「ベイビーインカー」は車に貼ったほうが良い?ステッカーの始まりと乗車時の注意点も解説
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赤ちゃんが生まれたら、移動に車を使えるととても便利ですよね。もうすぐ赤ちゃんが生まれる、あるいは赤ちゃんが生まれたばかりというご家庭では、いつから赤ちゃんを車に載せて良いのか、「ベイビーインカー(赤ちゃんステッカー)」を貼った方が良いのかなど、考える機会があると思います。
特に「ベイビーインカー(赤ちゃんステッカー)」を貼っていると、『赤ちゃんがいるからこちらを優先して、こちらの運転に合わせて』などという要求をしているように捉えられるのでは?と不安を感じることもあるのではないでしょうか。自身にはそんな気持ちはなくても、ステッカーによって周囲に強要として捉えられてしまうかも…と考え、ステッカーを貼らない選択をする方もいるかもしれません。
この記事では、「ベイビーインカー(赤ちゃんステッカー)」に悩む方に知っておいてほしいステッカーの意味と生まれた経緯をご紹介します。赤ちゃんと一緒に安全なドライブをするときの注意点もあわせて解説しますので、ぜひ参考にしてください。
車に貼る「ベイビーインカー(赤ちゃんステッカー)」にはどんな意味がある?いつまで必要?
車用の「ベイビーインカー(赤ちゃんステッカー)」は、車内に赤ちゃんが同乗していることを周囲に知らせる意味を持っています。
赤ちゃんや幼児などのこどもが乗っていない車はトラブルがない限り、走行中に減速したり、路肩に車を寄せたりすることはそう多くはありません。しかし、後ろにこどもが乗っていれば、時々様子を見るためにスピードを落とすことがあります。こどもに異変が起これば路肩に寄せるケースもあるでしょう。
前を走る車に「ベイビーインカー(赤ちゃんステッカー)」が貼ってあったら、減速したり突然路肩に止めたりする可能性があるかもしれない、と運転に余裕をもって構えておくと良いでしょう。赤ちゃんがいるから安全運転に協力してほしいという要求ではなく、意図せずイレギュラーな運転になってしまう可能性があるというお知らせの意味として受け取ることでイライラしたりせず、余裕を持った運転がやさしい社会につながります。「ベイビーインカー(赤ちゃんステッカー)」があることで赤ちゃんの存在を周囲に知らせることができるため、双方で思いやりのある運転を心がけることで事故の予防にもつながります。
事故を起こせば双方に負担がかかるため、周囲に赤ちゃんが同乗していることを知らせるために、ステッカーを貼ることがおすすめです。
「ベイビーインカー(赤ちゃんステッカー)」を貼るかどうか迷っている人の中には、いつまで貼ればいいかわからないと感じている人もいるでしょう。ステッカーを剥がす時期は人それぞれで、赤ちゃんを乗せた運転に慣れたころに剥がすという人もいます。
幼児期に剥がし、キッズインカーに切り替える人もいるため、両親それぞれが考えるタイミングで剥がしたり、ステッカーの種類を切り替えたりするといいでしょう。
「ベイビーインカー(赤ちゃんステッカー)」ができたきっかけは?
「ベイビーインカー(赤ちゃんステッカー)」ができたきっかけは、交通事故によって命を落とす赤ちゃんが多いこと、考案者が赤ちゃんの安全を願ったことです。体が小さく、未熟な赤ちゃんは交通事故によって死亡するケースが多々あります。
失われていく命に胸を痛めたマイケル・ラーナー氏が、赤ちゃんが乗っている車への安全について意識を高めてほしいと考え、ステッカーが生まれました。
ステッカーは最初から多くの方に受け入れられたわけではありませんが、現在では発祥地アメリカを中心に海外でも浸透しています。赤ちゃんの安全を願うという優しい気持ちから生まれたステッカーなので、車に赤ちゃんを乗せるときには、ぜひ貼ってみてください。
「ベイビーインカー(赤ちゃんステッカー)」の種類と貼り方について
「ベイビーインカー(赤ちゃんステッカー)」にはシール・吸盤・マグネットの3タイプがあり、それぞれで特徴や貼り付け方が異なります。車によって適したタイプも異なるため、まずはそれぞれの特徴を確認しておきましょう。ここからは、3タイプの詳細について解説します。
シールタイプの特徴と貼り方
シールタイプの赤ちゃんステッカーは、車のボディにデザインを転写するものです。しっかりと貼り付ければ剥がれることなくキープできるため、車のボディに似合うデザインやカラーのものを選びましょう。
美しく仕上げるには、貼るときのコツを把握することが重要です。コツを交えた貼り方を見ていきましょう。
- 貼る位置を決めて汚れなどをきれいに落とす
- 転写する周りにマスキングテープを貼る
- 透明シートの上からデザイン部分をへらで強くこする
- 透明シートを剥がしてデザインすべてが写っているかを確認
- 端1~2cmほどを台紙から剥がしてボディに貼る
- 台紙を少しずつ剥がしながらへらで強くこすっていく
- 台紙をすべて剥がしたら再度デザイン部分を強くこする
- 透明シートをゆっくり剥がす
作業はゆっくり、丁寧に行ってください。急いで作業をするとデザインすべてがボディに転写されなかったり、しっかりと貼り付けられず耐久性が弱まったりします。
貼り付けたシールを長く持たせたいのなら、ラミネート加工やUV加工が施されているものを選びましょう。シールは紫外線や汚れ、洗車時の刺激などによって耐久性が弱くなるため、事前に加工されているものを選んでおけばステッカーも長持ちします。
吸盤タイプの特徴と貼り方
吸盤タイプは文字やキャラクターがデザインされたステッカーに吸盤が付いているもので、簡単に付け外しができます。付ける場所は車の内側で、周囲のドライバーが確認できるリアガラスの端部分に設置することになります。
車の内側に貼り付けるため、雨風や紫外線によってステッカーが劣化せず、きれいな状態のまま長くキープできるでしょう。
吸盤はリアガラスにぴったり密着するよう付ければ外れることもありません。ただし、付け方に誤りがあるとちょっとした衝撃で落ちてしまうため、何度も外れるとお悩みの方は以下の方法で付けてみてください。
● 吸盤に水をつけて付ける
● 80℃ほどのお湯につけてから使う(吸盤のカーブを正しい状態に戻す)
● 吸盤にハンドクリームを塗ってから付ける
● 吸盤専用のシールや接着剤を使う
リアガラスをきれいに拭き、いずれかの方法を実践して付けてみましょう。吸盤専用のシールや接着剤はリアガラスに跡が残る恐れもあるため、あまりおすすめできません。まずは水やお湯、ハンドクリームを試してみてください。
マグネットタイプの特徴と貼り方
マグネットタイプはボディに貼るだけなのでいちばん手軽に使えます。特に複数台の車でステッカーを使いまわしたい方におすすめです。貼る部分をきれいにして付ければ、洗車機を利用しても外れることがないため、気付かぬうちに落としてしまったということもないでしょう。
マグネットタイプは車のボディがアルミ製・樹脂製だと貼り付けられません。リアガラスに貼り付けることはできないので、どちらかの材質の車に乗っている方は、ステッカータイプか吸盤タイプを選んでください。
接着面が強力なので外れることはほとんどありませんが、雨風や紫外線に常にさらされているため、ステッカーそのものが劣化しやすいでしょう。長く使っているとデザインが色あせてしまうので、気になり始めた時期に買い替えを検討しましょう。
車に赤ちゃんやこどもを乗せるときの注意点は?
「ベイビーインカー(赤ちゃんステッカー)」によって赤ちゃんが乗っていることを周囲に知らせることができるものの、イレギュラーな運転によって事故が起こる可能性はゼロではありません。また、車は大人が乗るものとして設計されているので、赤ちゃんや幼児を乗せる際にはチャイルドシートの設置などの対策が必須です。
ここからは、赤ちゃんや幼児を乗せる際に気を付けたい4つのポイントを解説します。
年齢に合わせたベビーシート・チャイルドシートを設置
赤ちゃんやこどもを事故の衝撃から守るには、ベビーシートやチャイルドシートの設置が必須です。
特に道路交通法により「自動車の運転者は、チャイルドシートを使用しない6歳未満の幼児を乗せて運転してはならない」と定められていますので、赤ちゃんを連れて車で出掛ける機会がある方はしっかり準備しておきましょう。
シートには以下の種類があります。
● ベビーシート:新生児~1歳ごろまで
● チャイルドシート:1~4歳ごろまで
● ジュニアシート:4~12歳ごろまで
ベビーシートは新生児のころから使えるタイプで、赤ちゃんの体に沿った設計です。軽量で持ち運びもできるため、ドライブ中に眠ってしまった場合は、シートごと運んで自宅に寝かせておけます。
チャイルドシートは座椅子のような形のコンパクトなタイプです。シートに上半身を固定するベルトが付いているため、事故が起きた際にこどもが車外に投げ出されるリスクを抑えられます。
ジュニアシートは4~12歳まで使えるものですが、着用義務が定められているのは6歳以下なので、6歳以降は無理に付ける必要はありません。
これらの他に、新生児~4歳ごろまで使えるベビー&チャイルドシート、新生児~12歳ごろまで使えるシートも用意されています。年齢に合わせて買い替えるのではなく、1つのシートを長く使いたい方は新生児から学童まで使えるタイプを選びましょう。
ベビーシートやチャイルドシートは車の座席に付いているシートベルトを使って固定するもの、座席の金具にシートのコネクタを付けるものの2種類に分かれています。シートによって固定方法が異なるため、使い勝手のいいタイプはどちらかをよく考えたうえで購入してください。
どのシートでも必ずチェックしておきたいのが、安全基準を通過しているかどうかです。ECE R44/04・R129(i-Size)のマークが付いているものは安全基準を満たしているため、赤ちゃんやこどもをしっかりと守れるでしょう。購入時には安全基準マークが付いているものを選びましょう。
赤ちゃんを連れた移動中は適度に休憩を
赤ちゃんは体力がなく、長時間車に乗せたままだと体調を崩す恐れがあるため、赤ちゃんのために適度に休憩を入れることが大切です。長距離の移動をする際は、1時間に1回のペースで休憩を取りましょう。休憩の際はシートに乗せたままにするのではなく、赤ちゃんを下ろして授乳やおむつ替えをすることがおすすめです。
こまめに休憩をとる必要があるため、移動の際は時間に余裕を持って動きましょう。時間に余裕のないスケジュールだと赤ちゃんに負担がかかるので、注意が必要です。
赤ちゃんにとって快適な環境を整える
赤ちゃんを乗せて運転するときは、負担を最小限に抑えるために快適な環境を整えましょう。環境を整える際にチェックしておきたいのが以下のポイントです。
● 空調設定
● シート設置場所の日当たり
● 赤ちゃんの横に見守りできる人がいるとベスト!
車内がちょうどいい温度だとしても、赤ちゃんに温風や冷風があたると、汗を大量にかいたり風邪をひいたりするかもしれません。持続的に赤ちゃんに風があたることでストレスも感じるため、直接風があたらないよう配慮してあげましょう。
シートを設置する部分に日が差し込むようであれば、簡単に付け外しができるサンシェードを設置してください。強い日差しは赤ちゃんの眠りを妨げるため、時間帯に応じて利用してみてください。
赤ちゃんやこどもを車内に放置することは厳禁!!
コンビニに飲み物を買いに行く、またはトイレに行く短時間でも、車から離れる際は必ず赤ちゃんを連れていきましょう。わずかな時間だとしても、エンジンを切った車内にこどもを残していくのは危険です。特に夏は、こどもが短時間で熱中症になったケースもあるため、命にかかわります。
眠っている赤ちゃんを連れ出すのはかわいそうではあるものの、万が一の事故が起こった際は後悔しきれません。赤ちゃんやこどもの安全を守り、不運な事故を避けるためにも、車内への放置はやめましょう。
自動車保険にもしっかり加入しよう
赤ちゃんを守る工夫をしていれば事故時に大きなけがにつながる可能性は下がるものの、相手方への損害を賠償しなければならない時は経済的負担が大きくなります。
車を所有していると、自賠責保険に強制加入することになります。しかし、自賠責保険は事故相手のケガや万一の補償しかできず、上限額も低いため、相手に対して4,000万円以上の賠償が発生した場合や自分のケガ、車の損害にも対応するために民間の自動車保険に加入している人がほとんどです。実際、2022年度の自動車保険(共済を含む対人賠償)の普及率は88.7%(※1)でした。
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まとめ
「ベイビーインカー」ステッカーは赤ちゃんが同乗しているため、意図せずイレギュラーな運転をする可能性があることを周囲に知らせる意味を持ちます。赤ちゃんの安全を願う優しい気持ちから生まれたものなので、このステッカーを貼るドライバーも、周囲のドライバーも双方が思いやりをもって、車を運転することができるといいですね。
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※1 参照:損害保険料率算出機構「自動車保険の概況」