今、注目される新しい価値体験
サステナブルな旅に出よう

この一年、私たちの意識や日常は大きく変わりサステナブルがメインストリームとなりつつある。人生を豊かにしてくれる旅も同じ。真の豊かさやより深いよろこび、新しい価値を求めるなかでSDGsに貢献するツーリズムであることが重要な選択肢となる。そこで、観光業界の先進的なSDGsへの取り組みやこの夏にも世界自然遺産登録が見込まれる八重山諸島、奄美大島に目を向けてサステナブル・ツーリズムができるリゾートをご紹介します。

SDGsに大きく貢献するサステナブル・ツーリズムは日常生活に寄り添いより良い未来へと導く

美しい地球を次世代に引き継いでいくため、国連は2015年に持続可能な開発目標(SDGs)を採択しました。旅することは、SDGsに大きく貢献する可能性を秘めています。2019年の国連世界観光機関(UNWTO)の発表によると、ツーリズムは世界のGDPの10%、観光消費は1・4兆米ドルに達するほどインパクトが大きい産業です。SDGsのなかでも経済、社会・雇用、環境、文化・多様性・遺産、相互理解・安全・平和の5分野は、ツーリズムと密接に関わっています。旅行者も、より快適で自分らしい旅を求めるようになり、サステナブル・ツーリズムへの関心が高まっています。具体的には、訪れた地域の魅力にふれて家族や友人と生きるよろこびを分かち合いながら、地域の人々の暮らしや伝統、自然や生態系・生物多様性にも良いインパクトを与える旅のことです。良質なプログラムを提案する観光事業者と、旅行者、地域住民が一体となって、SDGsが描く世界へと前進するサステナブル・ツーリズム。それは、決して不要不急ではなく、世の中を良くしていく入口として、つねに日常生活に寄り添うもの。観光は、社会を支える重要な役割を担っているのです。この夏にも世界自然遺産に登録されるであろう奄美大島、徳之島、沖縄島北部および西表島は、これまで以上に多くの人が訪れるようになるでしょう。貴重な島の自然や人々が大切に守ってきた文化・風習を尊重し、訪れる前よりも島が良くなるような旅を心がけることが重要です。誰にでも記憶に残る美しい景色や、誰かと味わいたい思い出の食があるはずです。それを次の世代に引き継ぐため、「旅が明日を良くしていく(Tourism for a better tomorrow)」という言葉を胸に刻んで、私たち一人ひとりがレスポンシブル・トラベラー(責任ある旅行者)として新しい旅を作りましょう。

SDGsに大きく貢献するサステナブル・ツーリズムは日常生活に寄り添いより良い未来へと導く

美しい地球を次世代に引き継いでいくため、国連は2015年に持続可能な開発目標(SDGs)を採択しました。旅することは、SDGsに大きく貢献する可能性を秘めています。2019年の国連世界観光機関(UNWTO)の発表によると、ツーリズムは世界のGDPの10%、観光消費は1・4兆米ドルに達するほどインパクトが大きい産業です。SDGsのなかでも経済、社会・雇用、環境、文化・多様性・遺産、相互理解・安全・平和の5分野は、ツーリズムと密接に関わっています。旅行者も、より快適で自分らしい旅を求めるようになり、サステナブル・ツーリズムへの関心が高まっています。具体的には、訪れた地域の魅力にふれて家族や友人と生きるよろこびを分かち合いながら、地域の人々の暮らしや伝統、自然や生態系・生物多様性にも良いインパクトを与える旅のことです。良質なプログラムを提案する観光事業者と、旅行者、地域住民が一体となって、SDGsが描く世界へと前進するサステナブル・ツーリズム。それは、決して不要不急ではなく、世の中を良くしていく入口として、つねに日常生活に寄り添うもの。観光は、社会を支える重要な役割を担っているのです。この夏にも世界自然遺産に登録されるであろう奄美大島、徳之島、沖縄島北部および西表島は、これまで以上に多くの人が訪れるようになるでしょう。貴重な島の自然や人々が大切に守ってきた文化・風習を尊重し、訪れる前よりも島が良くなるような旅を心がけることが重要です。誰にでも記憶に残る美しい景色や、誰かと味わいたい思い出の食があるはずです。それを次の世代に引き継ぐため、「旅が明日を良くしていく(Tourism for a better tomorrow)」という言葉を胸に刻んで、私たち一人ひとりがレスポンシブル・トラベラー(責任ある旅行者)として新しい旅を作りましょう。

島人や旅人とも力を合わせて100年後も持続可能なリゾートを

自らのアクションを「勝手にSGDs」と呼び、持続可能な活動を行う星野リゾート。その源流は、開業当初から自家水力発電によって電気をまかなってきた星野旅館まで遡る。現在の「星のや軽井沢」の印象的な景観を作っている川は、下流にある水力発電の調整池を兼ねており、消費エネルギーの約70%は、敷地内の2カ所の水力発電と温泉排湯、地中熱で自給している。できる限り自らの場所の自然エネルギーでまかなうEIMY(Energy InMy Yard)は、多彩な「勝手にSDGs」の一例。

社会的価値の向上と地域での雇用や消費による経済効果の両立が、星野リゾートの基本的価値観だ。世界自然遺産に登録間近のエリアでも、さまざまな取り組みが行われている。「星のや竹富島」は、2021年2月から海水淡水化熱源給湯ヒートポンプユニットを稼働し、飲料水の自給をスタートさせた。淡水化と同時にCO2を削減し、環境負荷の低減を実現している。災害時でも水と湯、電力の供給が可能となり、町内初の民間企業避難所としても期待が寄せられている。さらに、島と共生するリゾートとして、一般財団法人竹富島地域自然資産財団とパートナーシップを締結。協働して地域文化と島の保全活動を進めている。「星野リゾート 西表島ホテル」は、日本初のエコツーリズムホテルを目標に3つの活動を展開している。1つ目はエコロジカルなホテル運営。ペットボトルフリーや、1WAYプラスチックフリーを推進し、ゼロ・エミッションをめざすこと。
2つ目は、西表島在住のナチュラリストガイドと協働した島の魅力と価値を感じるネイチャーツアーを通年で実施。3つ目は絶滅危惧種イリオモテヤマネコの保護活動。ロードキル対策の知識をゲストに伝えて、貴重な生物多様性の保全に貢献している。国内外の星野リゾートに広がる「勝手にSDGs」は、地域の活性化とサステナブル・ツーリズムを創り出している。

広い縁側で南風に吹かれ、どこからともなく聞こえる三線の音にまどろむ。亜熱帯の木々と野面積みのグック(石垣)に囲まれた伝統建築の客室で、ひととき島人が暮らすように過ごしてみると、島の自然に対する慈しみの心が生まれてくる。自然文化にふれ合いながら美(ちゅ)ら海を守るアクティビティ「まいふなーツアー」には参加するゲストも増えつつあるとのことだ。また、星のや竹富島は、島人とともに伝統作物を継承し、島の歴史や祭礼を伝える畑プロジェクトに取り組んでいるという。皆が協力し助け合う「うつぐみの心」を大切に、水やエネルギーを自給するリゾートはやすらぎと豊かさに満ちている。
星のや竹富島の飲料水は、清らかな海の水を太陽光発電で淡水化したもの。客室にはウォータージャグ、パブリックスペースにはウォーターサーバーが設置されている。

固有種や絶滅危惧種などが数多く生息するネイチャーランド・西表島と共存する「星野リゾート 西表島ホテル」。
イリオモテヤマネコの生態や島の自然について学ぶプログラム「やまねこの学校」(通年実施)、サンゴ礁やマングローブの森をフィールドとしたネイチャーツアーなどで自然とふれ合ううちに、かけがえのない島の魅力や自然が心に刻まれるだろう。

また、日本におけるエコツーリズムホテルのパイオニアとして、アメニティの持参をお勧めするなど、ゲストに新しい旅のかたちを提案する。日本最後の秘境と称され、奇跡の島と呼ばれる島の価値を知り、真摯に向き合う覚悟で訪れたい。

テラスから海まで10秒。大自然に抱かれたヴィラタイプの「伝泊 The Beachfront MIJORA」では、目の前に抜群の透明度を誇る奄美ブルーの海や、地平線が広がり、まるで海とひとつになったかのようなステイが叶う。同ブランドは、伝統的建築に暮らすように滞在する「伝泊 古民家」、島の人々の暮らしを支える複合施設まーぐん広場の上にある「伝泊 奄美ホテル」、(別棟「伝泊 フレンドリー」を含む)3タイプ。屈指の大自然や気候風土によって発展した伝統建築、集落固有の文化や風習といった島の日常こそが奄美の宝。島人と交流することで集落はより活気づき、持続可能な奄美を応援する旅になる。

熊田順一
1992年、明治大学商学部卒業。
株式会社日本交通公社に入社後、訪日インバウンド事業、海外オンライン販売事業、訪日オンライン販売事業に携わる。2014年7月から、観光庁の推薦により日本人として初めて国連世界観光機関(UNWTO)に派遣され、アジア太平洋部門のシニアオフィサーとしてアジア太平洋観光行政部門の窓口を務める。2017年4月、株式会社JTB 総合研究所に主席研究員として着任、グローバルツーリズム分野を担当している。