【車所有者必見】車検ステッカーの貼付位置が2023年7月から変わる!どこに?なぜ?を解説
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車検ステッカー(検査標章)とは?
車を所有している方なら必ず見たことがあるはずの車検ステッカー(検査標章)。まずはどんな意味を持つステッカーなのかを再確認しましょう。
国土交通省によると、検査標章とは『自動車の有効期間を表示することにより無車検運行の防止を図るものとして、道路運送車両法第66条に規定され、検査標章を表示しなければ運行の用に供してはならないとされている。また、同法第98条においては、偽変造や不正使用を禁止している。』と定義されています(注1)。
簡単に言うと、車検ステッカー(検査標章)を貼ることで車検を通過していることを証明していることになります。日本では、車検を通過していないと乗車が認められていないため、とても重要な意味を持つステッカーと言えます。
車検ステッカー(検査標章)には軽自動車用と普通自動車用の2種類あり、車検の満了年月が明記されています。車の所有者は、ステッカーに記載されている満了年月を過ぎないうちに車検を受ける必要があるのです。
車検ステッカー(検査標章)の見方は以下のとおりです。
【表面・・・外側から見える】
普通自動車用
→ 四隅のいずれかに表示されている数字が車検満了年、中央付近に表示されている数字が車検満了月
軽自動車用
→ 楕円内に表示されている数字が車検満了年、下部に表示されている数字が車検満了月
【裏面・・・内側から見える】
普通自動車用・軽自動車用共通
→車検満了年月日
貼付位置はどこになる?なぜ変わるの?
みなさんは車検ステッカー(検査標章)を今までどこに貼っていましたか?国土交通省によって今までは『前方から見やすい位置』に貼るように定められていたため、フロントガラスの中央あたりに貼っていたという方がほとんどではないでしょうか。
このルールが、2023年7月以降は『前方かつ運転者席から見やすい位置』に変更されます。具体的な貼り付け位置は、運転者席側の上部で車両の中心から可能な限り遠い位置となります。
なぜ、貼り付け位置の変更が決まったのでしょうか。背景には、車検切れ状態で運行する車を減らすという目的が考えられます。国土交通省のデータによると、2013年度の街頭検査では、検査を受けた約14万台のうち130台が無車検車として取り締まったとされています(注2)。割合としてはわずか0.09%ですが、これだけの台数の「車検切れの車」が道路を走っていると考えるととても怖いことではないでしょうか。
そのため、国土交通省は日本中のガソリンスタンドや整備工場に、車検切れや検査標章貼忘れなどの車を発見したときには通報するよう協力依頼しており、年間51件の通報のうち無車検車は30件あったことがわかっています。
車を所有するためには、車検を通過していることが義務付けられているため所有者は自分の車はいつ車検を受けなければいけないのかを常に把握しておきましょう。車検時期を忘れていたと言う理由で、車検切れの車が増えないようにするために、運転する位置から見やすい位置に、車検ステッカー(検査標章)の貼り付け位置が変更になったのです。
車検ステッカーを貼らないとどうなるの?
車検ステッカー(検査標章)を貼っていない車には罰金が科せられてしまいます。
道路運送車両法第66条の「検査標章を表示しなければ運行の用に供してはならない」と定められており、車検ステッカー(検査標章)を貼らずに公道を運転すると、道路運送車両法第109条9により50万円以下の罰金が科せられるのです(注3)。
そのため、車検を受け新たに発行された車検ステッカー(検査標章)は、手元にきたらすぐに貼り替えるようにしましょう。
【豆知識】車検ステッカーが手元にない期間はどうする?
新車を買ったときには、購入したディーラーがあらかじめ車検ステッカーを貼っておいてくれるケースがほとんどなので安心です。その後に車検を受けたときには、整備工場での検査やメンテナンス後、車検ステッカーの発行を申請して届くまでに数日程度かかるため、以下の2パターンが考えられます。
ケース①:車検終了後すぐに車が返却され、車検ステッカーが届くまでの数日間は代わりに「保安基準適合標章(車検に合格済であることを証明するもの)」を貼って走行。車検ステッカーが手元に届いたら保安基準適合標章から車検ステッカーに貼り替える。
ケース②:車検終了後、車検ステッカーが届くまで台車を貸してくれ、車検ステッカーを貼った状態で自分の車が返却される。
基本的には②の対応をしてくれる整備工場の方が多いですが、①のケースの場合は自分で張り替える必要があるため、知っておいて損はないでしょう。
もしも新しく発行された車検ステッカー(検査標章)を紛失した場合には、できるだけ早く再発行の手続きを行いましょう。期限が切れているステッカーが貼られている状態では、決して乗車してはいけません。
車検ステッカー(検査標章)再発行の手続きは、車を登録している地域の最寄りの運輸支局又は自動車検査登録事務所に必要な書類を提出することができれば即日で対応してもらえます。必要なものは以下のとおりです。
【普通自動車】
・自動車検査証(車検証)
・車検シール(汚損・破損の場合のみ)
・申請書
・理由書
・手数料納付書
・印鑑(本人が申請する場合、認印可)
・委任状(代理人が申請する場合のみ)
【軽自動車】
・自動車検査証(車検証)
・車検シール(汚損・破損の場合のみ必要)
・申請書
・申請依頼書(代理人が申請する場合のみ必要)
再発行の申請を行う場所は、普通自動車の場合は運輸支局か自動車検査登録事務所、軽自動車の場合は軽自動車検査協会と申請窓口が異なるため注意しましょう。また、どちらも手数料として300円(印紙代)が必要です。
車検ステッカー以外に車に貼らなければならないものは何?
『自動車保管場所標章』の貼り付けも義務化されています。このステッカーは車庫証明の証となるステッカーで、「自動車の後面ガラスに保管場所標章に表示された事項が後方から見やすいようにはり付けること」と定められています。
『自動車保管場所標章』は貼らなくても罰則などの対象とはなりませんが、貼っていないと警察に注意を受ける可能性があります。車庫証明は、車を所持するときにほとんどの地域で申請することが義務付けられています。所有者としてのモラルを守ると言う意味でも、貼ることをおすすめします。
『点検整備済みステッカー』もモラルを守るという観点で貼り付けるのがおすすめです。点検整備済みステッカーは12ヵ月点検を受けることで発行されるステッカーで、フロントガラスの左上に貼ります。以前はその丸い見た目が黒電話のダイヤルに似ていることから「ダイヤルステッカー」とも呼ばれていました。
車検は新車であれば購入後3年目で受ける必要がありますが、それ以降は2年おきに受けることになります。しかし、安心・安全に車に乗るためには年に1回はきちんとした整備工場で車のメンテナンスを受けるのがおすすめ。点検整備済みステッカーは、車検ステッカー(検査標章)以外で、唯一フロントガラスに貼ることが許されている重要な意味を持っているステッカーです。定期メンテナンスをしっかり行い、ご自身の車の安全性をしっかりと周囲に見せるようにしましょう。
車検証は電子化されている
車検ステッカー(検査標章)の話をしていましたが、実は車検証の電子化が開始されていることをご存じでしょうか。2023年1月以降に発行された車検証や更新手続きを行った場合は、ICカードの車検証を受け取ることになります。軽自動車の場合は、2024年1月から発行開始が予定されています。
電子化されることでのメリットは、車検証発行までの時間短縮と車検証の情報確認の簡素化です。車検証の電子化に伴い、閲覧用のアプリの提供も開始されました。この閲覧アプリはスマホやパソコンから365日24時間確認できるため、車検証本体が手元に無い時でも、車検証の情報を確認することが可能となっています。
車を所有するなら自動車保険を忘れずに
車検証と同じくらい大切なもの、それは自動車保険です。車の購入時には、自賠責保険に強制加入が求められるため、自賠責保険に加入していれば自動車保険は不要なのでは?と思う方も多いかもしれません。しかし、自動車保険と自賠責保険には大きな違いがあります。
それは補償対象です。自賠責保険は相手の人のケガや後遺障害、死亡などへの賠償(対人賠償)のみが補償対象になっているのに対して、自動車保険は相手の車や自分の車、自分のケガなどその他の補償も組み合わせることができます。事故が起きてしまったとき自賠責保険だけではカバーしきれないことも、組み合わせ次第で自動車保険ならカバーできます。また、ロードサービスや事故発生時のサポートなどのサービスを受けることができるものもあります。
車の買い替え時やライフスタイルが変わったときなどに保険を定期的に見直すことで、ご自身にあった補償内容や保険料にできます。自動車保険は定期的に見直すようにしていきましょう。事故率が低い世代の保険料を割安にした保険などもあるので、参考にしてください。
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SA2023-1014(2023.5)
まとめ
いかがでしたか。今回の記事では、2023年7月から変更される車検ステッカー(検査標章)の貼り方についてご紹介しました。今までと違う場所に貼ることになるので、新しいステッカーが手元にきたら間違えないよう気をつけましょう。
近年は車検証等のデジタル化が進み、管理が楽になってきていますが、車検ステッカーはその車の安全性を周囲の人に証明する役割もあるため、現状はデジタル化が難しいものです。車をお持ちの方は、安全なカーライフを楽しむためにも、正しい位置への貼り付けを忘れないように、もし整備工場で貼ってもらえた場合でも、念のため貼り付け位置のチェックを行うようにしましょう。
(注1)(注2)「検査標章の現状について」(国土交通省)
(注3)「道路運送車両法」(e-Gov法令検索)