い出にもなるので、お気に入りの神社や寺院がある場合にはオリジナルの御朱印帳を購入するのも良いでしょう。
神社や寺院の規模によっては、御朱印帳を販売していない場合もあるため販売しているか事前に確認しておくようにしましょう。
参拝する神社と寺院を決める
御朱印をもらうために参拝する神社や寺院を決めましょう。文部科学省の算出したデータによると、日本には大小合わせて約15万もの神社や寺院があると言われています。どんな神仏様が祀られているのか、ご自身の持つ願い事は何かで参拝する神社や寺院を決めたり、お住まいの都道府県の中で巡る、旅行をかねて巡るなど決め方はいろいろあります。ひとつの決め方に絞らずに、その時々の気分で楽しみながら神社や寺院を決めるのがおすすめです。
参拝する
御朱印をもらう神社・寺院を決めたら参拝しましょう。行き先が神社なのか寺院なのかによって参拝方法が異なるので確認しておきましょう。
神社の参拝方法
①鳥居をくぐる前に拝礼し、境内に入る。
②手水舎の水で清める。
◾️柄杓(ひしゃく)の場合
右手で柄杓(ひしゃく)の柄を持ち、水をすくって左手を洗う。左手に持ち替えて右手も洗う。もういちど右手で柄を持ち、左手に水をためて口をすすぐ。最後に、左手を洗い柄杓(ひしゃく)を両手で立て絵の部分に水を流して洗い、元の位置に戻す。
◾️流水の場合
両手を洗い、両手で水をためて口をすすぐ。最後に両手を再度洗う。
③参道を通り御神前へ進む。
④賽銭箱の前に立ち、会釈をしてお賽銭を納める。
⑤二礼二拍手一礼(二拝二拍手一拝とも言う)の作法で拝礼し、会釈をしてから退く。
◾️二礼二拍手一礼
深いお辞儀を2回(二礼)→両手を胸の高さで合わせ肩幅程度広げて2回拍手(二拍手)→両手を合わせた状態で祈る→両手を下ろして深いお辞儀を1回(一礼)
寺院の参拝方法
①山門で拝礼し入る。
②手水舎の水で清める(やり方は神社の場合と同様)。
③常香炉がある場合は煙で体を清める。
④ご本尊の前に立ち、お賽銭を納める。
⑤静かに手を合わせて、祈願する。
⑥一礼して戻る。
御朱印をもらう
参拝したら、御朱印をもらいに行きましょう。参拝する神社・寺院によっては、御朱印の書き手が不在など対応してもらえないこともあるでしょう。このような場合には、ご縁がなかったと考え次の神社・寺院へ向かうようにしましょう。
御朱印をもらうときの注意点やマナー
御朱印をもらうときに覚えておきたいマナーをご紹介します。
御朱印は必ず御朱印帳にもらう
御朱印はスタンプラリーなどただのコレクションではありません。神社・寺院と縁を結んだ証となる大切なものなので、ノートやメモ帳にもらうのはおすすめできません。必ず、御朱印帳にもらうようにしましょう。
小銭を用意する
御朱印をもらうときには、ほとんどの神社・寺院で数百円程度のお金を納める必要があります。あらかじめ100円玉を何枚か持参すると良いでしょう。
【豆知識】御朱印をもらうときに納めるお金
御朱印をもらうときのお代は「支払う」ものではなく「納めさせていただく」ものと捉えましょう。そのため、御朱印やお守りなどのいわゆる授与品に対するお代のことを、神社では「初穂料」、寺院では「納経料」や「志納料」などと言います。
日本でははるか昔から稲作中心の文化を築き、お米をご神前にお供えして、その年の恵みへの感謝と翌年の収穫を祈念してきた名残で、「初穂料」という言葉が使われているそうです。
御朱印をもらうのは参拝してから
前述しているとおり、御朱印は神社・寺院と縁を結んだ証です。御朱印をもらうだけというのはマナー違反であり、神社・寺院に対してたいへん失礼な行動です。必ず、参拝をしてから御朱印をもらうようにしましょう。
御朱印をもらう間は静かに待つ
御朱印をもらうまでの間は私語を慎みましょう。また、書き方などをこちらから要求するのはマナー違反です。御朱印はデザイン画を書いているわけではありません。まったく同じものは存在しない御朱印1つ1つとの出会いを楽しむようにしましょう。
御朱印巡りをしてみよう!おすすめの神社・寺院や時期は?
日本には数多くの神社・寺院があります。御朱印巡りをするのにおすすめの地域や季節はいつでしょうか。
日本国民の総氏神と縁結びの神社
伊勢神宮は数ある神社の中でも別格。日本の神社の原点で、皇室の御先祖である日本人の総氏神「天照大御神」をお祀りしています。また、その弟君「大国主大神」を祀る出雲大社は国造りの過程でたくさんの知恵を授け、人が生きていくための縁を結んだことから、今では縁結びの神様としても有名です。
■伊勢神宮(天照大御神)
伊勢神宮は数ある神社の中でも別格。日本の神社の原点で、皇室の御先祖である日本人の総氏神「天照大御神」をお祀りしています。広大な敷地の伊勢神宮では、内宮外宮をはじめ、7社で御朱印を集めることができます。お伊勢参りは外宮からまわるのが正しいルートとなっています。
【おすすめの時期】
3月下旬〜4月上旬、11月下旬12月上旬の桜や紅葉が見ごろの季節がおすすめです。7社巡るなら車移動も含めかなり距離を歩くことになるので、夏以外で検討するのがよいでしょう。
【所在地】
皇大神宮(内宮):三重県伊勢市宇治館町1 / 豊受大神宮(外宮):三重県伊勢市豊川町279
HP:伊勢神宮
■出雲大社(大国主大神)
心優しい大国主大神様(だいこくさま)がまつられており、国造りの過程でたくさんの知恵を授け、人が生きていくための縁を結んだことから、今では縁結びの神様としても有名です。通常旧暦10月は神無月ですが、出雲の国にはこの時期に全国の八百万(やおよろず)の神々が集まるため、神在月と言います。出雲大社に訪れるなら全国の神様が集結する11月がおすすめです。出雲大社の御朱印は4種類あります。
【おすすめの時期】11月下旬〜12月上旬
【所在地】島根県出雲市大社町杵築東195
HP:出雲大社
大河ドラマで紫式部ゆかりの神社を巡る
■大原野神社
現在NHKで放送されている大河ドラマの紫式部は大原野神社を氏神と崇め、大原野の地をとても大切に思っていたそうです。紅葉の名所としても知られており、紅葉の季節の訪問が特におすすめです。御朱印にも紫式部をレイアウトした「紫式部御朱印」があります。
【おすすめの時期】:秋
【所在地】京都府京都市西京区大原野南春日町1152
HP:大原野神社
特徴的な御朱印をもらえる神社
■仁和寺(京都府)
御朱印が切り絵になっていて、とても美しく特徴的です。季節ごとに柄が変わるので、何度訪れても集めるのが楽しい点もおすすめのポイントです。
【おすすめの時期】3月下旬~4月上旬。京都を代表する桜の名所。
【所在地】京都府京都市右京区御室大内33
HP:仁和寺
■勝林寺(京都府)
1日限定30名分の見開きの切り絵の御朱印が人気です。
【おすすめの時期】11月下旬〜12月上旬。紅葉の時期が人気。
【所在地】京都市東山区本町15-795
HP:勝林寺
■毘沙門堂(京都府)
色使いがとてもカラフルで、参拝を重ねるごとに印を重ねてもらうことができ、オリジナルの美しい御朱印ができあがります。
【おすすめの時期】11月下旬〜12月上旬。京都の中でも特に紅葉の時期がおすすめ。
【所在地】京都市山科区安朱稲荷山町18
HP:毘沙門堂
■古峯神社(栃木県)
手書きの天狗の御朱印が特徴的です。手書きであるが故にかなりの待ち時間がかかるので、宿泊を兼ねて行くことをおすすめします。
【おすすめの時期】6月下旬〜7月上旬、11月下旬〜12月上旬。花菖蒲や紅葉が見ごろの季節が特におすすめ。
【所在地】栃木県鹿沼市草久3027
HP:古峯神社
■日本三大厄除け開運大師・龍泉寺(埼玉県)
関東で唯一、厄除けと開運のご利益を同時にいただけるのが埼玉県にある龍泉寺です。
切り絵御朱印の発祥とも紹介されており、3ヵ月ごとにデザインが変更される限定切り絵御朱印はとても見事なものです。
頒布枚数に達し次第終了するため、気になる方は早めに参拝されるとよいでしょう。
【おすすめの時期】オールシーズン。
【所在地】埼玉県熊谷市 三ヶ尻3712
HP:日本三大厄除け開運大師・龍泉寺
■武蔵野坐令和神社(埼玉県)
人気ゲームや漫画とコラボレーションした御朱印を扱っており人気の神社です。季節ごとにカラフルな御朱印もあるのでおすすめです。
【おすすめの時期】オールシーズン
【所在地】埼玉県所沢市東所沢和田3-31-3
HP:武蔵野坐令和神社
人気運や金運など多様なご利益がある神社
■北海道神宮
北海道内で屈指の縁結びのご利益がある神社です。「北海道神社」と「開拓神社」2種類の御朱印がもらえます。夏の訪れを告げる「札幌祭り」が行われる6月に行くと巫女さんによる舞や神楽などを楽しむことができるのでおすすめです。
【おすすめの時期】6月14・15・16日。札幌祭り開催期間がおすすめ。
【所在地】北海道札幌市中央区宮ケ丘474
HP:北海道神宮
■蕪嶋神社
ウミネコの繁殖地として国の天然記念物に指定されている蕪島の頂上に建てられています。蕪(かぶ)という名前から、株が上がるということで人気運や金運にご利益があると言われています。御朱印や御朱印帳にもウミネコが描かれているのですが、境内ではたくさんのウミネコの姿を観察することもできます。
【おすすめの時期】4月〜6月。海辺に咲く高山植物が見ごろを迎える時期。また、5月頃はウミネコのヒナが成長し親鳥たちによる飛行訓練が始まります。ウミネコの観察をしたい方には5月が特におすすめです。
【所在地】青森県八戸市大字鮫町字鮫56-2
HP:蕪嶋神社
■成田山新勝寺
関東地方を守っている由緒ある霊場です。不動明王様を祀っており「成田のお不動さま」として全国的にも有名です。参道も長く賑わっていて、ご当地のグルメも楽しむこともできます。成田山新勝寺では6種類の御朱印を頂くことができます。
【おすすめの時期】2月。話題の有名人や力士を招いて行われる節分の「特別追儺豆まき式」が有名。また、寒い季節だからこそ、お不動さまの智慧の炎で心の迷いを焼き尽くす「御護摩祈祷」のありがたさをより強く感じられます。
【所在地】千葉県成田市成田1
HP:成田山新勝寺
■六波羅蜜寺
国の重要文化財でもある朱塗りが美しい本堂が室町時代より現存している貴重な寺院です。6種類の御朱印をもらうことができ、オリジナルの御朱印帳は繊細な模様が描かれていてとても美しい1冊です。
【おすすめの時期】巳の日、己巳の日。弁財天さまの御朱印に福寿弁財天特別印(金色)が授与される特別な日。
<2024年>
※太字・・・己巳の日
6月10日(月)・6月22日(土)
7月4日(木)・7月16日(火)・7月28日(日)
8月9日(金)・8月21日(水)
9月2日(月)・9月14日(土)・9月26日(木)
10月8日(火)・10月20日(日)
11月1日(金)・11月13日(水)・11月25日(月)
12月7日(土)・12月19日(木)・12月31日(火)
【所在地】京都府京都市東山区轆轤町81-1
HP:六波羅蜜寺
■大阪天満宮
菅原道真公ゆかりの神社です。7月に行われる天神祭の時期には、期間限定の華やかな御朱印がもらえます。菅原道真公が学問や文芸に秀でていたため、学問に関してのご利益があると言われています。
【おすすめの時期】6月下旬〜7月末頃 天神祭の時期。約1ヶ月の間さまざまな行事が行われ、期間限定の華やかな御朱印をもらうことができます。
【所在地】大阪府大阪市北区天神橋2-1-8
HP:大阪天満宮
【豆知識】御朱印ならぬ御“酒”印や御“湯”印もある!
日本全国の御酒印帳公認酒蔵を巡り、「御酒印(お酒ラベル)」を収集し貼り付けて、お酒の感想などを記録して楽しむ御酒印帳は、お酒のラベルを貼るだけでなく、蔵元やお酒の特徴、旅の思い出などを自由に書き込むことができます。
また、秋田県や京都府、山陰・瀬戸内地域、九州など、さまざまな温泉地で「御湯印(スタンプ)」を集めて楽しむことができる御湯印帳もあります。
旅行の際は、ぜひご当地オリジナル印も集めてみてください。
旅の目的は御朱印巡り。日本の伝統を感じる旅に出掛けませんか?
日本には約15万もの神社や寺院があると言われています。また、その周辺の参道は観光スポットやご当地グルメを楽しめる場所も。御朱印巡りをかねて、日本の神社や寺院を訪れる旅に出掛けてみるのはいかがでしょうか。
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まとめ
いかがでしたか。御朱印は神社や寺院とのご縁を結ぶ日本の美しい伝統文化のひとつ。日本各地でさまざまなデザインを楽しむことができるのでたくさん集めたくなってしまいます。マナーやルールをしっかり守り、日本の素敵な一面を再発見する旅にぜひ出掛けてみてくださいね。